2009/10/12

Brasil inspired.

BK-ONE with BENZILLA "Radio Do Canibal" 
(Rhymesayers  Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

ちょっと前に "Tema Do Canibal" のビデオを観て以来、けっこう楽しみにしてた BK ワンのブラジリアン・ヒップ・ホップ・アルバム。やっとリリースされたんだけど、期待に違わぬ内容で、なかなか味わい深い 1 枚に仕上がってる。

「ブラジリアン・ヒップ・ホップ」って言っても「ブラジル人アーティストによるヒップ・ホップ」ではなくて、「ブラジル音楽ネタのヒップ・ホップ」って意味。BK ワンはミネアポリス在住のアメリカ人 DJ / プロデューサーで、ブラジルを旅したときに掘ってきたネタでアルバムを作った、と。インタールードのタイトルが “Caetano Veloso” とか “Ivan Tiririca” とか “Hyldon” だったりするくらいで。ただ、「ブラジル産」ではなく、「原料:ブラジル / 製造:アメリカ」ってことなので、仕上がりとしては「ブラジル音楽」ってよりも、ブラジルは存分に感じさせるけど、あくまでも「ヒップ・ホップ」な印象かな。

参加してるアーティスト / MC も基本的にアメリカのアーティストで、ザ・ルーツのブラック・ソートだったり、リトル・ブラザーのフォンテだったり、スカーフェイスだったり、リヴィング・レジェンズのマーズだったり、ウータン・クランのレイクウォンだったりと、なかなか豪華且つ間違いないメンツ。モス・デフとかエリカ・バドゥの作品でも知られてるヒプノティック・ブラス・アンサンブルも参加してるし。あと、もちろん、レーベル・メイトであり、相方としてツアー等を共に行ってるブラザー・アリも参加してる。

なんか、聴いててすごく不思議なのが、ブラジル人アーティストのヒップ・ホップとも、ブラジル音楽に影響を受けた日本人とかヨーロッパ人のアーティストのサウンドとも、どこか違う感じがすること。具体的に何がって言われると、なかなか上手く指摘できないんだけど。思えば、他の国のアーティストに比べて、アメリカのアーティスト、特にヒップ・ホップのアーティストが他国の音楽の影響をモロに受けたサウンドを作ることってあまりないような気がするし(アフリカ音楽は例外的にあるけど)、しかも、アルバム 1 枚丸ごとってなると、それこそ珍しいと思うし。そういう意味でも、なかなか面白い作品だな、と。

まぁ、決してメジャーなアルバムってわけではないから、話題作ってわけじゃないと思うけど、ありそうで実はなかったタイプのアルバムだし、まぁ、そういうことを抜きにしても、なかなか気持ちいいグルーヴなんで、純粋にヒップ・ホップとしても十分楽しめるし。


BK-ONE with BENZILLA "Mega (Feat. ACEYALONE, MYKA 9 & ABSTRACT RUDE)" (From "Radio Do Canibal")




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