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これまでにもアンプ・フィドラー + スライ & ロビー盤、アシュレイ・ビードル + ホレス・アンディ盤、ザ・ヒーリオセントリックス + ムラトゥ・アスタトゥケ盤をレビューしたイギリスのストラット・レーベルのコラボレーション・アルバム・シリーズ、"Inspiration Information" の第 4 弾で、今回はジミ・テナーとトニー・アレン。これまた、かなり意外で、でも、ちょっと楽しみな、なかなか絶妙な組み合わせで。
ジミ・テナー(アートワーク写真右)はフィンランド出身の変人マルチ・インストゥルメンタリスト。もともとは、今年、めでたく 20 周年を迎えたワープからリリースした作品で注目を集めたからか、わりとテクノ寄りなアーティストなイメージがあったけど、とても「テクノ」の一言では片付けられないというか、一筋縄ではいかない独特のサウンドを聴かせてきたプロデューサー / ミュージシャンで、まぁ、なかなか掴みどころがない、でも、独特の存在感を放ってる不思議なヤツって印象(ルックスも相俟ってかも?)。
一方のトニー・アレン(アートワーク写真左)は、言わずと知れたフェラ・クティのドラマーであり、言ってみれば 'ミスター・アフロビート' 的なリヴィング・レジェンド。まぁ、この組み合わせを聞いて、すぐに接点を見出すのはなかなか難しかったりもするけど、ちょっと考えてみると、案外シックリきたりするかも? って思ったりもするから不思議。そういう意味でも、してやられてるっていうか、絶妙な組み合わせって言えるんだと思うけど。
聴く前の想像では、文字通り異種格闘技戦的な意外性が生まれるか、案外ガッチリ噛み合うか、どっちかかなぁ、と思ってたけど、結果には後者だった。全然違和感なく噛み合ってて。ジミ・テナー自身が、昔のエレクトロニカ的なイメージではなく、バンド・サウンドを主体としたディレクションになってるせいか、フツーにファンキーでジャズ的なサウンドに仕上がってる。あまりにもストレートな感じで、ちょっと肩透かしなくらい。まぁ、出来自体は全然悪くないんで、特に問題があるわけじゃないけど、もうちょっとエクスペリメンタルというか、化学反応的なことを期待してたところがあったんだけど、全然ケミカルな感じじゃなく、すごくオーガニックに噛み合う、っていうか、溶け込んでる感じで。まぁ、それはそれで全然いいんだけど。ちなみに、YouTube でプレヴュー・ムーヴィーとインタヴューが観れる。
まぁ、この "Inspiration Information" シリーズに関しては、いつもながら感心させられるっていうか、こういう世代も国籍もジャンルも超えたコラボレーションって、それだけでなんかワクワクしちゃうから不思議。それが音楽の持つエネルギーなんだろうな、なんてあらためて思ったり。
JIMI TENOR & TONY ALLEN "Got My Egusi" (From "Inspiration Information, Vol. 4")
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