2009/10/03

An unyielding way of life.

ヴィンランド・サガ 8 巻 幸村 誠 著(講談社) 

前に 6 巻 7 巻もレヴューした幸村誠の第 2 作目の 8 巻 7 巻をレヴューしたのが今年の 3 月だから約半年ぶりの発売ってことになる。まぁ、連載されてるのが月刊『アフターヌーン』だから仕方ないけど、やっぱり久々感は否めないかな。まぁ、読んじゃうと、思った以上にすんなりと(前巻までの流れを思い出して)読めちゃうんだけど。

この『ヴィンランド・サガ』は、読み切りとして『モーニング』に発表されたデビュー作『プラネテス』 の第 1 回に偶然出会って以来、一気にファンになっちゃった幸村誠の第 2 作目。当初、週刊誌、しかも少年誌の『少年マガジン』で連載が開始され、余計なお世話ながら「大丈夫か?」と心配してたら、案の定(?)月刊『アフター ヌーン』に移籍したという経緯を持つ作品。もともと『プラネテス』も 『モーニング』で不定期連載だったし、決して筆が速いタイプではなさそうなだけに、このくらいのペースのほうがいいのかな、とも思ったりして。漫画にしてもアニメにしてもそうだけど、受け手(読者・視聴者)の立場からすると、定期的にキチンと供給されることよりも、キチンとしたクオリティで供給されることのほうが大事な気がするし。

ストーリーはヴァイキングの時代のヨーロッパを舞台に、主人公の男の子・トルフィンを軸にしつつ、戦争に明け暮れた時代の戦士像、さらには人間像や生き様のようなモノを描いてるんだけど、この 8 巻で少年期を描いた章が終了して、主人公が青年期を迎えた第 2 章へ、っていう段階(別に「第 2 章」って銘打たれてるわけじゃないけど)。

第 1 章(と便宜的に呼ぶ)の終わり方に関しては、ちょっとあっけない感じもなきにしもあらずだけど、でも、いい意味でサプライズな感じもあって、なかなか熱くて、ドラマティックで。あらためて、ここまでの既発巻を読み返してみたんだけど、けっこうズッシリくるモノがある。正直なところ、あまり具体的なイメージが抱きづらい世界が舞台になってるんで、ちょっと不安もあったんだけど、思ってた以上にすんなり入れたかな、と。まぁ、古今東西を問わずに共通してるモノってことも言えるんだろうけど、でも、それが伝わるのはキチンと描いているからって面もあるわけで。

第 2 章に関しては、まだまだほんの「触り」って感じなんで、まだ何とも言えないけど、期待感は十分抱かせるかな。まぁ、次に読めるのは来年なんだろうけど。 


*既発巻:
ヴィンランド・サガ 1 巻
/『ヴィンランド・サガ 2 巻
/『ヴィンランド・サガ 3 巻/『ヴィンランド・サガ 4 巻』/ヴィンランド・サガ 5 巻』/『ヴィンランド・サガ 6 巻/『ヴィンランド・サガ 7 巻
 THE END OF THE ENTRY. PEACE OUT.

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