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シンプルながらちょっとステキなアートワークのこのアルバムはイギリス人プロデューサー、ミスター・チョップ(MR. CHOP)によるピート・ロック(PETE ROCK)の曲のカヴァー・アルバム。前にレヴューしたカルロス・ニーニョ(Carlos Nino)とミゲル・アットウッド・ファーガソン(Miguel Atwood-Ferguson)の "Suite For Ma Dukes" とかロバート・グラスパー(ROBERT GLASPER)の "In My Element" に入ってた "J Dillalude" とか "Gilles Peterson presents Havana Cultura" に入ってた "Think Twice" とか、ジェイ・ディー(JAY DEE)a.k.a. J・ディラ(J DILLA)の曲のカヴァーは最近多くて、どれも秀逸な出来映えだったけど、このピート・ロックのカヴァーってのも、なかなか目の付け所がいいし、内容的にも面白い仕上がり。
ミスター・チョップはストーンズ・スロウ(Stones Throw)傘下のレア・グルーヴ・レーベル、ナウ・アゲイン(Now Again)やイギリスのジャズマン(Jazzman)といったレーベルの作品を手掛けてるイギリス人プロデューサー / エンジニア / マルチ・インストゥルメンタリストで、それほど派手な存在じゃないけど、実力派のアーティストとして評価は高い。そんなミスター・チョップが 'ソウル・ブラザー #1' ことヒップ・ホップ界屈指のビート・メーカー、ピート・ロックのトラックをピックアップするって聞いただけで、まぁ、ある程度以上のクオリティは期待できるんだけど、その期待を裏切らないなかなか面白い仕上がりで。
サウンド・ディレクションとしては生楽器をフィーチャーしたバンド・サウンドで、サイケデリック・ジャズ・ファンク的なアプローチでピート・ロックのビート / トラックを再構築してるんだけど、なかなかドープでファンキーで。派手さこそないものの、なかなか通好みな渋い仕上がり。
ヒップ・ホップのカヴァーっていうと、上に書いたジェイ・ディー a.k.a. J・ディラ絡み以外にも、4 ヒーロー(4HERO)のマーク・マック(MARC MAC)がヴィジョニアーズ(THE VISIONEERS)名義でリリースした "Dirty Old Hip Hop" とか DJ カム・カルテットの "Rebirth of Cool" なんかもなかなかいい出来だったけど、個々の作品の出来の良さはもちろんだけど、同時に、こういう風にカヴァーされて再解釈されるくらい、ヒップ・ホップが音楽として成熟し、いろいろなアーティストに影響を与えてきたってことでもあるわけで、ちょっと感慨深かったりもする。
MR. CHOP "Mecca and the Soul Brother" (From "For Pete's Sake")
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