Mixed by GILLES PETERSON (Far Out) ★★★☆☆ Link(s): Amazon.co.jp
元トーキング・ラウド / 現ブラウンズウッド主宰者で、DJ / コンパイラーとして知られ、前に "Gilles Peterson in Brazil" と "Gilles Peterson Back in Brazil" をレヴューしたジャイルス・ピーターソンが、ジョー・デイヴィス主宰のファー・アウト・レーベルの人気コンピレーション、「ブラジリカ」シリーズに満を持して登場したのがこの "Brazilika: Explorations Deep Inside the Vault"で、先月リリースされたばかりみたいなんだけど、まぁ、この組み合わせならやっぱりついつい期待しちゃうんで早速聴いてみた、と。
ファー・アウト・レーベルは 1994 年にロンドンに設立されたインディ・レーベルで、素晴らしいブラジル音楽をイギリスのみならず、世界に紹介してきたことで信頼の高いレーベル。リイシューだけではなく、マルコス・ヴァーリやアジムス、ジョイスなんかの新譜も制作・リリースしてて、前にレヴューしたナナ・ヴァスコンセロスとモウリシオ・マエストロとジョイスのお宝音源、"Visions of Dawn" を発掘したのもこのレーベルだったりする。
この「ブラジリカ」シリーズは、もともとはジャイルスが 15 年前に自身が主宰してたトーキング・ラウドからリリースしたコンピレーション(ジョーも企画に関わってる)のタイトルなんだけど、かねてからジャイルスと親交の深かったジョー・デイヴィスのレーベルのブラジル音楽のミックス CD のタイトル(レーベルの説明を借りれば「ブロック・パーティ・ミックス」なんだとか)になり、これまでにマスターズ・アット・ワークのケニー・ドープ盤、4 ヒーロー盤(マーク・マックが担当)、アンディ・ヴォーテル盤がリリースされてる。
そういう経緯を考えると、新作をジャイルスが担当するのはすごく自然なハナシだし、しかも、今作はレーベル設立 15 周年記念のお祝いって意味もあるって言われれば、なおさら(ちなみ、10 周年記念がケニー・ドープ盤だった)。内容的には、レーベルの音源を思う存分使いつつ、サンバやボサ・ノヴァ、カポエイラからポスト・ボサ・ノヴァ、フュージョン、ファンク等、さまざまなスタイルの新旧ブラジル音楽をわりと短めのシークエンスでつないでて、収録曲は全 23 曲(5 曲は未発表音源らしい)とけっこう多め。収録アーティストはグルーポ・バトゥーキ、マルコス・ヴァーリ、イパネマズ、アジムス、ジョイス、フレンズ・フロム・リオ、アルチュール・ヴェロカイ等(ドムやオスンラデ等のリミックスを含む)で、まぁ、間違いない感じ。
企画としてレーベルの全体像を見せようって意図があるんだと思うけど、個人的には、ちょっと雑多というか、忙しいっつうか、ちょっとまとまりのない印象もないことはなかったりするかな。"Gilles Peterson in Brazil" と "Gilles Peterson Back in Brazil" のほうが好みだったりはする。でも、まぁ、ダイジェストとかメガ・ミックスってほどではないんで、好みの部分だとは思うけど。トラックのセレクトもミックスも間違いないし、1 枚でいろんなスタイルを楽しめるって意味では全然アリだけど。
GRUPO BATUQUE "Berimbal (Capoeira)" (From "Brazilika: Explorations Deep Inside the Vault")
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