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2009/08/18

15 years of Brazilian flavours.

"Brazilika: Explorations Deep Inside the Vault"
 Mixed by GILLES PETERSON (Far Out)  Link(s): Amazon.co.jp

元トーキング・ラウド / 現ブラウンズウッド主宰者で、DJ / コンパイラーとして知られ、前に "Gilles Peterson in Brazil" と "Gilles Peterson Back in Brazil" をレヴューしたジャイルス・ピーターソンが、ジョー・デイヴィス主宰のファー・アウト・レーベルの人気コンピレーション、「ブラジリカ」シリーズに満を持して登場したのがこの "Brazilika: Explorations Deep Inside the Vault"で、先月リリースされたばかりみたいなんだけど、まぁ、この組み合わせならやっぱりついつい期待しちゃうんで早速聴いてみた、と。
ファー・アウト・レーベルは 1994 年にロンドンに設立されたインディ・レーベルで、素晴らしいブラジル音楽をイギリスのみならず、世界に紹介してきたことで信頼の高いレーベル。リイシューだけではなく、マルコス・ヴァーリやアジムス、ジョイスなんかの新譜も制作・リリースしてて、前にレヴューしたナナ・ヴァスコンセロスとモウリシオ・マエストロとジョイスのお宝音源、"Visions of Dawn" を発掘したのもこのレーベルだったりする。

2009/07/14

Quiet beauty.


アントニオ・カルロス・ジョビン ー ボサノヴァを創った男 
 エレーナ・ジョビン 著 国安 真奈 訳(音楽之友社) 

ちょっと前にレビューした『ボサノヴァの歴史』に続いて、ボサ・ノヴァの勉強の一環としてジョビンの自伝を。原書は 1996 年発行の "ANTÔNIO CARLOS JOBIM: um homem iluminado"、訳書の発売はボサ・ノヴァ生誕 40 周年だった 1998 年で、著者は名前からもわかるようにジョビンの実妹。ジョビン家の祖先の話から始まって、ボサ・ノヴァの誕生、アメリカ〜世界への進出、そして死まで、パーソナルなエピソードや家族の話など、身内じゃなければ決して書けない内容で、もちろん、身内ならではのヌルさというか、身びいきみたいな部分も感じなくはないし、ダーク・サイドとか下世話なハナシは少なかったりするんで、それはそれで気にはなるけど、まぁ、それを差し引いても、ジョビンの音楽性を深く知る上でも、人間性を知る上でも、ボサ・ノヴァのことを知る上でも、とても興味深い一冊になっている。

2009/07/07

Minimal universe.

『ボサノヴァの歴史』 ルイ・カストロ 著 国安 真奈
(音楽之友社) ☆ Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

ちょっと前にレビューしたナラ・レオンの『美しきボサノヴァのミューズ』のエントリーで「ちょうどいろいろとボサ・ノヴァについてあらためて勉強してみたりしてるんだけど」って書いたけど、その一環として、やっぱりこれを読まないわけにはいかないなって思って読んでた一冊。去年は日伯移民 100 周年だったと同時に、ボサ・ノヴァ生誕 50 周年でもあったし、いい機会かな、と。

この『ボサノヴァの歴史』は、本文は上下 2 段組で約 450 ページ、巻末の資料を合わせるとトータルで約 500 ページにも及ぶ大著で、内容は解りやすすぎなくらいタイトル通り(原題は "Chega de saudade: a história e as histórias da bossa nova")。出版は 1990 年(訳書の出版は 1991 年で、2001 年に改訂されてる)で、ボサ・ノヴァ前夜の様子から中心的なアーティストの経歴、ボサ・ノヴァの誕生、アメリカでのブレイク、そしてその後の様子まで一通り網羅した内容。しかも著者のルイ・カストロ自身、その渦中に身を置いてたジャーナリストで、その動きに人一倍の思い入れを持って接してた人物だけあって臨場感は抜群だし、有名・無名のいろんなエピソードも紹介されてるし、資料性も高い。たぶん、日本語で読める資料としては基本中の基本って言っていい本なんじゃないかな。

2009/06/14

Vinte anos depois.

NARA LEÃO "Dez Anos Depois" (Universal)  Link(s): Amazon.co.jp

雨のパリの街にたたずむモノクロのアートワークが印象的なナラ・レオンの 1971 年リリースのアルバム。「美しきボサノヴァのミューズ」というステキな邦題が付いてて、収録曲もボサ・ノヴァのスタンダードばかりってことで、多作なナラのディスコグラフィの中でも評価が高いというか、人気のある作品だし、ボサ・ノヴァを代表する 1 枚だと思うけど、まぁ、ご多分に漏れずわりと好きなアルバムだったりする。最近、ちょうどいろいろとボサ・ノヴァについてあらためて勉強してみたりしてるんだけど、偶然か必然か、こないだ、宮沢和史さんの『BRASIL SICK』のレヴューでもちょこっとだけ触れた中原仁さんのブログで 6 月 7 日がナラの 20 周忌だったことを知ったので、あらためて取り上げてみようかな、と(そういえば、その 3 日前の 6 月 4 日は天安門事件から 20 年。全然関係ないけど)。ナラはすごく多作だし、日本でもいいコンピレーションがたくさん作られてるし、「ボサ・ノヴァのミューズ」と呼ばれながら、実はボサ・ノヴァと距離を置いて作ったボサ・ノヴァ以外の作品も多いから、どれにしようか悩んだけど、やっぱりというか、あえてというかわかんないけど、これかな、と。