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2012/03/17

Hidden stories. Hidden politics.

『原発・正力・CIA』有馬 哲夫 著(新潮社)★★★
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books


日本に原発が導入される経緯と、その背後での CIA と正力松太郎の暗躍について綴った新書で、「機密文書で読む昭和裏面史」とサブ・タイトルにある通り、アメリカの機密文書を丹念に調査してまとめられている。

もちろん、軸になってるのは原発導入に関する駆け引きなんだけど、 それだけではなく、同時に電波・通信の利権のハナシでもあり、戦後の昭和政治史のハナシでもあって、新書の文量・情報量とは思えないほどドスンと重みがある読み応えだったかな(まぁ、個人的に、終戦後 〜 55 年体制確立期までの政治史があまりキチンと頭に入ってなかったせいもあるような気はするけど)。

留意しておくべきポイントのひとつは、2008 年の出版だってこと。つまり、去年の原発事故以後に安直に執筆・出版された便乗商法的なモノではないってこと。残念ながら、そんな本が少なからず書店に並んでるのが現状だし(もちろん、すべてが安直な内容なわけじゃないけど)、ヘタしたらそういう本と並べて紹介されたりもしかねないけど、そういう本とは明らかに一線を画してる。

ただ、結論としては、決してスキャンダラスなスクープ本って内容ではないと思うんで、そういう意味でのわかりやすいサプライズがあるわけではない。著者自身もあとがきで述べてるように、決して特定の個人・組織を非難する内容でもないし。そういう意味でのインパクトを求めるとちょっと物足りないかも? とは思うけど(そういう意味で星は 3 つにしちゃった)、でも、まぁ、なかなかエゲツない内容だし、ディズニー(とディズニーランド)まで出てきたりして、読み応えが十分なのは間違いないかな。特に、現在 40 歳代以下の世代にとっては、実はリアリティを感じにくい、でも、知っておいたほうがいい、今の社会にも直接つながってるハナシなんで。去年の原発事故後の今だと、出版当時とも違った感慨とか意味合いもあると思うし。

2012/03/10

It's like this y'all.

『文化系のためのヒップホップ入門』 
 長谷川 町蔵 / 大和田 俊之 著(アルテスパブリッシング) ★★★☆☆
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

前にレヴューした『HOW TO RAP 104 人のラッパーが教えるラップの神髄』と並んで、年末に発売されてちょっと話題になってたヒップ・ホップ関連書籍で、同じ時期に読んでたんだけど、レヴューし忘れてた一冊。一般的な評価は「ヒップ・ホップ入門書としては最適」的な感じになってるらしい。

構成は、さまざまな音楽(特にアフロ・アメリカン・ミュージック)に造詣が深いにも関わらず、つい最近まで「ヒップ・ホップの壁を越えられなかった」(のが、あるキッカケで急にその気持ち良さに気付いた)というアメリカ文学者の大和田俊之氏と、『HOW TO RAP』の巻末の解説も書いてた音楽ライターの長谷川町蔵氏の対談って形式。内容的には、あくまでも日本に住んでる日本人としての目線で語られてて、黎明期のエピソードから時代に沿った東海岸・西海岸・南部の動き、R&B の関係やジェンダー、さらに前にレヴューした『ミックステープ文化論』的な最近の動向までカヴァーされてるし、ディスク・ガイドも充実してる。

しかも、わりとフランクな会話で構成されてるんで、実はわりと難しいことを言ってたりしてもあまりそうは感じさせないし、何というか、'スパイス' みたいなモノが適度に効いてる感じでもあるんで、確かに読みやすい。その 'スパイス' ってのは、主に長谷川氏が使うかなりバッサリとした乱暴な表現と喩え。例えば、「ヒップ・ホップは音楽ではない」なんて言ってたり、「ヒップホップは少年ジャンプである」「ヒップホップはプロレスである」「ヒップホップはお笑いである」なんて喩えも、メチャメチャキャッチーだし、言い得て妙でもある。他にも、「上手いこと言うなぁ」的な部分は多い。でも、ちょっと誤解を招きそうな乱暴な単純化な感じがしなくもなくて、ちょっと抵抗を感じたのも事実だったりしたかな。まぁ、ある種の芸風というか、あえてそういう 'キャッチーな' 表現を使ってるんだろうけど。

何と言うか、決して面白くないって感じてるわけじゃないし、むしろ、「解りやすさ」の面では、数ある類書の中でもすごくいい出来だと思うくらいなんだけど、でも、読んでるときも、読み終わった後も、ある種の違和感を拭えなかったのは事実。そこがなかなか評価を下しにくいポイントだったりするんだけど。

2011/09/28

Never defeated. Live strong.

『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』
 ヒクソン・グレイシー 著 ミゲール・リーヴァスミクー 構成
(ダイヤモンド社) ★★★☆☆ Link(s): Amazon.co.jp

表紙とタイトルを見ての通り、'400 戦無敗の男' ことヒクソン・グレイシーの著作。原著のライセンス・クレジット等が見当たらないので、どうも、日本企画というか、日本向けに書かれたっぽい(かなりビミョーな PV まであるし)。表紙にはサブ・タイトルなのか、"INVINCIBLE: Rickson Gracie's Path to Awareness and Becoming Unbreakable" なんて書いてある。

出版されたのは去年で、たしか出版時には来日してイベントとかもやってた記憶がある(行かなかったけど)。これまでにも『すべては敬愛するエリオのために ― グレイシー一族の真実』とか『ブラジリアン バーリトゥード』をレヴューしてるように、基本的にはブラジリアン / グレイシー柔術にはすごく興味があるし、当然、ヒクソンにも興味があるんで、出版された頃に読もうと思ってたんだけどちょっと忘れてて、ふとしたことから思い出したんで読んでみたって感じかな。

個人的な感想としては良くも悪くもすごく 'ヒクソンらしい' って印象かな。しかも、'良くも悪くも' のうち、どっちかっつうと、やや '悪くも' のほうが多めな感じで。内容としては、格闘技そのものや格闘家としてのキャリアについてではなく、あくまでも 1 人の人間としての '人生訓' みたいなモノなんだけど、個人的には、この部分が一番物足りなかったというか、期待とは違っていたんで。

2011/09/13

Being minimal.

『百年前の山を旅する』 服部 文祥 著 (東京新聞出版部) ★★★ 
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

タイトル(と表紙の写真)からわかる通り、21 世紀の今、あえて 100 年(以上)前の装備で、100 年(以上)前のルートで登山した様子や、その際の試行錯誤等を綴った書籍で、出版されたのは去年の 10 月。もともと『okugai』誌と『岳人』誌に掲載されていた記事をまとめたモノで、著者の服部文祥氏は 'サバイバル・シリーズ' と呼ばれる一連の書籍(Link: Amzn)でも知られてる。

たしか、『okugai』誌の 2009 年初夏号に掲載されてた「奥多摩・笹尾根縦走 100 年前の装備で山に入る」を読んでたのかな? その後、熱心に追いかけたわけじゃなかったんだけど、わりと印象深い内容だったんで、その延長線上で書かれたモノをまとめた書籍ってことであれば読んでおこうかな、と思って。

結論としては、読み物としてメチャメチャ面白いか? って言われるとちょっとビミョーだったりもするけど、コンセプト自体がすごく興味深いし、ひとつひとつの旅のストーリーも面白いし、いろいろと考えさせられる部分は多い。

2011/08/27

Mind the gap.

『地球の論点 ー 現実的な環境主義者のマニフェスト』
 スチュアート・ブランド 著 仙名 紀 訳 (英治出版) ★★★☆☆ 
 Link(s): Amazon.co.jp

著者紹介に '未来学者' なんて肩書きが書かれてるスチュアート・ブランド(Stewart Brand)の最新作で、今年の 6 月に出版されたモノ。

原著は 2009 年出版の "Whole Earth Discipline: An Ecopragmatist Manifesto"(Links: iTS / Amzn)なので、タイトル周り的にはかなり直球っていうか、あまり奇を衒ってない感じで、変なタイトルの訳書が多い中で、なかなか良心的な印象(ただ、帯はちょっとやりすぎ感があるけど)。

タイトルと著者名でわかる人にはわかる通り、著者のスチュアート・ブランドは、1968 年から出版されてた伝説の雑誌、"Whole Earth Catalog" の発行人・編集者として著名な人物。特に、アップルのスティーヴ・ジョブズ(Steve Jobs)が 2005 年 6 月にスタンフォード大学で行った卒業生向けのスピーチ(iTunes でポッドキャストとして公開されてる)で、若い頃に強く影響を受けた雑誌として名前を挙げたことで近年、あらためて注目を集め、特に、"Whole Earth Catalog" の最終号で使われた "Stay hungry, stay foolish." って台詞は、スピーチの締めくくりの言葉として印象的に引用されたこともあって、すごく有名になった。

2011/07/16

The kids are alright.

『MOONLIGHT MILE 22 巻』 太田垣 康男 著(小学館) ★★★☆☆
 Link(s): Amazon.co.jp


これまでにも刊行されるたびにレヴューしてる『MOONLIGHT MILE』の最新刊。発売されたのはちょっと前だけどレヴューし忘れてたので今さらだけど、抜かすのも気持ち悪いんで。

21 巻が発売されたのが去年の 12 月なんで、約半年ぶり。コミックのインターバルとしては、やっぱり、ちょっと長い印象は否めないかな。

ストーリーの概要は 18 巻レヴューに書いた通りなんだけど、ストーリーは 既に第 2 部に入ってて、地球ではインドとパキスタンの全面核戦争が起こってて、月面で生まれた 'ムーンチャイルド' が幼少期を終えて少年期を迎えてるって時代。月開発が(一見)華々しく進む反面、中国との新たな冷戦構造もありつつ、核戦争で住む場所を追われた大量の移民が月に流入し、華々しい(でも、 全面的に管理が行き届いた)表の世界だけじゃなく、裏の世界=ファヴェーラも形成されているような、そんな月社会を人類史上初のムーンチャイルドを中心に描くなかなかスリリングな展開。今回は、表紙の通り、第 2 部の主人公の母親のインパクトが強烈な部分が描かれてる。

2011/07/15

Shape with idea.

PP 洗濯用ハンガー・シャツ用・3 本組 (無印良品) ★★★ Link(s): muji.net

無印良品に関しては、これまでにも「ステンレスクリップ(ペンホルダー付)」と「スープに入れるお餅」をレヴューしたけど、この「PP 洗濯用ハンガー・シャツ用」もその 2 アイテムと同様、すごく無印良品らしいナイス・アイテムで、別に新しい製品ではないと思うけど、ちょっと前から我が家では愛用してる。

右の写真を見てわかる通り、変なカタチのハンガー。素材は何の変哲もないポリプロピレンで、素材の質感を最大限に活かしたシンプルさは無印良品そのもの。

だからこそ、カタチ=デザインがキモになるんだけど、言ってみれば「PP 洗濯用ハンガー・シャツ用」ではなく、「T シャツ専用ハンガー」って感じかな。「T シャツ専用」ってのがポイントであり、そのための形状になってる、ってこと。

2011/03/28

Stories behind the unripe Apple.

『スティーブ・ジョブズの王国』 マイケル・モーリッツ 著
 林 信行 監修・解説 青木 榮一 訳(プレジデント社) ★ 
 Link(s): Amazon.co.jp

いわゆる 'スティーヴ・ジョブズ / アップル系' はこれまでにもたびたび取り上げてきたけど、コレは去年の末頃に出版されたわりと新しめの一冊。原著は 2009 年に出版された "Return to the Little Kingdom: Steve Jobs and the Creation of Apple" なんだけど、もともとは 1984 年に出版された "The Little Kingdom: the Private Story of Apple Computer" で、2009 年に増補版用のエピローグと解説を加えて出し直された。つまり、決して新しい書籍ではなく、むしろ、数ある 'スティーヴ・ジョブズ / アップル系' の中でも最古の部類に入るって 1 冊で(訳書も 1985 年に『アメリカン・ドリーム』ってタイトルで出てたらしい)、昨今のアップル / スティーヴ・ジョブズへの追い風に乗って、お色直ししてて再刊行された一冊って言えるのかな。

まぁ、埋もれてた過去のアーカイヴを掘り起こしてくれたって意味はあるけど、追い風に上手く便乗するような、ちょっと打算的な商売っ気みたいなモノも感じちゃうし、「アップルはいかにして世界を変えたのか」ってサブ・タイトルもちょっと内容とは印象が違うんで、ちょっといいとも悪いとも言えない、ビミョーな印象かな。確かに、アップルの上場は当時最大の規模だったらしいんで、そういう意味では '世界を変えた' って言えなくもないのかもしれないけど、現在のアップルのイメージで考えると '世界を変えた' って感じではなかった気もするんで。

2011/03/27

The sound of relief.

"The Sun Still Rises In The East" (A Bridge Too Far Recordings)  
 Link(s): Bandcamp 

気が付けば、前のエントリーは奇しくも 3 月 10 日。311 の大地震・津波の前日で、それ以降、更新してなかったことになる。

このエントリーを書いてる 311 の 2 週間以上経った時点でもまだまだその渦中にあり、終わったことでもないし、振り返れることでもないんだけど、ひとつだけ確実に言えるのは、311 以前と以後で明らかにマインドセットが大きく変わったってこと。いろんな、っつうか、あらゆる面で。まだまだ渦中だから上手く整理はできてないけど、変わったってことだけは間違いないって実感はある。

311 以降の最初のエントリーを何にするか、どういうテンションにするかは自分なりにもそれなりに悩んだところだった。それこそ、かわぐちかいじの『太陽の黙示録』にしようかってアイデアもあったくらい。実際、311 の前の週にやっと全巻を読み終えたところだったんで。まぁ、さすがにちょっと刺激的すぎるので時期をズラすことにしたんだけど。本質的にはナシじゃないとは思ってるけど、タイミングとテンションはちょっと慎重にならざるを得ない。こういう部分もちょっとしたマインドセットの変化なのかも。

2011/02/12

New world order

日本人が知らないウィキリークス』
 小林 恭子 / 白井 聡 / 塚越 健司 /  津田 大介 / 八田 真行 / 浜野 喬士 / 孫崎 亨 著
(洋泉社) ★ Link(s): Amazon.co.jp 

あまり新書は読まないんだけど、これはタイミング的には読んどきたいかな、と。タイトル通り、去年から世界中を騒がせてるウィキリークスについて、その概要にはじまって、ジャーナリズム、インターネット / メディア、技術と思想、外交、理念等を、それぞれの専門家が綴ったモノ。あまりキチンと紹介されることがないウィキリークスについての概要を多角的に整理されている感じって言えるかな。

ウィキリークスの概要については、去年の 12 月にニコニコ動画(それにしてもヒドイ名前だな、こうやって活字で書くと)のこの動画と NHK の『クローズアップ現代』がなかなかわかりやすいんだけど、 やっぱり観終わってもキチンと整理されないっていうか、ちょっとモヤモヤした感じが抜けなくて。まぁ、ある意味、映像の宿命って部分もあるけど。概要を伝えたり、インパクトを与えたりするのには向いてるんだけど、深い理解はさせてくれない感じ。しかも、わかった気にさせちゃいがちだから厄介なんだけど。

2010/12/18

The shape of energy to come?

平和のエネルギー ー トリウム原子力』 亀井 敬史 著(雅粒社)  
 Link(s): Amazon.co.jp

ガンダムだけの月刊誌『ガンダム A』に「教えてください。富野です」っていう富野由悠季監督の連載ページがあって、毎月、富野監督がゲストを招いてハナシを聞くって内容なんだけど、2009 年 1 月号でゲストに招かれていた著者の本(っていうか、冊子?)が発売されたので、早速チェックしてみた。

サブ・タイトルには「ガンダムは "トリウム" の夢を見るか?」なんて言葉があるんだけど、基本的にはトリウムという物質を使った原子力発電のハナシ。何でも、著者が原子力に興味をもって、その道を志したキッカケはガンダムだったんだとか(ちなみに著者は 1970 年生まれで、財団法人国際高等研究所の招聘研究員)。

2010/11/25

Fly me to the moon.

『ザ・ムーンデイヴィッド・シントン 監督 
 Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store

人類史上 12 人しか行ったことのない 38.4 万 km の旅。40 年以上前にアメリカが国の威信をかけて成功させたプロジェクト、アポロ計画について、NASA 秘蔵の貴重な映像をふんだんに使ってまとめた 2007 年制作のドキュメンタリー映画。まぁ、コンテンツ自体というか、映像だけで、もう、反則っつうか、面白くないわけがないんだけど、期待通りな内容で、やっぱりグイグイ引き込まれちゃう。

まぁ、映像として丸い地球の映像を見せられるだけで、もう、十分 OK だったりしちゃうんだけど(丸い地球の映像は ISS からでは見れないので)、宇宙好きとしては、1960 年代のテクノロジーで月まで行ったって、やっぱ想像を絶してる。まぁ、冷戦の産物であり、意地の張り合い的な感じでかなり強引に実現させたわけだし、ストーリーやエピソード自体はいろいろなところで見聞きしてきてるんだけど、そういうのを抜きにしても、やっぱり、普通に感動的。実際、アポロ計画以降、スペース・シャトルの時代になっても未だに月には行けてないわけで(ホントはこっそり行ってたりして?)、そういう意味でもすごく貴重だし。あと、この時の地球の映像が後のエコロジー思想の原点になったって意味では、すごくシンボリックでもある(素直な意味でも、シニカルな意味でも)。

2010/11/24

Growth is addictive.

『経済成長なき社会発展は可能か?〈脱成長〉と〈ポスト開発〉の経済学
 
セルジュ・ラトゥーシュ 著 中野佳裕 訳 (作品社)  
 Link(s): Amazon.co.jp

何のキッカケで読もうと思ったか忘れたけど、すごく興味があったテーマなんで、本についても著者についても特に予備知識のないまま読んでみた一冊。かなり、手強い内容だったけど。

内容は、タイトルにある通り、「脱成長(デクロワランス / decroissance)」ってキーワードでこれからの社会の在り方を論じたモノ。著者はフランスを代表する経済哲学者・思想家のセルジュ・ラトゥーシュで、本書は 2004 年の『〈ポスト開発〉という経済思想』と 2007 年の『〈
脱成長(デクロワランス)〉による新たな社会発展』の 2 冊をまとめて、日本語訳のための序文が追加されてる。

基本的には、「経済成長」という信仰の呪縛から逃れ、「ポスト開発」ってプロセスを経て
「脱成長(デクロワランス)」って段階にいく(いかなければならない)というハナシ。まぁ、中身自体はかなり手強くて、正直なところ、読み終えてこんなに自分の理解度が低い感じがするのも久しぶりな感じなんだけど、でも、要所要所で、日頃、事あるごとに感じながらも、何故かほとんど指摘されない「経済成長に関する思考停止状態」へ明確に言及(というか批判)してくれてるので、読んでてなかなか気持ちいい。

2010/10/12

Still mellow enough.

DWELE "W.Ants W.Orld W.Omen (W.W.W.)" (Koch Records)   
Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store

昨日のエントリービラルのアルバムのレヴューを書いてて思い出したドゥウェレのアルバム。これも今年の夏前頃のリリースで、リリース当初にゲットして結構聴いてたんだけど、レヴューし忘れてた 1 枚。出来はいいんだけど。

これまでに何度かピックアップしてるドゥウェレは、デトロイト出身の R&B シンガー・ソングライターで
、このアルバムは通算 4 枚目のアルバム。コモンJ・ディラ / スラム・ヴィレッジなんかとの絡みが多いアーティストなんで、個人的には馴染みはあるんだけど、でも、昨日のエントリーでも書いた通り、「ディアンジェロマックスウェル以降に出てきた男性アーティストのひとり」的な印象も拭えなかったりして、ちょっと申し訳なかったりもするんだけど。

2010/10/06

Alone together.

孤独なボウリング 米国コミュニティの崩壊と再生
 
ロバート・D・パットナム 著 柴内康文 訳 柏書房
 Link(s): Amazon.co.jp 

けっこう前に読んでてレヴューし忘れてたんだけど、わりと興味深かった一冊。まぁ、700 ページ近くあるヴォリュームも、価格もなかなかヘヴィーなんだけど、内容も負けず劣らずなかなかヘヴィー。基本的にはアメリカの話だけど、日本人にとっても笑えない話だし。

原書は 2001 年に出版された "Bowling Alone: The Collapse and Revival of American Community" で、訳書も含めてまずタイトルに
かれちゃう。'Bowling Alone / 孤独なボウリング' ってなかなか秀逸なタイトル。一瞬、ちょっと違和感があって、でも、内容をキチンと示唆していて。まぁ、ご多分に漏れず、あまり基礎知識もなく、タイトルに魅かれて読んだんだけど。

内容的には、「米国コミュニティの崩壊と再生」という
サブ・タイトルの通り、現代のアメリカ社会でのコミュニティの崩壊について、その時期・背景・理由等を膨大な調査とデータを用いて分析したモノ。著者はハーバード大学の教授。経済行為に関わる '物的資本' や高等教育に関わる '人的資本' と並ぶ豊かな社会形成に不可欠な '財' である '社会関係資本' について述べられていて、著者は '社会関係資本' 論の第一人者なんだとか。

2010/08/23

Japanese roots study.

DNA でたどる日本人 10 万年の旅崎谷 満 著昭和堂) 
 Link(s): Amazon.co.jp 

なんで知ったのか忘れちゃったけど、日本人のルーツを分子生物学の最先端、DNA 多型分析で紐解いた書籍。まぁ、それほど解りやすい本ではないけど、なかなか興味深い。

なんで気になったかっていうと、やっぱりワールドカップとかあると、どうしても「日本人とは?」的なことをどうしても考えちゃうわけで、でも、安直な「日本人は単一民族」的な紋切り型の論調(と、何の疑問も感じずにそれを受け入れる思考停止的な風潮)にはかねがね違和感があったんで。

もちろん、
「日本人は単一民族」的なロジックはアイヌや沖縄を軽視(無視)してるって問題もあるんだけど、「その論拠になってる部分に関しても、実はそうでもないらしい」ってのが、この本のテーマだったりして。

2010/06/14

Live organic.

JACK JOHNSON "En Concert" (Brushfire) 
Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store


前のエントリーのジャック・ジョンソン"To The Sea" のレヴューを書いてるときに、あらためてディスコグラフィを見直してたら、去年リリースされたこのライヴ・アルバムをレヴューしてなかったことを思い出したので、順番は逆になっちゃったけど、いい機会なので忘れないように。チェックするのを忘れてたわけではなく、リリース時に聴いてはいたので。

このアルバムは、2008 年の "Sleep Through the Static" リリース後に行われたライヴ音源から選ばれた全 19 曲入りのライヴ・アルバムで、上のリンクは通常盤なんだけど、DVD 付きの特別盤と、ツアーの様子をバック・ステージやオフショットまでドキュメンタリー的にまとめた DVD も発売されてる。

2010/06/01

Lost man's lost story.

『MOONLIGHT MILE 20 巻』 太田垣 康男 著 (小学館)  
 Link(s): Amazon.co.jp

これまでに 16 巻17 巻18 巻19 巻レヴューしてきたMOONLIGHT MILE』の最新刊。19 巻の発売が年末だったから、約半年ぶりの新刊ってことになる。やっぱり、ちょっと久々感は否めないし、ちょっと忘れちゃってるところもある。

概要は
18 巻レヴューに書いた通りなんだけど、ストーリーは 既に第 2 部に入ってて、地球ではインドとパキスタンの全面核戦争が起こってて、月面で生まれた「ムーンチャイル ド」が幼少期を終えて少年期を迎えてるって時代。月開発が(一見)華々しく進む反面、中国との新たな冷戦構造もあり つつ、核戦争で住む場所を追われた大量の移民が月に流入し、華々しい(でも、 全面的に管理が行き届いた)表の世界だけじゃなく、裏の世界=ファヴェーラも形成されているような、そんな月社会のアンダーグラウンドを人類史上初のムーンチャイルドを中心に展開して いく、なかなかスリリングな展開を見せてる。

2010/05/28

Watching the wheels.

PIAA Ferris wheeLED [white] (PIAA)  Link(s): Amazon.co.jp
 
これまでにも自転車関連は何度がレヴューしてるけど、これはちょっと変わり種(?)なアイテム。PIAAFerris wheeLED っていう、自転車のタイヤに付ける LED ライトで、スピードを出すとキレイに光るっていう、実用性と美しさを兼ね備えたなかなかステキな一品。装着が簡単でリーズナブルなのも嬉しいし。

仕組みはとても単純で、写真のようなライトを空気を入れるエア・バルブのところに付けるだけ。英式・米式・フレンチの各バルブに対応してるんで、大抵の自転車でそのまま使えるはず。こういうのって、もっと大袈裟なモノなイメージだったんで、この手軽さにはちょっとビックリ(だからこそ、思わず買っちゃったんだけど)。気分的にも、値段的にも。

2010/05/26

Young mods' forgotten stories.

"KEB DARGE & PAUL WELLER Present Lost & Found Real R'N'B & Soul" 
(BBE)  Link(s): Amazon.co.jp

良心的な作品を数多くリリースしてるレーベルとして人気の BBE が今年の初めにリリースしてた、なかなか渋いコンピレーション。リリース当初にチェックしてたんだけど、レヴューし忘れてたのを思い出したので。

まぁ、内容的にはタイトル通りで、ケブ・ダージの手掛ける 'Lost & Found' シリーズにポール・ウェラーを迎えて編纂されたレア・ソウル / R&B のコンピレーション。ケブ・ダージとポール・ウェラーっていうと、60 〜 70 年代の洗練されたノーザン・ソウルなイメージが強いけど、ここでセレクトされてるのは、もうちょっと泥臭いソウルと R&B。時代的には 50 〜 60 年代で、地域的にもノーザン・ソウルだけじゃなくサザン・ソウルも含まれてて、サウンド的にも、クールで洗練されたいわゆるノーザン・ソウル的なサウンドっていうよりも、もっと泥臭くて土臭くて汗臭いソウルな印象かな。