『家なき鳥、星をこえる - プラネテス』
. :幸村 誠 原作 / 常盤 陽 著(講談社) ★★★★☆
ガンダムで言うところの『機動戦士ガンダム 第 08MS 小隊』や『機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争』、『機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY』に該当するような、メイン・ストーリーの外伝的な小説で、原作は幸村誠のコミック『プラネテス』。発売直後に読んでたんだけど、最近、読み直したので、あらためて。
アニメ版もコミックをベースにしつつかなり拡大解釈を施した作品だったことを考えると、ある種の外伝的なモノだったとも言える気がするけど、この『家なき鳥、星をこえるプラネテス』は、その登場人物の過去を描いていて、より外伝らしい外伝。多くの外伝が生まれるのは、原作の魅力が強い(+微妙に、補ってあげたくなるような、未完成感もある)からであり、こういう作品を書いてみたいと思っちゃう気持ちはとてもよくわかる。
物語は、原作で重要なキャラクターであるハキムの成長期。個人的には、砂漠の民が育んだ生きるためのノウハウ=イスラム教のことが、宇宙が生活圏になっている時代の世界の中で描かれている感覚がちょっと新鮮だった。原作との絡みの伏線を張りつつも、オリジナル・キャラクターを上手く活かして描かれてるストーリーは単体でも読み応えがあるし、かなり青臭い感覚も含めて、いい意味で著者の原作への愛情も感じられて、読後感は心地いい。ついつい、他にもたくさんいる魅力的なキャラクターのストーリーも読みたいな、なんて妄想したくなっちゃう。
*原作コミック:
『プラネテス 1 巻』
『プラネテス 2 巻』
『プラネテス 3 巻』
『プラネテス 4 巻』
*アニメ版(DVD):
『プラネテス 1』
『プラネテス 2』
『プラネテス 3』
『プラネテス 4』
『プラネテス 5』
『プラネテス 6』
『プラネテス 7』
『プラネテス 8』
『プラネテス 9』
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