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2010/11/25

Fly me to the moon.

『ザ・ムーンデイヴィッド・シントン 監督 
 Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store

人類史上 12 人しか行ったことのない 38.4 万 km の旅。40 年以上前にアメリカが国の威信をかけて成功させたプロジェクト、アポロ計画について、NASA 秘蔵の貴重な映像をふんだんに使ってまとめた 2007 年制作のドキュメンタリー映画。まぁ、コンテンツ自体というか、映像だけで、もう、反則っつうか、面白くないわけがないんだけど、期待通りな内容で、やっぱりグイグイ引き込まれちゃう。

まぁ、映像として丸い地球の映像を見せられるだけで、もう、十分 OK だったりしちゃうんだけど(丸い地球の映像は ISS からでは見れないので)、宇宙好きとしては、1960 年代のテクノロジーで月まで行ったって、やっぱ想像を絶してる。まぁ、冷戦の産物であり、意地の張り合い的な感じでかなり強引に実現させたわけだし、ストーリーやエピソード自体はいろいろなところで見聞きしてきてるんだけど、そういうのを抜きにしても、やっぱり、普通に感動的。実際、アポロ計画以降、スペース・シャトルの時代になっても未だに月には行けてないわけで(ホントはこっそり行ってたりして?)、そういう意味でもすごく貴重だし。あと、この時の地球の映像が後のエコロジー思想の原点になったって意味では、すごくシンボリックでもある(素直な意味でも、シニカルな意味でも)。

2009/09/13

Lovely like the sunshine.

"Sunseed"

.
HAYLEY SALES (Universal

一昨日のリジー・パークス、昨日のセウに続いて、才色兼備な女性アーティストのアルバムをもう 1 枚。夏の間、よく聴いてた 1 枚なんで。

この "Sunseed" はカナダのヴァンクーバー在住のシンガー・ソングライター、ヘイリー・セールズが 2007 年にリリースしたデビュー・アルバム(日本盤がリリースされたのは今年らしいけど)。今年の 1 月にドナヴォン・フランケンレイターのツアーのフロント・アクトとして、8 月にはフジ・ロック出演で来日してたらしい(どっちも観てないけど)。現在 22 歳ってことなんで、このアルバムの制作当時はまだ 20 歳だったってことになる。しかも、ソングライティング、ヴォーカル、ギター、ピアノだけじゃなく、参加ミュージシャンのセレクトからエンジニアリングまで自分でこなしたっていうから、単に「セルフ・プロデュース」って枠には収まりきらない頑張りっぷり。まぁ、末恐ろしいというか、豊かな才能を感じずにはいられない。

彼女自身もサーファーだったりするんで、「女性版ジャック・ジョンソン」的な(リー・エヴァートンな並みの)安直な紹介がされがちだったりするらしいんだけど、まぁ、気持ちはわからんではないかな。アコースティック・ギターを中心としたオーガニックでフォーキーでリラックスしたサウンドとナチュラルなヴォーカルが特徴で、たまによりポップっぽくなったり、レゲエっぽくなったりもする、と。個人的には、そこにちょっと陰というか、ブルース風味がちょっぴり入る感じがツボなんだけど、ブルース風味はあまりないかな。わりと透明感があって爽やかな感じなんで。でも、まぁ、爽やかでナチュラルなヴォーカルはなかなか魅力的。ソングライティングもちゃんとしてるし。

写真ビデオを見る限り、ルックスもなかなかキュートだし、なかなか将来有望というか、これからもチェックしといたほうがいいアーティストなのかな、と。新譜も年内にリリースされるっぽいし。


HAYLEY SALES "Jailcell Mind" (From "Sunseed")








2009/07/28

Everlasting flow of sounds.

"River: NIKE+ Original Run".REI HARAKAMI 
(NIKE+ / iTunes Store) 

ちょっと前に砂原良徳の "LOVEBEAT" と小沢健二の "Ecology Of Everyday Life - 毎日の環境学" をレヴューしたけど、別にティピカルに日本っぽいわけではないのに、なぜかすごく日本人っぽさとか日本ならではの美意識を強く感じさせて、なおかつ、日本が世界に誇るべきメイド・イン・ジャパンのエレクトロニカって言えば、やっぱり忘れちゃいけないアーティストととしてレイ・ハラカミさんがいる。

レイ・ハラカミさんっていえば、1998 年の "Unrest" を皮切りに、1999 年の "opa*q"、2001 年の "Red Curb"(と "レッドカーブの思い出 - trace of red curb dedicated from rei harakami")、2005 年の "Lust"、2006 年の "わすれもの"、今年リリースされた "あさげ - selected re-mix & re-arrangement works / 1" と "ゆうげ - selected re-mix & re-arrangement works / 2"、さらにハラカミさんのことを「世界遺産」と称してベタ褒めしてる矢野顕子さんとのユニット、yanokami 名義の "yanokami"(2007 年)と "yanokamick - yanokami English version -"(2008 年)と素晴らしい出来映えの作品が多いアーティスト。どれか 1 枚を選ぶのは難しいんで、ここはあえて、ちょっと毛色の違う、でもやっぱりハラカミさんらしさが見事にでてていい感じの仕上がりの "River: NIKE+ Original Run" を取り上げてみようかな、と。個人的にもすごく気に入ってるし、思い入れもあったりするんで。

2009/06/05

In a 'mimo' mood.

"mimo 2 mixed by DJ AKi" (Music Mine)  
 Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

こないだ宮沢和史さんの『ブラジル・シック』を読んじゃって以来、すっかり、「ブラジル・シック」状態(ホームシックのブラジル版みたいな感じ)なんだけど、DJ AKi くんのミックス CD、"mimo" もそんな気分にピッタリな 1 枚。リリースは何年か前なんだけど、別に今聴いても全然楽しめるんで。

'mimo' ってのは、IT / 技術用語の 'multiple input multiple output' のことではもちろんなくて、たしかポルトガル語で「優しく抱擁する」ってニュアンスの意味だったかな? すごくラヴリィな響きの言葉。ここでは、DJ AKi くんと 06S クルーがブラジルへの旅で得たエモーショナルなフィーリングとかグルーヴを表現するコンセプトとして使われてて、サウンド的には DJ マーキーや DJ パチーフ(カタカナで書くと何か変な感じ)に代表されるブラジリアン・ドラムンベースを中心とした、ヴォーカル・トラックが多めのメロウでソウルフルなドラムンベース・スタイルで、そんなサウンドの風景とか空気感みたいなモノを DJ AKi くんがミックスしたのが "mimo" だ、と。

2009/05/27

Inconvenient truths.

知られざる真実 ー 勾留地にて ー

. :植草 一秀 著 イプシロン出版企画)

知ってる(覚えてる)人もいれば、別に知らない(覚えてない)人もいるだろうけど、以前はいろんな TV 番組にコメンテーターとして出演してた経済学者・経済評論家で、ニュースやワイドショーを賑わせた事件での逮捕をキッカケに、そういった場では姿を見なくなった(閉め出された?)著者が、サブ・タイトル通り、拘留中に東京拘置所で綴った手記をまとめて 2007 年に出版されたモノで、
タイトルは現在、著者が本書の出版後に始めたブログのタイトルと同じ。内容はもちろん、同名のブログ人気(「人気」って表現が適切なのか、ちょっと微妙な感じがするというか、違和感を感じなくもないけど。別に穿った意味じゃなくて、「人気」って表現が持つ無邪気な感じとはちょっと違う、もっとシリアスなニュアンスが強い気がするので)、さらには著者自身の知名度や事件当時の報道の異常さのインパクト・記憶のせいもあってか、すでに 5 刷を重ねてるらしい。著者のオフィシャルなプロフィールは、現在、代表取締役を務めてるというスリーネーションズリサーチ社のサイトで確認できる。

ニュースやワイドショーを賑わせた事件での逮捕」ってのは、2004 年に手鏡で女子高生のスカートの中を覗こうとしたという容疑で逮捕された事件(この事件報道の中で、1998 年に電車内で痴漢事件を起こしてたことも報じられた)と、2006 年に電車内で痴漢の容疑で逮捕された件のこと。特に、2004 年の事件は、ワイドショーを中心に異常なまでに取り上げられてた(ワイドショーに「報道」って表現を相応しくない。ヤツらはただ「取り上げて」るだけだから)し、その頃は当時働いてた会社を辞めてフリーランスになってたから、多少は TV を観たりもするようになってたんで、それなりには覚えてる。

とは言いつつも、個人的には著者に対してはそれほど強い印象も特別な感情も抱いてなかった。別に好きでもキライでもないというか、そういう感情を抱くほど知らなかったというか。著者がマス・メディアで活躍してたのは 90 年代末から 00 年代の初め頃の数年間だと思うけど、その頃は個人的にメチャメチャ忙しくて、TV とかほとんどちゃんと観てなかったから、見かけることはあっても、どういうことを主張してたのかも、それがどういう意味だったのかもほとんど理解してな かったし、考えてもなかったんで。だから事件のことを聞いたときも、ポジティヴな印象でもネガティヴな印象でもなく、ただ単純に、事件自体に「何それ?!」って思っただけで。

だって、事件が事実なら、用件が用件なだけに
それはそれで「何それ?!」だけど、なんか不自然というか、単純にそうとも思えなくて。普通に考えて、いい大人(しかも、それなりに見識があり、顔が世間に知られてる)がやることとは思えないし。もし、本当に覗きたいと思ったとしても、もうちょっと利口な手があるだろ、って。酔っぱらってたりしたならともかく、昼間に素面でやることとは思えない。それに、ヒネクレ者だからか、どいつもこいつも見事に著者を悪者扱いする取り上げ方(特にただ印象だけでもっともらしい顔して「つまんねぇ正論」を振りかざしながら、肝心な事件では単にお茶を濁してるだけの自称「キャスター」とか「コメンテーター」のコメント)にも違和感というか、本能的な気持ち悪さを感じたし。あと、捜査で著者の自宅の屋根裏から痴漢モノのエロ DVD が発見されたなんて、あまりにも安直過ぎだし。まぁ、なんか気持ち悪い後味があった、と。判決の「罰金と手鏡没収」ってのも「何それ?!」だし。

ただ、
別に好きでもキライでもなかったわけで、「こんなこと、絶対おかしい!」とか憤ったわけでもなく、「こんなことするなんて、ガッカリ」って落胆したわけでもなく、なんか気持ち悪い後味のまま、過ぎていったって感じだったんだけど。その後、2006 年の事件で逮捕されたことがこの知られざる真実』の執筆につながってるんだけど、この時点でも、やっぱり著者自身には特別な印象はなくて、ただ「何か変な感じだなぁ」って思っただけで。その後も、鮮明に覚えてたわけでもないし、積極的に追いかけてたわけでもないし。

この知られざる真実』を読むキッカケになったのは、おそらくこの本の多くの読者と同様に著者が公開してる同名のブログ、植草一秀の「知られざる真実」。何かの機会(何だか覚えてないけど)にブログを見る機会があって、それで事件のこと(特に本人の言い分)とか、今の政治・経済・社会についての考え方とか提言とかを読んで、それ以来、RSS を登録してチェックするようになった、と。このブログは更新頻度はかなり高くて、文章量も参照先のリンクも多いし、けっこう専門的な内容だったりもするんで、キチンとタイムリーにフォローしていくのは決して楽じゃないんだけど、でも、まぁ、内容としては十分興味深いし、ちょうど、日本でもインターネット / ウェブサイト(もちろんブログも含めて)が既存のマス・メディアとは違うメディアとしての役割をちょっとずつ発揮するようになってきてるかなって感じだしてた時期だったりもしたんで(=既存のマス・メディアが笑えないレベルでヒドイことになってきた時期ってことも言える)。で、そこで紹介されてた知られざる真実』にも興味を持った、と。

だいぶ前置きが長くなったけど、そういう経緯で書かれた本なんで、著者自身の巻き込まれた事件(及び巻き込まれることになった理由)
についての「知られざる真実」を具体的且つ詳細に、その背後関係まで含めて綴った本なんだと勝手に思ってたんだけど、そういう側面ももちろんありつつも、それだけではなかった。中身自体は、第 1 章「偽装」・第 2 章「炎」・第 3 章「不撓不屈」の全 3 章の構成。第 1 章の「偽装」は、これまでの日本で行われてきた数々の「偽装」、例えば、郵政民営化、りそな銀行問題、タウン・ミーティング問題、天下り、小泉政権の数々の失政、さらにはメディアの問題等々を取り上げてる。第 2 章の「炎」は、著者の生い立ちから始まって、職歴に沿ったエピソード、例えば、野村証券から大蔵省に派遣されてたときに、どんな仕事をどういう目的でしていたか等に触れてる。第 3 章の「不撓不屈」は、タイトル通り、現在〜これからをどういう心境で生きるのかみたいなことが述べられてる。さらに、巻末資料として、著者自身が巻き込まれた 3 件の事件について、詳細に記されてる。

まぁ、内容的には、著者がブログでたびたび言及してる「政・官・業・電・外」(政治屋 / 特権官僚 / 大資本 / 御用メディア / 米国)の「悪徳ペンタゴン」 につながる話なんだけど、まぁ、最近のマス・メディアによる「世論調査」という名の「世論操作」とか、一連の小沢一郎の秘書の逮捕のニュースとかを考えれば、まぁ、呆れながらも頷ける話ばかり で、そういう場所の近くにいた人ならではの説得力もある。例えば、国民を IQ で分類して、IQ の低い層を政権支持層と設定して、その層に特化した PR を徹底的に行った話とか、著者がテレビ東京の『ワールド・ビジネス・サテライト』を外された経緯とか、著者が大蔵省に派遣されてた時期に関わった(消費税の前身とも言える)売上税導入のための PR で、世論に影響力を持つ政界・財界・学会の人物を 3000 人リストアップして、大蔵省職員が執拗に説得を行ったって話(メディアや講演での発言はすべて検閲され、説得されない人物はブラック・リスト入りなんだとか)とか。
本書で私は真実をありのまま記述した。私の心に一点の翳りもない。
エピローグにはこんな言葉が記されてる。こういうことをストレートに表現してる本ってのは、ありそうでなかなかないし、そういう状況に追い込まれちゃったからこそなのかもしれないけど、テーマがテーマだけに、相当リスクがあるだろうし、勇気も要っただろうことは容易に想像できる。激しく揺れ動きながらも理不尽に抗おうって強い意志とアティテュードには、ホント、素直に敬意を表したいと思う。

個人的には、日常的にブログを購読したり、この知られざる真実』を読んだ後でも、著者の熱烈なファンとか全面的な支持者になったわけじゃない(そんなことは著者も望んではいないだろうけど)し、この知られざる真実』が今後も何度も読み返すに違いない名著だとも思ってない。まぁ、その理由は、別に何から何まで共感できるわけではないってこともあるし、経済の専門家の経済の話ってそもそも胡散臭くてイマイチ共感できないってこともあるし、あと、個人的な部分での相性というか、考え方とか文体とか比喩とか引用とかのセンスみたいな部分がイマイチシックリこないってこともある。あと、特定のテーマについてもっと深く掘り下げた感じのルポタージュ的な内容(つまり、一連の事件がいわゆる「冤罪」であるだけでなく、その裏に大きな力が働いてる「陰謀」であるか否かについての詳細な検証とか、具体的に何がその呼び水になったのかとか)を期待してたから、ちょっと期待と違ってたって側面もあるし(まぁ、著者は当事者だし、ジャーナリストやルポ・ライターじゃないから仕方ないのかもしれないけど。でも、そういうのが読みたいなぁ、とは思う)。それに、著者の心情的な部分も含めて、メチャメチャ共感したとか感動したとか、そういう類いの感想を抱いたわけでもないんだけど、でも、こういう本とかブログの存在自体はすごくポジティヴだと思うし、吟味すべき情報ソースのひとつとしてすごく貴重だな、とは思う。
国民は「郵政民営化」の裏事情を知らずに「郵政民営化賛成=改革勢力」「反対=抵抗勢力」というデマゴギーを鵜呑みにした。日本人は嘘話という意味でデマという言葉を使うが、これはデモクラシーのデモと同じで「民衆」という意味を持つ。西部邁氏は「ギリシャ・ローマの時代から、デモクラシー=民主主義政治にはデマゴギーが付きまとうのは常識だった。民衆が前面に出て暴れまくる時代というのは、大なる可能性でデマゴーグが出る。民衆扇動家という意味だが、扇動するためには嘘をつくことが多いから、デマ=嘘ってことになった」(「座談会・日本の指導者像」『表現者』2006 年 11 月号 / イプシロン出版企画)と指摘する。西部氏は「ギリシャ・ローマの昔から、デモクラシーはデマゴギーに振り回される根強い傾向があった」とも述べている。
これも本書からの引用なんだけど、まぁ、言い得て妙というか、歴史的にもいろんな例もあるし、マトモな感覚で今の日本を見てれば、郵政民営化に限らず、いろんなことについて(ホントにいろんなことについて!)、ほぼ「実感」って言っても間違いないと思う。特にマス・メディア(著者の言葉を借りれば
悪徳ペンタゴンのひとつ、御用メディア)はヒドくて、実態・実感との乖離はどんどんヒドくなってると思うけど、まぁ、インターネットの世界が(遅ればせながら日本でも)その隙間を埋める役割をちょっとずつ果たしつつある感じはしてるし、ここで指摘されてる問題だけじゃなく、いろんな「知られざる真実」について、もっとチェックしてかないとな、なんて思ったりもしてる。それこそ、"Loose Change"(セカンド・エディションの日本語版はここで観れる / ダウンロードできる)とか『911 ボーイングを探せ』とか『暴かれた 9.11 疑惑の真相』でも語られてる通り、9.11 に関しても疑問だらけだし、世界がインフルエンザ・パニックに陥ってる中、タミフルの特許を持ってるギリアド・サイエンシズ社の元会長で現在も株主なのがラムズフェルドだったりすることとか、安易に陰謀説とかを唱える気はないけど、やっぱり何かあるのかな、って思っちゃうし。あと、はっぴいえんど販売中止とか、明らかに意味不明なのは言わずもがなだけど(iTunes Store だけは何喰わぬ顔して売ってて、超好感持ったけど)、一連の大麻報道(及び大麻行政)とかも意味わかんなすぎだし(そういえば、大麻じゃないけど、槇原敬之が覚醒剤取締法違反で逮捕されて CD が回収されたとき、キヨシローさんは「じゃあ、ビートルズもジミヘンも回収しろよ」って、すごく真っ当なことを言ってたね)、まぁ、長くなるから細かくは書かないけど、タレント(才能がないヤツがタレントって呼ばれてること自体おかしいんだけど。同じように、芸のないヤツを「芸人」と呼ぶこともおかしい)が安易に TV CM に出てること(そして、それを当たり前のこととして受け入れてること)とか、明らかにおかしいし。まぁ、他にも、したり顔でつまんねぇ正論を振りかざすヤツが多かったりもするし、やたらと数値化できる価値だけに囚われてるヤツも多いし、もう、それこそ挙げればキリがないくらいナゾだらけなんだけど。本書にも、奇しくもこんなことが書かれてたけど。
私は科学では説明できないことが多く存在すると思う。動物行動学者の日高敏隆氏は『人間はどこまで動物か』で「科学とは主観を客観に仕立て上げる手続き」と述べる。また、「科学とは部族の神話と真実との区別がつかぬようにする自己欺瞞の体系」と主張するアメリカの論文を紹介する。「科学」の貢献は大きい。だが、科学が万能だとは思わない。
まぁ、こういう時代に生きてるってことが幸せなのかどうか、かなりビミョーだとは思うし、インターネットってツールがあることが恵まれてることなのかどうかもイマイチビミョーな感じだと思うけど(インターネットには功罪があることは否定できないし。もちろん、どんなツールにも功罪はあるけど、インターネットの場合、簡単に扱えるわりにそのどちらもが強烈なので)、幸か不幸かこういう時代に生きてるわけだしインターネットもあるわけで、それはそれとして、人生は続くわけで、いろいろ自分で考えながら生きてかなきゃなわけで(そういえば、関係ないけど、日本人の 20・30 代の死亡理由の 1 位は自殺なんだとか。日本人の年間自殺者数は常に 30000 人以上だし。一緒にブラジルに行った知り合いが「日本人って自殺するんだって?」ってスゲェ不思議そうに聞かれたって話を聞いたときにも思ったけど、これって異常以外の何モノでもない)。そのためのツールのひとつというか、参考資料としてこの知られざる真実』とかブログがあるんだと思うし。あと、もうちょっと具体的な話、これまたタイムリー且つ意味不明な問題として、裁判員制度との絡みで考えても決して他人事じゃなかったりもするし。

この知られざる真実』とは直接関係ないけど、やっぱり BGM は "Fuck The Police"。もちろん、N. W. A. のクラシックでもいいんだけど(それにしてもいい名前だなぁ、'Niggaz with Attitude' って)、ここはあえて J DILLA かな。12" インチのアートワークにはムミア・アブ・ジャマールロドニー・キングの写真が使われてたし。


J DILLA "Fuck The Police" (From "Exclusive Collection" by DJ RHETTMATIC)









2009/03/17

Slow and slower.

カルチャー・クリエイティブ ― 新しい世界をつくる 52 人

. :辻 信一 著(木楽舎)

文化人類学者・環境運動家であり、「100 万人のキャンドルナイト」の呼びかけ人や NGO ナマケモノ倶楽部の世話人等としても知られる辻信一氏の 2007 年の著作で、雑誌『ソトコト』の連載「スロー・イズ・ビューティフル・ダイアローグ」からセレクトしてまとめ、ソトコト新書として発売されたモノ。『ソトコト』はあまり読まないんで、「スロー・イズ・ビューティフル・ダイアローグ」って連載についてもよく知らなかったし、著者についても、いろいろなところでちょこちょこと目や耳にすることはあっても、それほど詳しかったわけでも思い入れがあったわけでもないんだけど、本書の中で著者がゲーリー・スナイダーと対談してるって知ったので、俄然興味が出てきて早速読んでみた、と。

タイトルになってる「カルチャー・クリエイティブ」ってのは「世界のあちこちで芽生えてる新しい文化の担い手」みたいな意味で、ポール・レイとシュリ・アンダースンの 2000 年の著作 "The Cultural Creatives: How 50 Million People Are Changing the World" によると「アメリカ社会で主軸となってきた近代主義(モダニズム)とも、それに対する伝統主義とも違う、新しい意識・価値観・行動パターンを持つ第三の潮流の人」のことを指してるらしい。

「スロー・イズ・ビューティフル・ダイアローグ」は、スロー・ライフを提唱してる辻信一氏が各界の「カルチャー・クリエイティブ」と対話したモノということで、このカルチャー・クリエイティブ』は、その中から 51 人+イントロダクションの 1 人を含めて、サブ・タイトル通り 52 人との対話を収録したモノで、環境活動家やフェアトレード・ショップの経営者、靴職人、有機農家、政治家から落語家やミュージシャンまで、さまざまなスタンスで活動してる人物が幅広く登場する。個人的には、その 1/52 のゲーリー・スナイダーに魅かれたんだけど、他にも、『さよなら消費社会』のカレ・ラースンやアースデイ東京代表の南兵衛氏、ちょっと変わったところではヒップホップ・アーティストの Shing02 なんかも登場してて、ちょっと面白い。

トータルで 450 ページくらいの新書サイズで、当然、ひとり当たり 10 ページに満たない程度の文量なんで、正直言うと、内容的にはちょっと物足りなかったりもする
んだけど(それぞれの人物ややってることが魅力的なだけに)、まぁ、たくさんの人物が紹介されてるんで、当然知らない人も多いし、ここから興味のあるところを掘っていくネタというか、インデックス的な意味ではなかなか面白いかな、と。そういう意味では、新書として正しいカタチと言えるのかも。

以下、気になった言葉を片っ端からメモ。あえて、誰の言葉かは書かずに。
  • 人々はお金を稼ぐ奴隷となり、人生を楽しむ余裕すら持っていない。
  • 「日本人はいい時計を作れるが時間がない。ブータン人は時計は作れないけど、時間はたっぷりある」
  • 成長は成長でも、精神的でスピリチュアルな成長、魂の成長、アーティストとしての成長を大切にする社会です。
  • 地中海人という意味のメディタレリアーニという言葉がある。私はイタリア人だけど、それ以上に地中海人だという意識がある。
  • 私の家は先祖から 500 年続いている。500 年の厚みがあるから 500 年先が見通せる。それが文化というものではないでしょうか。
  • 分け合い、譲り合う仏教の「喜捨」の考え方は、確かにシューマッハーを動かしたと思う。仏教の教えのせいか、私もビッグなものが好きじゃないんです。大きいものの背後にはいつも貪欲や利己主義が見える。ビッグ・マネー、巨大な家、強大な企業、そこには時分たちさえ良ければそれでいい、という考え方が共通している。一方、スモールとは私にとって自足、素朴さ、思いやりなどを意味する。だって、私はそもそも小さな存在ですからね、それに相応しい小さなシンプルな生き方があるはずなんです。 * シューマッハーとは、もちろん、『スモール・イズ・ビューティフル』の著者の E. F. シューマッハーのこと。F1 レーサーではない。
  • コスタ・リカ:スペイン語で「豊かな海岸」を意味する。世界で唯一の非武装永世中立国であり、国土の 1/4 が国立公園に指定されている。
  • ひとりにひとつの職場、ひとりにひとつの職業という凝り固まった考えを捨てて、ワーク・シェアリングしながら、複数の仕事を持って、それを自分の時間の中で柔軟に組み合わせて生きていくスタイルがこれから大事になってくると思う。個々人の内なる仕事の多様化です。
  • 移動することと定住することは必ずしも矛盾しないと思う。とくに自分の足でゆっくり旅をする場合には。そして、大地とつながってる場合には、ね。長年の旅によって、人は大地をよく見、知るということを学ぶ。しまいにはいつどこにいても、自分がどこにいるかを理解するようになるのさ。
  • 「特にアメリカには極端な自立志向があるという気がします。依存(ディペンデンス)が軽蔑されて、自立(インディペンデンス)が強調されるばかりに、相互依存(インターディペンデンス)という人間本来のありようが見えなくなる。思えば相互依存とは、生物としての生態学的な在り方そのものだし、社会的、文化的ということの意味そのものなのに。」「自立なんて幻想。北米人は '自立' という世間的なイメージに自分を合わせるために必死になっている。」
  • ホビ族の格言「人生におけるもっとも長い旅、それは頭から心へと至る旅」
  • この頃よく、「誰にでもすぐできる、やさしい、簡単な、盆栽」なんていうことが言われますけれど、私に言わせれば、そんなものはない。植物は生きています。それとつきあうのは面倒で、大変です。だからこそ、それなりの充実感とか悦びがあるのに。そうした時に私に何ができるかと言えば、そうした便利さや簡単さに乗じないこと。そして待つことなんです。
  • ぼくは不況の時のほうが人間は正常になると思っています。
  • 「雪が降ると、ほかのことができないんで、雪下ろしさえやってしまえば、1 日全部、自分の自由になる時間だって。こうしてストーブに薪をくべながら、道具作りをやってもいい、友だちを集めて語らってもいい。そして時には一杯飲んで」「そういう愉しさが、'雪に閉ざされた過疎の村' なんていう言い方をした途端、見えなくなってしまう」
  • 「市民がいなければ政治は成り立たない。すべての者が政治家である」。チェ・ゲバラの 1963 年の言葉です。
  • 「日本が唯一の被爆国だと思っている日本人は多いんですが、仏領ポリネシアでは、1996 年に停止されるまで、30 年間に 200 回近い核実験が行われていたそうですね」「その爆発の威力は広島・長崎の 2 万倍以上だといわれています
  • 「ラマダンとは、いわば愉しい不便、または聖なる不便。考えようによっては、ラマダン的なことこそ、我々現代の日本人は必要としているんじゃないか。ラマダンのひと月、アラブ世界では子どもからお年寄りまで、みんな日の出や日の入りに意識を集中して、それを基点に 1 日を過ごす。これはすごく面白いことです。太陽の動きとか、月の運行なんて日本人にはあんまり縁がなくなっているけど」「月が昇るとか日が沈むとかって人智を超えた自然の計らいごと。ムスリムにとっては神が決めること。それに合わせて動く。日本人やアメリカ人には何でも思いどおりになると思い込んでるところがあると思う」
  • 西洋では、その「時間がない」という観念から出発して、「時間の節約」を最重要のテーマとしてきたわけです。そしてテクノロジーによって時間を節約することで、つらい仕事から自分を解放し、のんびりとした時間を獲得しよう、と。でもこれがまさに罠だったわけです。時間の節約によって時間を得るというこの考え方によって、私たちは逆にますますのんびりとした時間を失っていった。皮肉ですね。
あと、個人的にはナマケモノとヤギのハナシがツボだった。ブラジルの先住民は、ナマケモノのことを「空を支える生き物」って呼んでるらしいんだけど、何がいいって名前がいい。存在感もスピード感も抜群。あと、長野でヤギを育ててる小林さんという人曰く、「日本人はヤギを育てろ。世界的に見ても日本は草の成長が早く、草はどこでも生える。でも、人間は草を食べられない。でも、草を食べたヤギは育ち、人間に乳や肉や毛を提供してくれる。つまり、ヤギの飼料は人間の食料と競合しない、と。それに、デカ過ぎないから都市近郊でも飼えるし、子どもでもお年寄りでも世話ができる」と。なんか、ちょっとヒントがありそうなハナシ。存在感もいいし。

スロー・ライフとかロハスとか、まぁ、ブッチャけ胡散臭さも感じるし、ちょっと警戒心を抱いちゃいつつも、かといって、全面拒絶するほどでもなくて、重なる部分も多かったりするから厄介だったりもするんだけど、そういうビミョーなモヤモヤ感は漂いつつも、ヒントはいろいろ含まれてるし、スピード感とか人選もなかなか面白いし、ひとつひとつのエピソードはすぐに読めちゃうんで、電車の中とかで読むのには適してるのかも。

まぁ、スローといえば、やっぱコリン・フレッチャー。『遊歩大全』で言ってた。ペースは「ゆっくり(slow)」か「もっとゆっくり(slower)」だって。

2009/02/25

Tropical 60s. Tropical 70s.

"Soul Jazz Records Presents Tropicália: A Brazilian Revolution in Sound" (Soul Jazz Records)  / "Soul Jazz Records Presents Brazil 70: After Tropicália: New Directions in Brazilian Music in the 1970s" (Soul Jazz Records) 


前々回のエントリーでレビューした "Black Rio"前回のエントリーでレビューした "Gilles Peterson In Brazil / Back In Brazil" と同様に、ブラジル音楽を掘る上でいいガイドになるコンピレーションで、これはロンドンのソウル・ジャズ・レコーズのコンパイルによるモノ。ソウル・ジャズ・レコーズは、"Soul Jazz Loves Strata East" や "Message from the Tribe: An Anthology of Tribe Records, 1972-1977" といったスピリチュアル・ジャズを筆頭に、ソウル、ファンク、レゲエ、スカ、アフロ、キューバ音楽といったルーツ・ミュージックからヒップ・ホップやジャングルまで、発掘・選曲・コンセプトのどこをとっても素晴らしい、それぞれキチンと紹介したいようなコンピレーションを数多くリリースしてる。

2009/02/19

Across the universe.

"Out There" THE HELIOCENTRICS(Now Again / Stones Throw)
 Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

たびたび触れてるイギリスのレーベル、Strut のコラボレーション・アルバム・シリーズ、'Inspiration Information' のアンプ・フィドラーとスライ & ロビーアシュレイ・ビードルとホレス・アンディに続く第 3 弾でエチオピア人のジャズ・レジェンド、ムラトゥ・アスタトゥケとコラボレーションするのがこのヒーリオセントリックスだって聞いて、俄然期待を膨らませつつ、あらためて聴き直してみたのが 2007 年リリースのこのアルバム。アメリカではストーンズ・スロウからリリースされてて、マッドリブとかの絡みでも話題になった 1 枚でもある。

2009/01/26

Being hungry. Being foolish. Being creative.

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡
 林 信行 著 アスキー)  

これまでにも『iPhone ショック』や『アップルとグーグル』を取り上げたことのある、マック系のライターの林氏が『MACPOWER』誌で連載していたモノをまとめた著作。B4 型(になるのかな? 長辺が 27cm で、A4 よりもちょっと小さい)っていう大型の版型で、写真を大きく扱ってるヴィジュアル・ブック的な装丁が特徴になってる。
これは、われわれがリベラル・アートとテクノロジーの接点に立つ企業で、それらふたつを、他の誰もマネできないくらいうまく融合できることを示している。


2009/01/16

Dark and minimal.

"RenaissanceThe Masters Series Part 9"

. SATOSHI TOMIIE(Renaissance)

前のエントリーと同様、"Renaissance The Master Series" をレビューするのを機会に、富家哲がルネッサンスからリリースした他の作品も聴き直してみたので、合わせてレビューを。

この "Renaissance The Master Series Part 9" は 2007 年にルネッサンスからリリースされた 2 枚組ミックス CD。一聴した印象はダークでミニマル。派手な仕掛けとかわかりやすいヴォーカル・トラックとかはほとんどなく、地味に、でもジワジワとくる感じは嫌いじゃない。ちょっとトランシーな感じもするかな。そもそも、反復するビートとサウンドが徐々に盛り上げるクラブ・ミュージックのグルーヴ感ってのは、長い時間、ある種のトランス状態でこそ、その機能を効果的に発揮するわけで、派手なトラックとか仕掛けはメリハリにはなるけど、多すぎると逆に耳障りだったりしかねない面もあって、そういう意味では、いい意味ですごくトランシーなミックスと言えるかも。その証拠に(?)、深夜の仕事中やウォーキング / ランニング等の BGM にピッタリで、NIKE+ 用に使ってる iPod nano のプレイリストには欠かせない 1 枚になってるし。

ルネッサンスって、わりとメジャーでコマーシャルなレーベルからのリリースながら、変にコマーシャルにするんじゃなく、いい意味でのアンダーグラウンドっぽさを残しながら、最近の富家氏らしいサウンドを貫いてる印象で、その辺のサジ加減も富家氏らしいって言えばらしいと言えるのかも。

2008/12/03

Blues music for blues people.

CORNEL WEST & BMWMB "Never Forget: A Journey of Revelations"
(
Hidden Beach) ★☆ Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

ドクター・コーネル・ウェストがコーネル・ウェスト & BMWMB 名義で Hidden Beach からリリースしたアルバムで、タリブ・クウェリやジル・スコット、KRS-ONE、プリンス、アンドレ 3000(アウトキャスト)等が参加している。

端的に言うと、これが基本的な情報で、音楽的には最低限のイメージはできそうだけど、これだけでは全然不十分なところがこのアルバムの特徴。それだけじゃ、全然このアルバムの魅力は伝わらない。

ドクター・コーネル・ウェストは、オクラホマ州出身のエチオピア系アフロ・アメリカン哲学者 / 政治思想家 / 神学者 / 社会活動家 / アーティストで、プリンストン大学宗教学部兼アフロ・アメリカン研究センター教授。LA での暴動の翌年の 1993 年に発表し、これまでに 50 万部以上のセールスを記録してベストセラーとなった "Race Matters"(単に「人種にまつわる問題」という意味と「人種こそが重要な問題だ」という意味のダブル・ミーニング)が 2008 年 10 月、『人種の問題 ー アメリカ民主主義の危機と再生』として原書の出版から 15 年(!)の時を経て初めて邦訳・発売され(店頭で知らずに見かけたら絶対スルーしちゃう自信満々な感じのスゴイ装丁デザインにビックリだけど…)、それに先駆けて 5 月にはマーティン・ルーサー・キングの没後 40 周年記念企画のために初来日を果たし、東京での姜尚中氏との対談や講演をはじめ、大阪・広島・沖縄を訪れたりしている。

2008/11/19

A natural born revolutionist.

少年フィデル

. :フィデル・カストロ 著
. :柳原 孝敦 監訳(トランスワールドジャパン

編集者のデボラ・シュヌーカルとキューバ国家評議会出版局長のペドロ・アルバレス・タビオによって編集された書籍で、原題は "FIDEL my early years"。タイトルが英語なのはオーストラリアのオーシャン・プレス社から出版されたものだからで、少年フィデルって訳書のタイトルはなかなかの名訳。装丁のデザインもいい。

著者がフィデル・カストロとなっているけど、前のエントリーで紹介した『チェ・ゲバラの記憶』と同様に、新たに書き下ろされたものではなく、これまでに行われたインタビューと演説、そして本人が獄中で綴った手紙から該当する部分を抽出し、幼年期からモンカダ兵営襲撃失敗と投獄までの期間の様子を時系列で、本人の言葉で語るカタチでまとめた「コンピレーション」的な一冊。本書の監訳者でもある柳原孝敦氏がチェ・ゲバラの記憶』のあとがきで述べていたように、この 2 冊は編集手法から出版社まで対になっているような作品で、順番的にはチェ・ゲバラの記憶』が本書の続編というような関係になっている。

「素顔のフィデル」と題された序文は作家のガブリエル・ガルシア=マルケスによるもので、これ自体もなかなか読み応えがある。本文は、幼少期から高校時代までの時期(第 1 章)とモンカダ襲撃前の部分(第 4 章)がブラジル人司祭のフレイ・ベトによるインタビュー、大学時代の部分(第 2 章)は 1995 年に母校・ハバナ大学で行った演説、国際学生組織の活動で遭遇したコロンビアでのボゴタ騒動の部分(第 3 章)はコロンビア人ジャーナリストのアルトゥーロ・アラペのインタビュー、モンカダ兵営襲撃失敗後に投獄されていた時期の部分(第 5 章)は自身の手紙が使われている。

幼少時から、メキシコ亡命〜キューバ革命の直前のモンカダ兵営襲撃失敗と投獄までの期間を対象にしているので、当然、中心はフィデルの人格形成について。つまり、いかにして革命家が作られたのか、アイゼンハワーからブッシュまで 10 人のアメリカ大統領と言葉と信念と態度で渡り合ってきた屈強な精神がどのように育まれたのか、ということ。ひとつ、興味深いのは、彼が幼少期を過ごしたは 1940 年代だったという時代背景だ。スペイン内戦と第二次世界大戦の影響がとても大きかった時代で、当時のキューバの「大人」にはスペイン内戦を経験した「スペイン人」も多く、半ばアメリカの植民地的な支配下にあった影響も含めて、いろいろな意味で教育が偏っていた特殊な時代だったことは想像に難くない。そんな中で、本人の口から語られるエピソードは、どれもこれも、すごく「らしい」ものばかりで微笑ましい。知的で、勉強熱心で、意志が固く、周りに流されず、正義感が強く、リーダーシップに溢れ、弁舌に優れ、実践(実戦)派という彼の特徴が幼少時から大学時代まで一貫して見られる。編者の解説に弟・ラウルの 「フィデルのもっとも重要な正確は絶対に負けを認めないことだ」って言葉が紹介されてるけど、すごく言い得て妙だな、と。

個人的には、フィデルが山登り好きだったってエピソードがちょっと好き。やっぱクライマーだったのか、と。

2008/10/30

Culture and role.

Google との闘い ― 文化の多様性を守るために

. :ジャン-ノエル・ジャンヌネー 著
. :佐々木 勉 訳(岩波書店

フランスの国立図書館の元館長で、ミッテラン政権の通商政務次官もと務めたという著者による、グーグルに象徴されるアメリカ(≒英語)主導のインターネット界のグローバリゼーションに関して、主に Google Book Search を例に挙げて、その裏に孕んでいる画一化の危険性に対して警鐘を鳴らしている一冊。原著("Quand Google défie l'Europe: Plaidoyer pour un sursaut")は 2005 年、訳書は 2007 年の出版で、ちなみに原題は「グーグルがヨーロッパに挑むとき ー 驚愕の理由」という意味だとか。

まぁ、言わんとしてることは解る。ある面で正しい。でも、簡単な問題でもない。グーグルに関するいろいろな本などを読む限り、Google Book Search の「過去に出版された書籍に含まれている膨大な量の情報をデジタル・データ化して検索可能にしたい」という欲求は、グーグルの創設者のふたりにはかなり昔から強くあると思われる。しかも、かなり純粋且つアカデミックなレベルで。たぶん、そこには悪意はない。ただ、悪意がなければいいのか、というとそうでもないのが難しいところ。その辺のことを指摘してるんだと思います。著者の立場は当然、フランス人であり、フランス語圏の人間であり、ヨーロッパ人である、というところ。「ヨーロッパは、市場のために重要なルールを都合よく曲げることさえ辞さないアメリカを理解するうえで、絶好の位置にある」と述べているように、インテリなアメリカ人特有の考え方や価値観がそのままグローバル・スタンダードになってしまうことに危惧を抱かざるを得ないという著者の立場は、英語圏どころかアルファベット圏でもない日本人なら容易に理解できるし、私企業であり、収益を広告に依存しているグーグルのビジネス・モデル自体が内在している危険性も理解できる(大企業に有利になりやすいし、ポピュリズム的な単純化の傾向を促進する可能性もある)。要するに、インターネットの世界(が本来持っていたはず)の公共性と多様性をどのように担保していくのか、ということなんだろうけど、これに関してはもちろん簡単なハナシじゃないし、単純でパーフェクトな解決策があるわけでもない。官と民のバランスと役割の問題でもある。これはグーグルに限らず、マイクロソフトなんかにも言えることだろうし、もっと言えば、インターネットの世界に限ったハナシでもない。政治・経済・文化等、あらゆる分野に言えることだし、「全世界アメリカ化」的な経済の動きが大きな破綻をきたしている今、なおさら強くそう感じるし、その傾向に大きな変化が生じる時なんじゃないかとも思ったりする。

本書を読んで強く感じたのは「それぞれの国や文化が持つ役割」ということ。新しいことを効率重視でドンドン推し進めちゃうのがアメリカの役割なら、ちょっとヒネくれた目でそれを注視して、違う見方を示すのはフランスの役割。アメリカには、アメリカという「若い」国が掲げる(ざるを得ない)理念という価値判断基準があるし、フランスには、アメリカにはない長い歴史の中で育まれたフランスならではの価値判断基準がある。アメリカっていろいろ面白いものを生み出してきた国ではある。でも、やっぱり歴史が短いし、国としてのベースが脆弱だから、どうしても理屈っぽくなったり、数値に頼りすぎるところがあると思うんだけど、それは必ずしも正解ではないと思うので。アメリカ人の考える「合理性」が、他の国の人にとって必ずしも「合理的」であるとは限らないので(「合理的」って「効率がいいこと」と同義語だと考えられがちだけど、本来は、文字通り「理性に合う」という意味なので。そして、「理性」は必ずしも「効率」と合致するとは限らない)。グーグルに代表されるシリコン・バレーに関しても、いい面もたくさんあるけど、足りない部分もいっぱいあると思うし。その点、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国には、理屈じゃないレベルでの価値判断基準、歴史と文化の中で育まれてきた価値判断基準があると思うし、フランスなんかはその筆頭だと思うので(その主張の強さも含めて)。どっちが正しいとかではなくて(著者もグーグルを全面的に批判しているわけではない)、こういう意見がキチンと主張されることだったり、それが考慮されうることってのは、とても大切だな、と。もちろん、ヨーロッパ以外の国でもそういうモノを持っている国はあるし、日本にも日本ならではの価値判断基準があるはずなんだけど、ホントは。まるで役立てられてない気がするけど。残念ながら。日本は逆に孤立化に向かっている気もするし。安易にグローバリズムに流れるのはどうかと思うけど、一方で、世界の多様性を見ずに狭い世界に閉じこもってそれがすべてであるかのように振る舞うのもまたとても危険なことなわけで。この辺は、肝に命じておかなければならない日本の重大な問題な気がする。

最後に、具体的な指摘で面白いかった点をいくつか。
  • まず「現在まで、書籍は(出版者自身の広告を除けば)広告を含まない唯一の情報媒体だったということを思い出して欲しい」ということ。言われてみれば当たり前だけど、これは書籍の特殊性を理解する上で忘れちゃいけないことかも。
  • 図書館員や書店の店員の重要性がなくなるどころか大きくなる、って指摘もすごく大事。アルゴリズムはそこまで万能ではない、と。これは、アマゾンの「おすすめ商品」とか iTunes Store の 'Just For You' あらため 'Genius サイドバー'(既に持っている曲の傾向に合わせた別の曲をお薦めしてくれる機能)のような、購入履歴等のデータを基にしたアルゴリズムを用いた「パーソナライズド・リコメンデーション」の精度を考えればわかる。悪くはないし、それなりに役には立つけど、例えば、行きつけのショップの店員とか、プロのコンシェルジェに敵わないわけで。専門的で幅広い知識を持った図書館員や書店の店員は、一流のコンシェルジェとして扱うべきだし、そうあって欲しい。あと、こういうハナシをするときにはハードのハナシに偏りがちなので、そういう意味でも重要なポイント。
  • 分散コンピューティング的な手法を取り入えることを提案していること。最近、すごくいろんなところで見る「分散コンピューティング」。やっぱり何かあるかもな、と。確かに、ある種の公共性を持つプロジェクトは、多国籍な NPO / NGO 的な団体がこういう手法でやることが相応しいような気がする。資金源やクリエイティビティの問題はあるけど。
  • 「本は全体として設計されたもので、連続的または蓄積的に読まれるべきものである」という指摘。これはとても大事なポイント。きっかけとして部分的に見れることは有益だけど、それだけで安易に「わかった気になる」ことはすごく危険だし、インターネットの世界では、この問題はすごく大きな問題だと思う。
  • 「読書を通じて己を磨くには、読むだけでは不十分だ。我々は本に書かれている社会に出ていかなければならない」というジュリアン・グラックの『偉大な道への切符』からの引用も重要なポイント。頭でっかちになるなよ、と。
トータルで考えると、現状ではグーグルがベストであるのは、たぶん間違いない。いろいろなサービスにおいて。でも、「現状では」ということと、グーグルがどういうものかということは、常に頭に入れといて、動向は見ておく必要はあるし、他の選択肢も持っておく必要もある、と。そういう当たり前の結論にしかならない。特にこの世界の「常識」なんて、アッという間に変わっちゃうから(検索はヤフーが「常識」だった時期もあるし)。一番危険なのは、盲目的・近視眼的になって与えられた情報を鵜呑みにすることだってこと。結局、得た情報を解釈するのは人間の仕事だから(残念ながら、アルゴリズムは「解釈」はしてくれないから)。

2008/06/17

Sleep as you like.

野宿大全

. :村上 宣寛 著(三一書房)

トレッキングだけじゃなくバックパッキングに興味が出てきたので、タイトルに魅かれたのと、あと、最初のほうに書いてあった「実は車がない。買う気もないし、免許も持っていない」って言葉に共感して購入(こういうところは立ち読みならでは。Amazon とかではできないこと)。その筋(?)では有名な著者が、30 年以上(!)に渡る野宿生活の中から培った知恵やスキルを集めたモノ(ホームレスという意味ではないので注意)。

バックパッキングとバイクパッキング(チャリによる旅)の両方をテーマにしてて、装備から場所の選定、食べ物、虫や動物からトレーニングまで、幅広くカバーされてて、「こちトラ自腹じゃ」よろしく、基本的には著者自身の経験をベースに書かれている(つまり、メーカーとのスポンサーシップ等のしがらみがない)ので、内容はかなり率直且つ具体的。モンベルが酷評されてたり。そういう意味ではとても信頼ができる情報ではある。

ただ、逆に、そういう書き方である性質上、どうしても著者の好みが如実に反映される、具体的には著者が自腹で買ったモノ以外は取り上げられておらず、その中には当然、著者の個人的な好みの問題も含まれているはずなので、その辺は考慮して読むべきでもある(100% 著者のコピーをしたいなら別だけど)。

2008/05/29

An another good story.

家なき鳥、星をこえる - プラネテス

. :幸村 誠 原作 / 常盤 陽 著(講談社)

ガンダムで言うところの『機動戦士ガンダム 第 08MS 小隊』や『機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争』、『機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY』に該当するような、メイン・ストーリーの外伝的な小説で、原作は幸村誠のコミック『プラネテス』。発売直後に読んでたんだけど、最近、読み直したので、あらためて。

アニメ版もコミックをベースにしつつかなり拡大解釈を施した作品だったことを考えると、ある種の外伝的なモノだったとも言える気がするけど、この『家なき鳥、星をこえるプラネテス』は、その登場人物の過去を描いていて、より外伝らしい外伝。多くの外伝が生まれるのは、原作の魅力が強い(+微妙に、補ってあげたくなるような、未完成感もある)からであり、こういう作品を書いてみたいと思っちゃう気持ちはとてもよくわかる。

物語は、原作で重要なキャラクターであるハキムの成長期。個人的には、砂漠の民が育んだ生きるためのノウハウ=イスラム教のことが、宇宙が生活圏になっている時代の世界の中で描かれている感覚がちょっと新鮮だった。原作との絡みの伏線を張りつつも、オリジナル・キャラクターを上手く活かして描かれてるストーリーは単体でも読み応えがあるし、かなり青臭い感覚も含めて、いい意味で著者の原作への愛情も感じられて、読後感は心地いい。ついつい、他にもたくさんいる魅力的なキャラクターのストーリーも読みたいな、なんて妄想したくなっちゃう。

*原作コミック:
プラネテス 1 巻
プラネテス 2 巻
プラネテス 3 巻
プラネテス 4 巻

*アニメ版(DVD):
プラネテス 1
プラネテス 2
プラネテス 3
プラネテス 4
プラネテス 5
プラネテス 6
プラネテス 7
プラネテス 8
プラネテス 9

2008/03/22

On the road again.

『オン・ザ・ロード  
 ジャック・ケルアック 著 青山 南 訳 (河出書房新社
 Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

池沢夏樹=個人編集 世界文学全集(全 24 巻)の栄えある第 1 巻として発売されたジャック・ケルアックのクラシック、"On the Road" の新訳。タイトルも『路上』から『オン・ザ・ロード』に変更されている。

路上』はもちろん、言わずと知れたビートニクスの代表作なわけで、ご多分に漏れず 10 代の頃に読んでかなり影響を受けて、頑張って(かなりムリをして)原書、"On the Road" まで読んでみちゃったことがあるくらい好きな作品なんだけど、今回の青山南氏の訳は、適度に時代に合わせてアップデートされてて、個人的にはかなり好印象だった。

わりと見過ごされてると思うんだけど、そもそも '翻訳' なんてモノは、100% の精度でできるわけがないモノで、訳す人が違えば印象が微妙に違ってくるのは当たり前。世の中では、'翻訳' や '通訳' というモノはあたかも 100% 正確なモノであるかのように思われてるフシがあるような気がしてて、スゴク違和感を感じているんだけど、外国語が多少わかってくると気付くけど、そんなことできるわけがない。強いて言えば、バイリンガルの著者が書いたモノ(本人が語ったモノ)が(少なくとも本人の意思との整合性の面で)いちばん精度が高いわけで、世の中の訳書や通訳の多くはそうではない以上、多かれ少なかれ訳者のカラーが出て当然だろ、と。

2008/02/22

Just a little too mild.

"Playlist"

. KENNY 'BABYFACE' EDMONDS(Universal)

現在の音楽シーンで屈指のソングライターであることは言わずもがななベイビーフェイスだけど、個人的には彼が提供した曲をホイットニーやボーイズ II メン等のシンガーが歌って大ヒットしたものより、彼自身のレコードのほうが好きだったりする。なぜなら、「歌が上手すぎない」から。彼の書く曲は、「これでもかっ!」ってくらいの美しいメロディーなわけで、それをゴージャスなアレンジで歌唱力抜群のシンガーに歌われた日にゃ、正直、ちょっとトゥー・マッチだったりするので。ポップ・ミュージックというのは「上手けりゃいい」わけではなく、「下手もまた味」だったりする。そういう意味で、彼自身の歌は決してトゥー・マッチではなく、でもなんかいい味があって、ちょうどいいサジ加減。ちょっとワビサビに近い感覚かもしれない。

なので、カバー集となる今作も期待が高まったわけですが、第一印象としては「ヌルイ」。とても品のいいアレンジでまとまってて、クオリティは高いんだけど、もうひとつ面白みに欠ける。個人的には、もうちょっと黒い、ブルージーなサウンドのほうがシックリくる。まぁ、選曲が思ったほど好みじゃなかったのもあるけど。とは言いつつも、クオリティ自体はとても高いし、オリジナル曲の "The Soldier Song"(ちょっと世相を反映してるのかな?)とか、さすがのベイビーフェイス節で、とてもいい仕上がり。

2008/02/18

Determination.

スティーブ・ジョブズ 神の交渉術竹内 一正 著(経済界) ★

それほど興味があったわけじゃないけど、古本屋で見つけたので。「勝手にアップル・エヴァンジェリスト」としては、まぁ目を通しておいてもいいかな、と。なんでそう思ってかっていうと、上手く説明できないけど、なんとなく「ウサン臭いビジネス臭」が漂ってたから。タイトルといい、「独裁者、裏切り者、傍若無人…と言われ、なぜ全米最強 CEO になれたのか」ってサブ・タイトルといい、帯の文句といい。まぁ、結果的には、案の定、予感的中だったわけですが。

ネタがいい(対象が面白いし、面白い話も知ってる)のに、それだけでは面白い本にならないっていういい例。中途半端に過激っぽいフレーズで煽ってるわりに、イマイチ説得力がないし。教訓っぽくまとめようとしてるっぽいけど、全然教訓にもなってないし。まぁ、読んで気付いたけど、この人、『松下で呆れアップルで仰天したこと』の人なのね。他にも、好みじゃない感じの「ウサン臭いビジネス臭」漂う本をたくさん出してるし。だから、そういう本が好きな人なら楽しめるのかな? この本だけ、中途半端に「アップル本」っぽい装丁だから騙された。でも、これって逆効果じゃね? どっちの人にとっても。

まぁ、スティーヴ・ジョブズのモノづくりに対する「ダンコたる決意」((C) 桜木花道)は伝わってくるけど。

2008/02/02

Re-invention.

iPhone ショック

. :林 信行 著(日経 BP 社)

マック系のライターとして古くから知られる林氏が iPhone についてまとめた、いわゆるハード・カバーと新書の中間くらいのヴォリュームの 1 冊。

サブ・タイトルに「ケータイ・ビジネスまで変える驚異のアップル流ものづくり」と付いているように、わりとビジネス向けにしつらえてる感じで、その辺が個人的にはちょっとビミョーな感じ。もうちょっと面白くできたような気がするけど、ちょっともったいない印象。まぁ、個人的に iPhone 関連の情報は個人的に興味があってマメに調べてるし、アップル自体のこととかスティーヴ・ジョブズのこととか、わりと知ってることが多かったから思ったほど楽しめなかったのかもしれないけど。特に熱心に iPhone のことを追っかけてるわけじゃない人にとっては、わかりやすくまとまってていいのかも。

関係ないけど、書籍のサブ・タイトルって、Amazon とかの検索に引っかかるから付け方が大事なんだよね。

2008/01/24

Happiness.

美しい国 ブータン

. :平山 修一 著(リヨン社) ★☆☆☆

今、とっても行ってみたい国のひとつ、ブータンに関する 1 冊。

正直言って、読み物としては期待したほどではなかったけど、基礎知識を得るって意味では、まぁ、アリかな、と。

ブータンといえば、GNP ではなく GNH(Gross National Happiness)を国づくりの指標として掲げる国。ブラジルに行ったときに強く感じた感覚に、なんか共通するものがある気がする。それに、日本と気候や文化の共通点が多く、なんか懐かしい感じになるって言われてるところも魅かれる。行ってみたい。

個人的に気に入ってるのは、これまでのブータンの道路は最高時速 30 km だった、ってハナシ。これは法律のハナシではなく、キチンと整備されてないし、直線がすごく少ないので、30 km 以上出せない、ってこと。急がなくていいし、立ち止まってもいい。それはちょっといいね。