(Tru Thoughts) ★★★★☆ Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store
去年リリースしたクアンティック・アンド・ヒズ・コンボ・バルバロ名義のアルバム "Tradition in Transition" も素晴らしい出来映えだったクアンティックことウィル・ホランドの、クアンティック・プレゼンタ・フラワリング・インフェルノ名義の 2 枚目のアルバム。
クアンティックはイギリスのトゥルー・ソーツか らいろんな名義で作品をリリースしてきた DJ / マルチ・インストゥルメンタリスト / プロデューサー、ウィル・ホランドのワン・マン・ユニット。デビューは 2000 年で、当初はわりと典型的な UK ヒップ・ホップなイメージが強くて、けっこうチェックはしてたんだけど、ちょっとイヤな言い方をするとちょっと頭デッカチな印象もあっりした。
でも、その後、ザ・クアンティック・ソウル・オーケストラってバンドを結成した辺りから、徐々にジャズやファンク、さらにはサルサとかボサ・ノヴァといったラテン・アメリカルーツ・ミュージック、さらにはそのルー ツであるアフリカ音楽までも精力的に探求をするようになって俄然面白くなってきたというか、狭い意味でのヒップ・ホップ・シーンには収まり切らない感じになってきた。2007 年にはプエルト・リコのザ・カンデラ・オール・スターズをフィーチャーしたニコデマスとの共作曲、"Mi Swing Es Tropical" が iPod の TV CF に使用されて話題になったり。特に 2007 年には南米・コロムビアの音楽都市、カリに拠点を移してからはその傾向が一層顕著になって、2007 年にザ・クアンティック・ソウル・オーケストラ名義の "Tropidelico" をリリースした後、2008 年にクアンティック・プレゼンタ・フラワリング・インフェルノ名義のファースト・アルバム "Death Of The Revolution"、2009 年のクアンティック・アンド・ヒズ・コンボ・バルバロ名義の "Tradition in Transition" につながっていくってことになるのかな。
スタイル的には、クアンティック・アンド・ヒズ・コンボ・バルバロの "Tradition in Transition" がわりとファンク的な印象だったのに対して、クアンティック・プレゼンタ・フラワリング・インフェルノはカリビアン・フレイヴァーの濃いサウンド。具体的には、レゲエ〜ダブはもちろん、キューバだったりプエルト・リコだったりといったカリブ海地域の音楽の要素を取り入れつつ、ラテン・ミュージックともナチュラルに深化させたような、味わい深いサウンドに仕上がってる。そういう地域のサウンドからの影響が強いから、印象としてはトロピカルでもあるし。
まぁ、クアンティックは去年のクアンティック・アンド・ヒズ・コンボ・バルバロのアルバムから引き続き絶好調でゴキゲンな状態らしい。こういう音楽をこういうカタチで表現してる希有なアーティストであることは間違いないし("Gilles Peterson presents Havana Cultura - New Cuba Sound" に入ってるアーティストとかちょっとイメージが近いけど)、リリース・ペース的にもコンスタントな感じで嬉しい限り。こういうアーティスト / アルバムって、特定のジャンルに収めにくいから、どうしてもなかなか知られ(聴かれ)にくいけど、こういうのこそ、もっと聴かれるようになればいいのに。
QUANTIC PRESENTA FLOWERING INFERNO "Swing Easy" (From "Dog With A Rope")
0 comment(s)::
Post a Comment