『イサム・ノグチ 宿命の越境者 上』 ドウス昌代 著 (講談社) ★★★★☆
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世界的なアーティストととして知られるイサム・ノグチの 84 年の生涯を綴り、2000 年に第 22 回講談社ノンフィクション賞を受賞した作品。ここで取り上げるのが、なんで、上巻だけかっていうと、この本の上巻の 1 章・2 章の部分が映画『レオニー』のインスピレーションの源になったから。下巻ももちろん読んでみるつもりなんだけど、キッカケが『レオニー』だったんで、ここではあえて上巻のみで。
そもそものキッカケは、WOMB で行われてるレジデント・ドラムンベース・パーティ、06S の MC で、個人的にも親交のある YUUKi MC の母親の松井久子監督が『レオニー』の監督で、YUUKi くん自身も映画のプロデューサーを務めてるから。
ただ、それだけじゃなく、イサム・ノグチ自身にも興味があって、数年前にまだ雪で真っ白だったモエレ沼公園(言わずと知れたイサム・ノグチの代表作のひとつ)に行ったときに、園内のギャラリーでイサム・ノグチについてもいろいろ資料を見たりしたんで、純粋に映画自体にも興味があって、その映画のインスピレーションになったっていう本書自体にも興味を持って読んでみた、と。
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2010/11/20
2009/08/02
So fantastic.
"Fan-Tas-Tic, Vol. 1".SLUM VILLAGE(Counterflow Records)★★★★★
"Fantastic, Vol. 2".SLUM VILLAGE(GoodVibe Recordings)★★★★★
"Best Kept Secret".J-88(Groove Attack Productions)★★★★☆

前のエントリーまで 1 ヶ月間毎日エントリーに(ひっそりと)トライしてたわけだけど、一応、それは達成はできたものの、まぁ、やっぱ、けっこうシンドかったんで、ちょっとブレイクしようかななんて思ってたら、いつもチェックしてる okayplayer. にスルーできない悲しいニュースが(ニュース・ソースはドゥウェレの Twitter の書き込み)。ジェイ・ディー / J・ディラ、T3 とともにスラム・ヴィレッジのオリジナル・メンバーだったバーティン(Baatin)が現地時間の 7 月 31 日に亡くなった、と。デトロイト・フリー・プレスによると、死因は不明で死体で発見された、って感じらしくて、まぁ、詳細は追々わかってくるんだろうけど、なんか、それもすごく悲しい感じ。
"Fantastic, Vol. 2".SLUM VILLAGE(GoodVibe Recordings)★★★★★
"Best Kept Secret".J-88(Groove Attack Productions)★★★★☆

前のエントリーまで 1 ヶ月間毎日エントリーに(ひっそりと)トライしてたわけだけど、一応、それは達成はできたものの、まぁ、やっぱ、けっこうシンドかったんで、ちょっとブレイクしようかななんて思ってたら、いつもチェックしてる okayplayer. にスルーできない悲しいニュースが(ニュース・ソースはドゥウェレの Twitter の書き込み)。ジェイ・ディー / J・ディラ、T3 とともにスラム・ヴィレッジのオリジナル・メンバーだったバーティン(Baatin)が現地時間の 7 月 31 日に亡くなった、と。デトロイト・フリー・プレスによると、死因は不明で死体で発見された、って感じらしくて、まぁ、詳細は追々わかってくるんだろうけど、なんか、それもすごく悲しい感じ。
2009/07/26
United we live strong.
『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』
ランス・アームストロング 著
安次 嶺佳子 訳(講談社) ★★★★☆ Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books
『毎秒が生きるチャンス!』
ランス・アームストロング / サリー・ジェンキンス 著
曽田和子 訳(学研) ★★★☆☆ Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books
一昨日、ナイキ・ジャパンから、ランス・アームストロングからのメールってカタチで、日本で 'LIVE STRONG' の活動を本格的に始めるという知らせが届いた。
'LIVE STRONG'(リヴ・ストロング)ってのは、ランス・アームストロングが 1997 年に設立したランス・アームストロング・ファンデーション(LAF)が行ってる癌撲滅を目的とした活動で、一番有名なものとしては、ランスが 2004 年からナイキとともに製造・販売している黄色いシリコン製のリストバンドがある。エンボスで 'LIVE STRONG' って文字が入ったこのリストバンドは、コストをナイキが負担して US$1 で販売され、売上げは LAF の活動に使われてる。キャッチ・コピーは 'Wear Yellow, Live Strong.'。その後、この手のリストバンドは、こういう意味やメッセージのあるモノから単なるファッション・アイテムまで、いろんなリストバンドが発売されたけど、その先駆けとも言えるモノで、海外では多くの有名人が着用してることでも知られてる。日本でも、たしかキヨシローさんが付けてたんじゃないかな。まぁ、癌を患ってたサイクリストであることを考えれば、すごく自然なことだと思うけど。
ランス・アームストロング 著
安次 嶺佳子 訳(講談社) ★★★★☆ Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books
『毎秒が生きるチャンス!』
ランス・アームストロング / サリー・ジェンキンス 著
曽田和子 訳(学研) ★★★☆☆ Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books
一昨日、ナイキ・ジャパンから、ランス・アームストロングからのメールってカタチで、日本で 'LIVE STRONG' の活動を本格的に始めるという知らせが届いた。
'LIVE STRONG'(リヴ・ストロング)ってのは、ランス・アームストロングが 1997 年に設立したランス・アームストロング・ファンデーション(LAF)が行ってる癌撲滅を目的とした活動で、一番有名なものとしては、ランスが 2004 年からナイキとともに製造・販売している黄色いシリコン製のリストバンドがある。エンボスで 'LIVE STRONG' って文字が入ったこのリストバンドは、コストをナイキが負担して US$1 で販売され、売上げは LAF の活動に使われてる。キャッチ・コピーは 'Wear Yellow, Live Strong.'。その後、この手のリストバンドは、こういう意味やメッセージのあるモノから単なるファッション・アイテムまで、いろんなリストバンドが発売されたけど、その先駆けとも言えるモノで、海外では多くの有名人が着用してることでも知られてる。日本でも、たしかキヨシローさんが付けてたんじゃないかな。まぁ、癌を患ってたサイクリストであることを考えれば、すごく自然なことだと思うけど。
2009/04/21
More authorized confusions.

『続・傷だらけの百名山』
『新・傷だらけの百名山』
. :加藤 久晴 著(新風舎) ★★★☆☆
前にレビューしたジャーナリストの本多勝一氏の『「日本百名山」と日本人』で触れた、深田久弥氏が『日本百名山 』で選出した 100 座の憂うべき現状を綴った加藤久晴氏の著作。タイトルを見てわかる通り、一連のシリーズとなっている。続編が 2 冊も出版されたってことは、当然、一定以上の支持を得たってことなんだろうけど、読んでみればそれも合点がいくというか、なかなか笑えない内容。それぞれ 1994・1996・2000 年の出版なので、情報はちょっと古いところもあるけど、問題の本質は基本的に変わってないし、むしろ悪化してるのかも。
著者の加藤久晴氏はもともとテレビ局の番組制作者ということで、それほどハードコアな山男ということではないらしい。しかも、サラリーマン(一般的な企業とはちょっと違うと思うけど)。だから、わりと普通にいる山好きの人みたいな印象で、だからこそ、そういう、わりと「普通の山好き」と同じようなスタンスで書かれているので、親近感が持ちやすかったり、実感しやすかったりする。
「百の頂きに百の喜びあり」と深田久弥氏が書いてから幾星霜、『傷だらけの百名山』は百名山がどんなことになっちゃってるかを記したものだってことはタイトルから容易に想像できるけど、問題点を抉り出して責任者を糾弾するような、いわゆる社会派な、ちょっと「重い」感じのイメージがあったんだけど、実際にはそうでもなくて、問題点についてはもちろん指摘してるんだけど、同時に山の良さとかそこにたずさわる人の想いとかもキチンと触れられてて、思ったよりもいい感じに「重過ぎない」、でも「軽過ぎない」印象。わりとスルッと楽しみながら読めちゃう。
そうは言っても、もちろん、決してただ楽しい内容ではなくて、特に冒頭から白馬岳と八ヶ岳っていう行ったことのある山が紹介されてたりするんで、全然笑えないというか、かなりリアリティを持って実感できちゃったりしたんだけど。もちろん、『日本百名山 』の 100 座すべてを取り上げてるわけではなく、『傷だらけの百名山』で取り上げられてるのは白馬岳・八ヶ岳・白山・富士山・槍ヶ岳。著者が首都圏在住・勤務だからなんだろうけど、いきなり 5 つのうち 3 つも行ったことがある山が取り上げられてて、なんとなくモヤモヤと感じてたことだったりもしたんで、わりと実感を持って読めちゃった。
個人的には、長野オリンピック招致にまつわるリフトとジャンプ台建設のヒドイ話と、1972 年の札幌オリンピックのときにオリンピック招致をしていて、本命と目されていたカナダのバンフの開催予定地がバンフ国立公園内にあり、 自然破壊の恐れがあることを WWF 会長が IOC 委員に手紙を送り、結果的にバンフ開催が見送られた(結果的に開催地になった札幌にも同じ問題があった)ってハナシが引っかかった。前者に関しては、ゴルフ場と並んで、スキー場の存在に関してすごく疑問を感じてて(決して、ゴルフとスキーという競技自体を全面的に否定してるわけじゃない)、でも、同じようなことを感じてる人が思いの外、少ない感じがするから。わりと、誰も言わないし、共感してもらえないんだけど、なんでなのか、メチャメチャナゾで。後者に関しては、今、まさに旬の話題というか、ちょうど IOC が東京に来てたらしいし。「環境に優しいオリンピック」とか、それ自体が自己矛盾を孕んでるとしか思えないんだけど。もちろん、反対してる人もいるし、視察先でデモをしてたらしいんで、ちょっとホッとしたけど、少なくともマスメディアは、箝口令(言論統制?)でも出てるのか、わかりやすく口を揃えて招致に賛成してるし。まぁ、前回の東京オリンピックにそれなりの意義があったらしいことは理解できなくもないけど、今さら東京でオリンピックとか意味不明の何物でもないし。まぁ、もっと言うとオリンピック自体、どうかとも思うし。ちなみに、文庫版の解説はアルピニストの野口健氏。
2 作目の『続・傷だらけの百名山』は、「まえがき」にも描かれてるけど『傷だらけの百名山』よりも、より周辺情報というか、問題提起というか、山自体だけでなく、開発による環境破壊やそれに対する反対運動などにもフォーカスを当ててる。取り上げてるのは谷川岳・丹沢・奥日光・旭岳・利尻山・苗場。「遭難死者数世界一の山」こと谷川岳は去年行って、まさにここに書かれてる通り、ウンザリした(そのときのことはここに日記が書いてある)ので、のっけからガツンとヤラれた感じ。苗場も某野外フェスティヴァルに仕事で行ったときに唖然とした記憶があるのでリアルにイメージできるし。ここでは、その開発を行った K という会社(たぶん、何年か前になくなったここのことかな?)の地元に対する仕打ちとかも克明に描かれてて、よりルポタージュっぽい内容になってる。
そういえば、ちょっとハナシがズレるけど、ちょうどこのスキー場絡みで、前からすごくナゾなことがあって、たくさん開催されてる野外フェスティヴァルをアウトドアとかエコロジーとかと無理矢理結びつける風潮にもすごく違和感を感じるんだけど、なんで誰もそれに疑問を呈しないんだろう? アウトドア・ブランドやショップもひとつのビジネス・チャンスとして利用してる感があるけど(夏前くらいになると必ず「野外フェス向けキャンペーン」みたいのが大々的に展開されてる)、すごく疑問を感じる。「傷だらけの百名山」のハナシとはちょっとズレるけど、本質的には同じ問題の気もするんで。本多勝一氏が言うところの「メダカ社会」というか。たぶん、百名山病はちょっと年配の世代の人に顕著な病だとすると、野外フェス病はより自分に近い世代の病のような気がしてるんで、これはこれで、より自分にとってはリアルな問題っぽい気がしてる。
ともあれ、この『続・傷だらけの百名山』はよりルポタージュっぽい内容ではありつつも、いい部分(上手く環境が保全されてる例とか、そのために活動してる人たちとか)についても触れる姿勢も貫きつつ、さらには、問題を提起したりするべき報道、特に TV にまつわるいろいろな問題(直接関係ないけど、ドラマに自動販売機が写らない理由とかも面白かったし。自動販売機については、個人的にもいろいろ思うところがあるんで。良くも悪くも)とか、車の排気ガスとか皇族山行の問題なんかにもふれながら、前作同様、読みやすい感じにまとめられてる。文庫版の解説は、『「日本百名山」と日本人』のレビューでも触れた通りジャーナリストの本多勝一氏。
3 作目の『新・傷だらけの百名山』はシリーズ完結編ということで、羅臼岳・斜里岳、大朝日岳、平ヶ岳、尾瀬・至仏山、赤城山、大菩薩嶺、天城山、大山、久住山、宮之浦岳、さらに(百名山じゃないけど)武甲山等の惨状に触れてる。前作 2 冊とはちょっと趣向が違ってて、『週刊金曜日』等に掲載したモノに幾つか加えたものが第 1 部で、ブナ林の素晴らしさと現状の問題点を訴える「ニッポン・ブナ山紀行」という、必ずしも百名山に限らない問題も第 2 部として紹介されてる。ここで取り上げられてるのは巻ノ沢岳(山形)、博士山(福島)、三頭山(東京)、西丹沢・大室山(神奈川)、大台ケ原(奈良)、安蔵寺山(島根)。『週刊金曜日』等に掲載したモノなんで 1 本の原稿が短めで、結果としてたくさんの山がちょっとずつ取り上げられてる。
まぁ、山は違えど言わんとしてることは基本的に前作 2 冊と共通してて、スタンス的にも『続・傷だらけの百名山』に近い。自分で行って、見て、聞いて部分プラス調査・取材って感じ。個人的に行ったことがあるのは大菩薩嶺だけ(宮之浦は近くまで行ってるけどルートが違う)なんで、前作 2 冊よりは実感は薄いけど、まぁ、どこもなかなかヒドイ感じ。ヒネクレ者のモノ好きだからか、どれだけヒドイのか、自分の目で見てみたい気もしちゃうくらい。まぁ、他に行きたいところを見つけたほうが健全だと思うけど。あと、直接関係ないけど、ちょっと面白かったのが、「日本では自動販売機だけで原発一基分の電力を消費していると言われている」ってハナシ。ソースが書いてないから詳しくはわかんないけど、ちょっと興味があるハナシではある。文庫版の解説は去年、『脱百名山登山学』という本を出してるらしい石井光造氏。石井氏については何の予備知識もないんだけど、出版社のサイトに書かれてる本人の言葉を読む限り、ちょっと興味深い感じがしてるんで、機会があれば読んでみようかな、と。
人間が単に足を踏み入れるだけでも、多かれ少なかれ生態系への何らかのインパクトを与えている ー 登山者のモラルを考えるさいに、つねに立脚点としなければならないのはこの点ではないだろうか。(中略)究極的な考え方をすると山行そのものの否定につな がりかねないのであるが、そうならないためにも、われわれは山行にさいして最大限の注意と配慮をしなければならないだろう。『続・傷だらけの百名山』で加藤氏もこう述べてるんだけど、やっぱりこの問題は避けて通れない。行けば行くほど考えちゃうし、考えれば考えるほどそう思っちゃう。「共生」って言葉が一般化したのは 1992 年にリオ・デ・ジャネイロで開催された地球サミット(環境と開発に関する国際会議)だったらしいんだけど、それから 15 年以上経ってるのになかなかリアリティが感じられない。これは山行に限らず、人間の文明活動全般にも言えることなんだけど。ある種の自己矛盾みたいなモノ。それこそ、「環境に優しいオリンピック」とか野外フェスティヴァルと同質の自己矛盾。まぁ、これは、もう、程度の問題であるとは思うけど、同時に、少なくともその自己矛盾に自覚的であることはすごく大事だし、最低限必要なことだとは思うけど。
まぁ、3 冊で加藤氏が述べてる考え方に 100% 諸手を挙げて賛成したいわけじゃないし、細かいところではイマイチピンとこない部分もないことはない。例えば、異常に嫌煙家であるわりに嫌酒家(こんな言葉があるのかナゾだけど)への配慮はあまりないこととか、やたらと山で缶ビールを飲みたがることとか。そんなに目くじら立てて大人気なく非難する気はないけど、ちょっと疑問ではある。あと、論調も主観をわりと乱暴で断定的な書き方をしがちな感じもあるんで、抵抗を感じる人もいそうだし(個人的にはそうでもないけど)。でも、まぁ、そういう細かいところはあるにしても、大意としては十分理解・共感できるし、いろいろ考えさせられる部分は多いな、と。原書の出版はリベルタ出版というあまり耳馴染みのない出版社で、文庫版は自費出版にまつわる問題を起こした新風舎なんで、正直、ちょっとどうなんだろう? って感じもあったんだけど、そういう問題と本自体はもちろん関係ないんで。
2009/02/18
The unbelievable truth.
『日本の国立公園』 加藤 則芳 著 (平凡社新書) ★★★☆☆
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これまでにも『森の聖者 - 自然保護の父 ジョン・ミューア』や『自然の歩き方 50 ー ソローの森から雨の屋久島へ』、インタビューが載ってる『Spectator』をレビューした八ヶ岳在住の作家 / バックパッカーの加藤則芳氏が、日本の国立公園の現状と問題点について綴った 2000 年の著作。新書って基本的には好きじゃないし、あまり読まないんだけど、別に新書だから読まないってわけではないんで(そんなのナンセンスだし)。
『自然の歩き方 50』でもちょっと触れられていた国立公園にポイントを絞った内容で、実際に現地に足を運んで現地の人やレンジャーに聞いた話や法律や統計といったデータ、さらには日本の国立公園ができたプロセスやそこで生まれて今も解消されてない構造上の問題(林野庁と環境庁の縦割りの弊害や軋轢等)からアメリカでの国立公園の成立や現状まで、事実は事実として記しつつ、主観は主観として乱暴なくらいに展開されてて、なかなか面白い。
ラルフ・ウォルド・エマーソンの「魂の豊かな心理は自然の中にあり、自然の中に、なにものにも頼らずに己の内なる本源によって立つときが、最も崇高である」って言葉を引用しつつ、ヘンリー・デヴィッド・ソロー、そして「国立公園の父」と呼ばれるジョン・ミューアへとつながっていくアメリカの国立公園自体に内在している思想について最初に触れてるんだけど、つまるところ、この部分の社会的なコンセンサスの欠如、もっというと教育とリテラシーの低さが日本の本質的な問題なのかな、と。
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これまでにも『森の聖者 - 自然保護の父 ジョン・ミューア』や『自然の歩き方 50 ー ソローの森から雨の屋久島へ』、インタビューが載ってる『Spectator』をレビューした八ヶ岳在住の作家 / バックパッカーの加藤則芳氏が、日本の国立公園の現状と問題点について綴った 2000 年の著作。新書って基本的には好きじゃないし、あまり読まないんだけど、別に新書だから読まないってわけではないんで(そんなのナンセンスだし)。
『自然の歩き方 50』でもちょっと触れられていた国立公園にポイントを絞った内容で、実際に現地に足を運んで現地の人やレンジャーに聞いた話や法律や統計といったデータ、さらには日本の国立公園ができたプロセスやそこで生まれて今も解消されてない構造上の問題(林野庁と環境庁の縦割りの弊害や軋轢等)からアメリカでの国立公園の成立や現状まで、事実は事実として記しつつ、主観は主観として乱暴なくらいに展開されてて、なかなか面白い。
ラルフ・ウォルド・エマーソンの「魂の豊かな心理は自然の中にあり、自然の中に、なにものにも頼らずに己の内なる本源によって立つときが、最も崇高である」って言葉を引用しつつ、ヘンリー・デヴィッド・ソロー、そして「国立公園の父」と呼ばれるジョン・ミューアへとつながっていくアメリカの国立公園自体に内在している思想について最初に触れてるんだけど、つまるところ、この部分の社会的なコンセンサスの欠如、もっというと教育とリテラシーの低さが日本の本質的な問題なのかな、と。
2009/02/04
Living extra small. Living nice.
『オランダモデル - 制度疲労なき成熟社会』長坂 寿久 著
『さよなら、消費社会』カレ・ラースン 著 加藤 あきら 訳

どちらもちょっと前の本だけど、最近ちょっと気になることがあって、あらためて読み直した本なので、合わせてレビューを。
「最近ちょっと気になること」ってのは、ちょっと前にニュースなんかでやたらと耳にしたのに、最近ではすっかりその回数が減った感がある「ワーク・シェアリング」ってヤツ(それにしても、最近のメディアはニュースの賞味期限が異常に短い)。2008 年秋の世界的な経済破綻の影響が日本にも及ぶにつれて、年明けくらいから、日本の財界・政界でも無闇に使われはじめてるんだけど、そういった論争(と呼べるほどのレベルなのか? ってのはかなり疑問だけど…)を聞けば聞く(読めば読むほど)ほど、アホくさいっていうか、メチャメチャ違和感を感じて気持ち悪かったで。その辺の違和感をちょっと整理したいなと思って、それぞれ出版時に読んでた『オランダモデル』と『さよなら、消費社会』を読み直してみた、と。
『さよなら、消費社会』カレ・ラースン 著 加藤 あきら 訳

どちらもちょっと前の本だけど、最近ちょっと気になることがあって、あらためて読み直した本なので、合わせてレビューを。
「最近ちょっと気になること」ってのは、ちょっと前にニュースなんかでやたらと耳にしたのに、最近ではすっかりその回数が減った感がある「ワーク・シェアリング」ってヤツ(それにしても、最近のメディアはニュースの賞味期限が異常に短い)。2008 年秋の世界的な経済破綻の影響が日本にも及ぶにつれて、年明けくらいから、日本の財界・政界でも無闇に使われはじめてるんだけど、そういった論争(と呼べるほどのレベルなのか? ってのはかなり疑問だけど…)を聞けば聞く(読めば読むほど)ほど、アホくさいっていうか、メチャメチャ違和感を感じて気持ち悪かったで。その辺の違和感をちょっと整理したいなと思って、それぞれ出版時に読んでた『オランダモデル』と『さよなら、消費社会』を読み直してみた、と。
2008/04/15
The nature activist.
『森の聖者 - 自然保護の父 ジョン・ミューア』
加藤 則芳 著 (小学館ライブラリー) ★★★★☆
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「国立公園の父」として知られ、憧れのジョン・ミューア・トレイルの由来にもなったジョン・ミューアの足跡と功績を綴った一冊。ナチュラリストであり、ネイチャー・ライターであり、アクティヴィストでもあった彼が、どういう経緯で、国立公園のヴィジョンを持ち、実現したのかがよくわかる。
最近、いろんなところで目にしていた名前なので、とても気になってたけど、なかなか書店の店頭では目にする機会が少ない。結局、アマゾンのマーケットプレイスで買えたんだけど、こういうのを手に取って、中身を確認して買えないのはすごく不満だし、いい本なだけにとてももったない。
エコだの環境問題だの、いろいろ言われるわりに、目先のことばかりに振り回されてる感の強い昨今なだけに、こういう先人のことをキチンと知っておきたいもんです。
加藤 則芳 著 (小学館ライブラリー) ★★★★☆
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「国立公園の父」として知られ、憧れのジョン・ミューア・トレイルの由来にもなったジョン・ミューアの足跡と功績を綴った一冊。ナチュラリストであり、ネイチャー・ライターであり、アクティヴィストでもあった彼が、どういう経緯で、国立公園のヴィジョンを持ち、実現したのかがよくわかる。最近、いろんなところで目にしていた名前なので、とても気になってたけど、なかなか書店の店頭では目にする機会が少ない。結局、アマゾンのマーケットプレイスで買えたんだけど、こういうのを手に取って、中身を確認して買えないのはすごく不満だし、いい本なだけにとてももったない。
エコだの環境問題だの、いろいろ言われるわりに、目先のことばかりに振り回されてる感の強い昨今なだけに、こういう先人のことをキチンと知っておきたいもんです。
2008/03/25
More than an icon.
. :太田 昌国 著(現代企画室) ★★★☆☆
ゲバラ関連の著作や監修作で知られる著者が、「英雄」というアイコンで単一のイメージの中に括られがちなゲバラ像を問い直す一冊。
こういう試みは、特に若死にしてしまったヒーローの価値をキチンと理解する上で避けられない(必要不可欠な)もので、そういう意味ではけっこう期待していたんだけど、読後の感想としては満足度と物足りなさが半々という印象。
満足したのは、ゲリラと(革命後の)軍事の在り方についての言及が思いのほか面白いこと。(ちょっと理想主義的過ぎな感じはあるにせよ)とても合点がいくし、すっかり忘れられてる潜在的な矛盾をダイレクトに指摘してて、ちょっとハッとさせられた。「戦争がない状態」という言葉でしか「平和」を定義できない現代では、当たり前のように無視されてる、とても大事なハナシ。
物足りなかった部分は、ヴォリューム。全 171 ページなんだけど、少なくとも倍、できれば 3 倍くらいのヴォリュームであって然るべきだし、そのほうが(適度に脱線を加えながら)読み応えのあるものになった気がする。着眼が面白いだけに残念。
2008/01/10
Clad in the sky, with the earth for a pillow.
『惑星の未来を想像する者たちへ』
ゲーリー・スナイダー 著 山里 勝己・赤嶺 玲子・田中 泰賢 訳
(山と溪谷社) ★★★★★ Link(s): Amazon.co.jp
ニール・キャサディがジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』(『路上』)で実質的な主人公格のキャラクター、ディーンのモデルとなったように、同じケルアックの『ザ・ダルマ・バムズ』でジャフィーのモデルとなったことで知られるゲーリー・スナイダー。若い頃にビート・ジェネレーションの流れの中でビートニクスのひとりとして出会ってたけど、ケルアックやアレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズといった主要人物に比べるといまひとつ印象が薄くて、当時はあまり気にならない存在だったけど、今に(この年齢に)なってみると他の誰よりも気になる存在になってる。ちょっと不思議でもあり、とても幸せな再会。
ケルアック、ギンズバーグ、バロウズら、多くのビートニクスが激しく、早急に人生を駆け抜けた印象なのに対して(若いうちはそういう生き方のほうがグッとくる)、スナイダーは静かに、でも力強く、一貫した姿勢を貫く創作活動とライフスタイル。自分が年齢を重ねてみると、こういう生き方のほうがインスピレーションを受けるし、いわゆるビートニクスが 50 〜 60 年代のアメリカを反映したカルチャー、過去のある時点を映し出したカルチャーだった(つまり追体験しかできなかった)のに対して、ビートニクス〜ヒッピー的な流れを汲んだネイチャー・ライティングとかディープ・エコロジーとかって言葉で語られるスナイダーの活動は追体験から始まりつつも今現在にキチンとつながってて、今の生活の中でもメチャメチャリアルに感じられる。
ゲーリー・スナイダー 著 山里 勝己・赤嶺 玲子・田中 泰賢 訳
(山と溪谷社) ★★★★★ Link(s): Amazon.co.jp
ニール・キャサディがジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』(『路上』)で実質的な主人公格のキャラクター、ディーンのモデルとなったように、同じケルアックの『ザ・ダルマ・バムズ』でジャフィーのモデルとなったことで知られるゲーリー・スナイダー。若い頃にビート・ジェネレーションの流れの中でビートニクスのひとりとして出会ってたけど、ケルアックやアレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズといった主要人物に比べるといまひとつ印象が薄くて、当時はあまり気にならない存在だったけど、今に(この年齢に)なってみると他の誰よりも気になる存在になってる。ちょっと不思議でもあり、とても幸せな再会。ケルアック、ギンズバーグ、バロウズら、多くのビートニクスが激しく、早急に人生を駆け抜けた印象なのに対して(若いうちはそういう生き方のほうがグッとくる)、スナイダーは静かに、でも力強く、一貫した姿勢を貫く創作活動とライフスタイル。自分が年齢を重ねてみると、こういう生き方のほうがインスピレーションを受けるし、いわゆるビートニクスが 50 〜 60 年代のアメリカを反映したカルチャー、過去のある時点を映し出したカルチャーだった(つまり追体験しかできなかった)のに対して、ビートニクス〜ヒッピー的な流れを汲んだネイチャー・ライティングとかディープ・エコロジーとかって言葉で語られるスナイダーの活動は追体験から始まりつつも今現在にキチンとつながってて、今の生活の中でもメチャメチャリアルに感じられる。
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