Showing posts with label Design. Show all posts
Showing posts with label Design. Show all posts

2015/01/10

Art of building. Art of playing.

『レゴはなぜ世界で愛され続けているのか』 ★★★★☆

 デビッド・C・ロバートソン / ビル・ブリーン 著 黒輪 篤嗣 訳(日本経済新聞出版社)

 Links: Amazon / Rakuten Books 


言わずと知れた世界的なおもちゃ / ブロック・ブランドのレゴ(LEGO / Link: website)に関する書籍で、2014年の春に出版されたモノ。原書は2013年に出版された "Brick by Brick: How LEGO Rewrote the Rules of Innovation and Conquered the Global Toy Industry"(Link: iTunes Store / Amazon / Rakuten Books)で、イノベーションや製品開発の研究を専門とするペンシルベニア大学の教授のデビッド・C・ロバートソン(David C. Robertson)とビジネス・メディアの『ファースト・カンパニー(First Company)』(Link: website)の創設メンバー / 編集主幹であるビル・ブリーン(Bill Breen)の共著。原書の「いかにレゴはイノベーションのルールを書き直し、世界の玩具産業を席巻したか」ってサブタイトルや著者2人の経歴だけでなく、訳書も「最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理」なんてサブタイトルで日本経済新聞社から出版されていることから予想できるように、基本的にはレゴというブロックの楽しさや素晴らしさ、その革新性や普遍性等ではなく、企業としてのレゴの経歴や製品開発といったビジネス面にフォーカスが当てられてる。

特に多くのページが割かれてるのは、存続すら危ぶまれるような危機的状況に陥ったレゴがどのように業績を回復したかという部分で、そのためにどんな策を採ったのか、何が成功して何が失敗したのか、その成功と失敗の原因は何だったのか等といった点を、'イノベーション' って言葉をキーワードにしつつ、レゴという企業(ブランド)固有の要素と業種を問わない普遍的な要素を整理しながら、さまざまなビジネスのヒントや教訓になるように一般化して述べられてる。まぁ、いかにもアメリカの学者やビジネス業界の人間が書いたビジネス書って言ってしまえばまさにその通りなんで、個人的にはそれほど好きなタイプの本ではなかったんだけど、レゴっていう研究対象自体が魅力的だし、思ってた以上に大きな紆余曲折があったし、単にユーザーとして見てただけでは気付かなかった点も多かったんで、思ったよりも楽しんで読めちゃった印象かな。あと、新しい書籍なんで、あまり意識的にはチェックしてなかった21世紀に入って以降の動きが整理・アップデートされてる点も魅力のひとつって言える。

2011/07/15

Shape with idea.

PP 洗濯用ハンガー・シャツ用・3 本組 (無印良品) ★★★ Link(s): muji.net

無印良品に関しては、これまでにも「ステンレスクリップ(ペンホルダー付)」と「スープに入れるお餅」をレヴューしたけど、この「PP 洗濯用ハンガー・シャツ用」もその 2 アイテムと同様、すごく無印良品らしいナイス・アイテムで、別に新しい製品ではないと思うけど、ちょっと前から我が家では愛用してる。

右の写真を見てわかる通り、変なカタチのハンガー。素材は何の変哲もないポリプロピレンで、素材の質感を最大限に活かしたシンプルさは無印良品そのもの。

だからこそ、カタチ=デザインがキモになるんだけど、言ってみれば「PP 洗濯用ハンガー・シャツ用」ではなく、「T シャツ専用ハンガー」って感じかな。「T シャツ専用」ってのがポイントであり、そのための形状になってる、ってこと。

2010/04/19

Codes of life.

earth code』 Generation Times 編・著ダイヤモンド社)  
 Link(s): Amazon.co.jp 

何の予備知識もなく、書店の店頭でたまたま目にして手に取って、そのままの勢いで読み切っちゃった一冊。結論から言うと、かなりツボな一冊だった。まぁ、一言で印象を言っちゃうと「オトナの絵本」って感じかな。

まぁ、何に魅かれたって、まずはタイトル。'earth code' って語感が抜群。こういうのには、たぶん、人より敏感(過敏?)だと思うので、こういうのにはめっぽう弱い。まぁ、多分に主観的且つ感覚的な部分だからどこがどういいとかってハナシじゃないんだけど。文字通り、「語感」なので。次に装丁・デザイン。やっぱり、モノとしての魅力があるし、つい手が伸びる。最近(ここ 1 年くらいかな?)、なるべく本屋に行くようにしてる(っつうか、かなり無闇に行ってる気がする)んだけど、やっぱり、こういう出会いは現場でしか起こらない。通販でも起こらないし、イマイチ違和感のある「電子書籍」でも起こりにくいだろうことは容易に想像がつく。そして、すごく大事なことな気がする。だって、今、あらためてアマゾンセブンネットショッピング(スゲェネーミングだな、しかし)の製品ページを見てみたけど、全然魅かれないし(っていうか、アマゾンにメールでオススメされてたけど、魅かれてなかったし)。

2009/11/15

Boombox blues.

ラジカセのデザイン! JAPANESE OLD BOOMBOX DESIGN CATALOG

. :松崎 順一 著青幻舎

これは、もう、タイトル通りっつうか、ヤラれた感抜群っつうか、ヤバくないわけがない一冊。まぁ、いろんなラジカセの写真がたくさん載ってるだけの本なんだけど。でも、それで、十分すぎるほど成立してる。やっぱ、何とも言えない味わいっつうか、いい感じのオールドスクール感っつうか、なんか、妙にワクワクさせられるから不思議。

もちろん、ラジカセってのは「ラジオ+カセット(テープ)」なわけで(言うまでもなく和製英語。英語では 'boombox')、今じゃどっちもすっかり身近じゃなくなってるけど
もちろん、B-BOY 的にはカセットには思い入れがある、別にノスタルジアとかじゃなくて、全然別の次元で、ラジカセって、なんか魅かれる。何がそんなにツボなのかわかんないけど。デザイン的なことのような気もするし、いい感じのポータブル感(少なくとも、ステレオ・セットとかに比べて、ってこと。でも、決してハンディではない存在感というか)のような気もするし、メカメカしい感じなのような気もするし。まぁ、とにかく、懐かしさだけじゃない、もっと普遍的な(なんて言ったら大袈裟だけど)何かがあるような気がして。

まぁ、いろんなタイプのラジカセがこれでもかって載ってて、見てるだけで全然飽きない。オールドスクール・ヒップ・ホップ・フレイヴァー漂うデカイヤツはもちろん、初期のデザインもカッコイイし、ソニーのスポーツ・シリーズとか、マイ・ファースト・ソニーとかも、今、見ても全然アリな感じだし。この頃はまだ頑張ってたっつうか、ソニーがソニーだったなぁ、なんてちょっと切なくなったりもして。思えば、こんなにメカメカしいメカって、触らなくなって久しいし。ガチャ、って感じの再生ボタンとか。ガンダムを彷彿とさせる V 字型の 2 本アンテナとか、メチャメチャカッコイイし。なんか、使えるんだか使えないんだかわからん機能とのハイブリッドなヤツとかも、バカっぽくて、でも、妙にカッコよくて、ヤバすぎるし。

まぁ、バカバカしいって言っちゃえば相当バカバカしい本ではあるんだけど、で
も、なんか、こうやっていろんなデザインを並べられると、最近忘れちゃいがちな、ちょっと大事なことが隠されてる気もしてて。発想が自由で、ラフで、質実剛健で、豪快な感じは、ちょっと見習いたい。


L. L. COOL J "I Can't Live Without My Radio" (From "Radio")









2009/10/13

Designs of hope.

"Design For Obama"
 Edited by AARON PERRY-ZUCKER / SPIKE LEE (Taschen) 

タイトル通り、第 44 代アメリカ大統領バラク・フセイン・オバマモチーフにしたグラフィック・デザイン / ポスターを集めた洋書。発行元はアート / デザイン系ではお馴染みのタッシェンなんで、それだけでもそれなりに信頼できるだけど、まぁ、それを抜きにしてもなかなか見応えのある内容になってる。

編者に映画監督のスパイク・リーの名前があったりするんだけど、それは
スパイクの代表作『ドゥ・ザ・ライト・シング』のポスターをモチーフにした、その名も "Did The Right Thing" って作品があるからで、本の中に掲載されてるスパイクよるエッセイによると、インターネットでこれを見つけたスパイクは大喜びして、自ら作者に連絡を取って、そこからこの本の企画につながったんだとか。

2009/09/21

Light gears. Right ideas.

『BE-PAL 2009 年 10 月号 軽い旅道具』小学館 
 Link(s): Amazon.co.jp

別にそれほど好きってわけじゃないけど、なんか、わりとチェックしてることが(特に最近)多い『BE-PAL』の最新号は、前にハイカーズ・デポのエントリーでも触れた「ウルトラ・ライト」の特集。すごく気になってるテーマなんで、これはチェックしとかないとな、と。

内容的には、
「ウルトラ・ライト」って考え方がどういう背景から生まれたのかって部分から始まって(ハイカーズ・デポの店主の原稿)、やっぱりメインになるのはギア紹介で、最新のテクノロジーを駆使したギアから、時代を超えて愛されるクラシックまで、いろいろと紹介されてる。ハイカーズ・デポのエントリーでも触れた通り、「ウルトラ・ライト」は物理的な意味だけじゃなく、メンタルの面でもすごく興味深いなって思ってたんで、そういう意味で面白いんだけど、個人的にツボだったのは、それだけじゃなくて、いい感じに最新ギアと古くからある定番が混ざってるバランスみたいなのが、個人的にはすごく腑に落ちるというか、気持ちいいなぁって感じたところだったりして。


2009/09/10

Back in business.

Apple Special Event September 2009 / Keynote Address (Apple Inc.) ★
 
2009 年 9 月 9 日(日本時間 10 日未明)に行われたアップルのスペシャル・イベントでのキーノート・アドレス

今回のイベントは事前に告知されてたコンセプトが 'It's only rock and roll, but we like it' ってことで、iTunes と iPod を中心にした音楽メインのイベントで、最近、毎年この時期にこの手のイベントをやることになってるらしい(日本人にはイマイチピンと来ない「ホリディ・シーズン」向けの新製品を発表するのはこのタイミングだってことなんだろうけど)。今回も、オフィシャル・サイトからの QuickTime を使ったストリーミングと、iTunes 経由のポッドキャストとして配信されてる。

2009/08/26

Standing on the ground.

1/1 Scale Mobile Suite GUNDAM 
(GREEN TOKYO GUNDAM PROJECT)  Link(s): Official Website

昨日の DJ AKi くんのブログのエントリーを見て、そういえば、何度もいろんなエントリーで触れてるのに、それ自体は取り上げてなかったことを思い出したので、残りの日数は少ないけど、やっぱりキチンとレヴューしといたほうがいいかな、と。

今回、東京・お台場の都立潮風公園に降臨したのは、18m の等身大ガンダム。GREEN TOKYO ガンダムプロジェクトっていう、イマイチ意味不明な企画の一環で、東京オリンピック招致のロゴとかが入ってたりして、正直、ちょっとビミョーな感じがなきにしもあらずなんだけど、まぁ、ガンダム 30 周年の目玉のひとつだし、どんなお題目であっても、こんなもんをホントに作っちゃったことだけで、歴史的なマイルストーンであることは間違いない。

2009/07/21

Train train.

BRUTUS 2009/8/1 号 ニッポン鉄道の旅。

.
マガジンハウス)

別にメチャメチャ好きって感じではないつもりなんだけど、気が付けばわりと買ってることが多い雑誌のひとつが『BRUTUS』。雑誌には「波」みたいなモノがあって、その「波」の大きさとか方向とかがピッタリ合うこともあれば、微妙に合わなくなったり「凪いじゃう」ことがあったりするモノだと思うんだけど、最近はわりと個人的なツボにハマることが多いっていうか、けっこうコンスタントに面白い感じがしてたりする。

そんな
BRUTUS』の最新号の特集は「ニッポン鉄道の旅。」ってことで、新幹線からローカル列車まで、いろんな路線が取り上げられてるんだけど、なかなか興味深い内容で、思いの外、楽しめた。まぁ、世の中は明らかにポスト・モータリゼーションの時代になってるわけで、そういう流れもあってか、わりと見直されてる感がある鉄道だけど(もちろん、だから特集してるんだろうけど)、個人的にもまんまとその流れに乗ってるというか、すごく興味があって面白いなって思ってたりするもんで。

個人的には、国内線の飛行機って、なんか荷物として運ばれてる感じがして好きじゃなくて、断然鉄道派(同じ理由で船もいいなと思ってる)。新幹線みたいに現代的な移動手段として洗練されてる面もありつつ、同時に、なんか、バカっぽくてチャーミングな面も同時に持ってて、すごくいいな、と。そうは言っても、全然詳しいわけじゃないんだけど。「好き」なんても言うのもおこがましいくらい。ホンモノの人たちに対して。鉄道オタクっていうのは、オタクの中でもかなり王道でオールド・スクールなジャンルだと思うけど、個人的には、アイドルとかゲームとか、他のオールド・スクールなジャンルの人とは比べ物にならないほどリスペクトの念を抱いてたりする。だって、彼らはメチャメチャ勉強熱心且つ博識で、計画力も行動力あるし、努力とか労を厭わないし。カルチャーとかルックスとかは確かにビミョーな側面もあるけど、でも、やっぱ、ちょっと、リスペクトの念は抱かざるを得ないな、と。

まぁ、最近の流れとしては、そういうオールド・スクール鉄道オタクにも一定のリスペクトの念を抱きつつも、新しい面にも目を向けてって感じで、わりといい感じに思える。
今回の『BRUTUS』基本的にはそういう流れを踏襲しつつ、でもBRUTUS』らしく上手い感じでまとまってる。

個人的には、写真がすごくいいのが
すごく印象的で、表紙ももちろんだけど、鉄道写真家の写真を集めたページが秀逸(まぁ、「撮り鉄」なんてサブ・ジャンルがあるくらいだから、当然って言えば当然なのかもしれないけど)。他にも、「ニッポンの名駅弁 47」とか、北斗星乗車紀行とか、なかなか面白くて。あと、ブルートレインのヘッドマークのステッカーが付いてて個人的には嬉しかったんだけど、あらためてヘッドマークを見てみると、デザインとしてもすごく面白いなって再確認したり。あと、写真がいいからかもしれないけど、誌面のデザインがいつも以上にいい感じがした。スッキリとシンプルで、でも、なんか、すごくカッコよくて。個人的にはけっこうツボだったりした。ただ、「ニッポン鉄道の旅。」ってタイトルはちょっと違和感を感じるけど。字の並びというか、「ニッポン」と「鉄道」の部分の並びというか、つながりに。「ニッポン、鉄道の旅。」のほうがいいんじゃね? とか。もしくは「ニッポン 鉄道の旅」か。まぁ、細かいことだけど、職業柄、ちょっと気になる。

まぁ、「
わりと見直されてる感のある」と言いつつも、実際には、同時に古いモノがドンドンと失われてて(廃線とかってこと)寂しい面もあったりするし、それ以上に大きな問題として、この国の為政者や財界はポスト・モータリゼーションの流れをまるで感じてない気がするけど(もしくは感じてるから抗ってるのか?)。愛知在住のマリノス・サポーター仲間によると、例の愚策施行の前と後で、愛知〜新横浜間の週末の車での移動の所要時間は 3 倍くらいになってるんだとか。意味不明なエコ・カー減税とかも含めて、どうもこの国は未だにモータリゼーション時代の思想にしがみついてるらしい。

そういうことへのカウンターって意味も含めて、鉄道を見直す動きはすごく面白いと思うし、わりと大事なことが含まれてるなって思ったりもする。なんかバカっぽくていいし。そんなわけで、鉄道モノの内容を取り上げることが多い『旅の手帖』とか『男の隠れ家』とか『一個人』とかまでついつい立ち読みしちゃいがちなんだけど、
BRUTUS』は中身もデザインも一味違っててさすがだなって思ったり。BRUTUS』はちょっと前に山の特集もやってたけど、こういう動きって、ちょっとトレッキングにも似てる感じがするし。今度はぜひ、船旅もやって欲しいもんだ。鉄道とともに、なんか、すごくいい気がしてるので。船旅って。日本は島国なんだし。

まぁ、「電車」についても、別の意味で大きな見直しが必要だと思うけど。あの混み具合とか、どう考えてもマトモじゃないし。違憲状態だと思うくらい。「最低限の文化的生活」じゃないから、あんなの。なんで、みんな、あんなのに乗ってるんだろう? ボイコットしたり、暴動を起こしたり、訴えたりとかしたほうがいい。それにしても、「鉄道」と「電車」って、受ける印象がかなり違ってて、不思議。もちろん、定義自体も違うんだけど、それ以上に、受ける印象というか、ニュアンスが違ってて。「鉄道」って言葉の持つ何とも言えない趣きっていうか、味わい深さが、なんか、すごくいいな、と。


BEN HARPER & THE INNOCENT CRIMINALS
"Fool For A Lonesome Train" (From "Lifeline")











2009/07/18

One month later.

iPhone OS 3.0 Software

(Apple Inc.
)

6 月 18 日にリリースされた iPhone 用の OS のヴァージョン 3.0。リリース日にインストールしてちょうど 1 ヶ月使ってみたことになるので、レヴューしてみようかな、と。

まぁ、正直なところ、純粋に「レヴュー」として考えると、実はあまり意味がない気もするんだけど。っていうのは、「レヴュー」って、興味を持ってる人が購入するかどうかを決める上で参考になることとか、知らなかった人の興味を喚起することが主なファンクションだと思うけど、iPhone を持ってて(使ってて)未だに OS 3.0 にアップデートしてない人がいるとは思えないし、iPhone を持ってない人が OS のハナシにそれほど興味を持つことも考えにくいし。でも、まぁ、このブログはレヴューであると同時に、個人的に備忘も兼ねてるんで、まぁ、いいかな、と。

今回のアップデートは 3 月 19 日の
スニーク・ピーク・イベントで発表されたもので、実際の内容はアップルのサイトにまとめられてる通り。まぁ、それぞれひとつひとつ触れても意味がないんで、個人的に引っかかったポイントを。

・MMS:
個人的に一番恩恵を享受してる(そう。「カット & コピー & ペースト」より!)機能。MMS ってのは 'multimedia messaging service' の略で、これまで搭載されてた SMS(short messaging service)の機能拡張版的なモノ。SMS がテキストなのに対して、MMS は名前の通り画像 / ムービー / オーディオ・ファイルやURL、コンタクト等も送れる、と。

SMS / MMS 自体、海外ではけっこう前からわりと使われてるけど、日本ではイマイチな地味が薄いのか、ちょっと説明しても理解してもらえながちだったりするけど(別に iPhone じゃなくても使える機種はあるんだけど)、使用感的には iChat(もちろん、他のチャットでもいいんだけど、使ったことがないんで)と同じようなモノ。それが出先でできるだけなんだけど、これがなかなか便利で。まぁ、位置付け的には「電話 < SMS / MMS < メール」みたいな感じかな。電話ほどダイレクトじゃないけど、メールより手軽でダイレクト。例えば、待ち合わせに遅れるときとかに「ゴメン。遅れてる」とか「今、どこ?」みたいな感じで使いがちなんだけど、待ち合わせに遅れてるってことは移動中なわけで(自分にしても相手にしても)、電話は出にくいことのほうが多い(電車にしても車にしてもチャリにしても)から、すごくちょうどよかったりする。 MMS になったことで、写真とか URL をコピペして(そう、コピペして!)送れるようになった、と。

それはそれで便利なんだけど、個人的にはロケーション・データが送れるようになったことが大きかったりする。つまり、デフォルトで搭載されてる「マップ」アプリケーション(=Google Maps)のデータ(現在位置の情報も含む)を送れる、と。これは、実は、個人的にずっと欲しいと思ってた機能(もしくは、作ったほうがいいんじゃないかと思ってたアプリケーション)だったので。そのアプリケーションは仮の名前で「I'm here.」って呼んでたんだけど、ようするに自分の現在位置をパッと人に教えられるアプリケーション。

自分はわりと大丈夫なんだけど、世の中には地図を読むことと自分の現在位置を言葉で人に説明することが苦手な人ってのがいるわけで(別に非難してるわけじゃない。単に得手・不得手のハナシだと思うので)、そういう人と待ち合わせるときに便利だな、と。つまり、例えば新宿で待ち合わせたときに、電話で「新宿に着いた? 今、オレは●●にいるんだけど、来れる?」「●●ってどこ?」「じゃあ、いいや。そっちに行くよ。今、どこにいるの?」「えっと…、ここは…、△▲△▲…」「全然わかんないんだけど…」みたいなことって案外あるから。そういうときに簡単に現在位置のデータを送れて、受け取った相手に SMS くらいな感じでダイレクトに伝えられるといいな、と。

まぁ、同じようなことを思いついてる人はもちろん世界中にいたらしく、機能的にはこういうことができるアプリケーションはあったんだけど。でも、「機能的には」で。これのポイントは SMS くらいダイレクトに情報が送れる / 届くことだと思うんだけど、それまでにあったアプリケーションはメールで送るとか、ちょっと操作的に煩わしくて。でも、今回搭載された MMS なら「マップ」アプリケーションからダイレクトに送れるんで、問題は見事に解決された、と。まぁ、現在地の検出とか、もうちょっと速いといいけどね。
・「カット & コピー & ペースト」:
たぶん、巷では「待望の」新機能だと思われる「カット & コピー & ペースト」だけど、個人的には、それほど大騒ぎする感じじゃなかったりして。ないときもそれほど困ってなかったし、付いてからもそれほど使ってるわけじゃなかったりして。まぁ、もちろん、まったく使わないってわけじゃないから付いてよかったことは確かなんだけど。

ただ、「カット & コピー & ペースト」のさせ方は素晴らしい。すごく考えられてるし、使いやすいし。すごくアップルらしくていいな、と。たぶん、カット & コピー & ペーストなんて、技術的には全然難しくはなかったんだけど、あえて最初に搭載しなかったのは「iPhone らしいカット & コピー & ペースト」じゃなきゃイヤだったからだと思うし。煩雑な操作をユーザーに強いれば技術的には可能でも、「iPhone らしいステキなカット & コピー & ペースト」じゃない、中途半端な機能なら要らん、と。こういう割り切りって案外難しいし、すごくアップルらしいし。実は、未だに未搭載の FLASH に関しても同じようなことなんじゃないかと推測してるんだけど。
・ランドスケープ・モード:
サイトには「横向きキーボード」って書いてあるけど、実際には、別にキーボードだけじゃなくて、多くのアプリケーションで、横に向けると画面が横向きになる「ランドスケープ・モード」が搭載された、と。iPhone 3G 自体のレヴューでも書いたように、iPhone の大きな特徴のひとつが「優れたビューワであること」だと思うので、その強味をより活かすって意味では、すごく自然だし、すごくナイスな機能追加って言える。
・「iPhone を探す」「リモートワイプ」:
まぁ、幸運にもまだお世話にはなってないけど、MobileMe ユーザー限定の機能で追加されたのが「iPhone を探す」と「リモートワイプ」。まぁ、これはすごく真っ当で、でもけっこう大事な機能かな、と。

「iPhone を探す」はその名の通り、iPhone を紛失したときに助かる機能で、MobileMe のサイトにブラウザからログインすると、ウェブ上の地図に自分の iPhone がある場所が表示されて、さらに自分の iPhone の音を鳴らしたり、メッセージを表示したりできる機能。前者は自宅でなくしたときとかにも使えて、後者は拾ってくれた人向けのメッセージを表示できる、と。地図は「おおまかな」って感じだけど、それだけでも自分が行った場所、なくした可能性がある場所を特定できるんで、十分便利。

「リモートワイプ」は、同じく MobileMe のサイトにブラウザからログインして、iPhone のデータをすべて消去できる機能。「リモートワイプ」のキモは、データを消せるだけじゃなくて、端末を見つめ(取り戻し)たり、買い替えたりしても iTunes で一回同期すればバックアップ・ファイルから簡単に復元できること。

どちらも、今まで(というか通常のケータイ)ならすごく煩わしい作業を強いられるところを、すごく簡単に、自分で、いつでも(夜中でも!)できちゃうってことのメリットはすごく大きい。もちろん、アップル(及びソフトバンク)的にも面倒な作業が減って楽になるって側面はあるだろうけど、ユーザーにとっても大きなメリットなんで、そういう楽はドンドンして頂けばいいんじゃないかな、と。
ここまでは、特に良くなった点を挙げてみたんだけど、もちろん、良くない点というか、ビミョーな点とか手が付けられてない点もある。

・メモのシンク:
あんまり気にしてた人はいないっぽいんだけど、これまでは iPhone 上の「メモ」のデータが同期されなくてすごく不満だった。だって、iPhone の「メモ」を見ながらパソコンで打ち直してるとか、メチャメチャナンセンスだから。実は、それが不満で「メモ」はまったく使ってなかったくらい。代わりに使ってたのが、「メール」の下書きフォルダにメモ用のメールを一通用意しといて、そこをメモ代わりに使うって方法。これは MobileMe のメールじゃないとできないのかもしれないけど、クラウド経由で常に同期してくれるんで、すごく便利。例えば、探してる本とか CD のリストとか、入力・編集するのはパソコンで、確認するのは iPhone みたいな使い方。Google Doc とか使ってもいいんだけど、圏外でも大丈夫だし、動作の速さを考えてもローカルにデータがある「メール」のほうがベターかな、と。

今回のアップデートで「メモ」のデータが同期されるようにはなったんだけど、これがまた、イマイチな出来映えで。だって、同期が iTunes 経由のみだから。人によって使い方はそれぞれなんだろうけど、個人的には、めったに iPhone をパソコンに接続してなかったりするんで。MacBook Pro ユーザーだからってこともあるのかもしれないけど、限られた USB ポートを常に iPhone のために使うってあまり便利じゃなくて(Time Machine 用も含めて外付け HD を複数つながなきゃならないことがすごく多いんで)。実際、オーディ / ビデオのデータ以外のデータで USB を使って有線で移動させなきゃならないようなデータってないと思うし、それほど重くないデータを同期させるのに iTunes / USB 経由が必須ってのはちょっとナンセンスかな、と。

そんなわけで、メモはいまだに「メール」を使ってたりするんで、「メモ」の同期に関してはちょっと不満かな、と。ちなみに、同期された「メモ」は「メール」内に「備忘録」の中に保存されてるんだけど、これもわかりにくいし。
・日本語入力操作の取り消し:
これまた気にしてる人はほとんどいないっぽいし、サイトとかでも触れられてないっぽいけど、個人的にちょっと引っかかってることで。それは、日本語の入力操作の取り消しの所作がこっそり変わってたこと。あ、これはフル・キーボードでのハナシ。テンキー型キーボード(っていうのか?)はまったく使ってないんで。例えば、「こんな」って入力するとき、「konnna」って打つわけだけど、間違えて「ki」って打っちゃうことがある(「o」と「i」は隣りなんで。特に片手で操作してるときとか)。当然、「き」って表示されちゃうんで変換前に「戻る」で戻ってやり直すんだけど、前のヴァージョンのときは一回「戻る」と「k」って状態に戻った(「i」だけ消去した)んだけど、新しいヴァージョンでは「き」ごと消しちゃう。まぁ、マックと同じなんだけど。でも、前のヴァージョンの所作が個人的には便利だと思ってて、けっこう気に入ってたんで、ちょっと残念かな、と。まぁ、もう馴れたし、たいしたことじゃないけど。
・インターネット・テザリング:
まぁ、不満点って言えば最大の不満点はインターネット・テザリングの未対応に尽きるかな、と。これはアップルじゃなくてソフトバンクの問題だけど。いろいろ言われがちだけど、個人的にはソフトバンクにはそれほどイヤな印象は抱いてなかったんだけど、こればっかりはただただガッカリ。OS 3.0 の目玉機能のひとつだと思うし、未対応な理由とか、今後の展望とかも公表されてないっぽいし。どーにかしろよ、と。

ちなみに、「Wi-Fi へ自動ログイン」も未対応らしいけど、これはよくわからん。
Wi-Fi は基本的には常にオフにしちゃってるから。Wi-Fiじゃなきゃできなくて、頻繁にやることなんてほとんどないし。
まぁ、個人的にはこんなところかなぁ(また、思いついたり思い出したりしたら追加するかもしれないけど)。「Spotlight 検索」とか、今のところ実際にはほとんど使ってないし、「ボイスメモ」もそれほど使う機会がないし、マイクロソフトの Exchange も使ってないし、「YouTube へログイン」も、YouTube 自体を iPhone で観ることがあまりないからそれほど恩恵を享受してないし。「シェイクでシャッフル」とかシェイクでアンドゥとかも使ってないなぁ。面白いからいいけど。まぁ、もちろん、あること自体はいいことなんだけど、レヴューできるほど使ってはいないな、と。あと、Google Maps のログ・インの問題(マイ・マップを使いたい)とか、どうにかして欲しいけど。

まぁ、内容は スニーク・ピーク・イベントWWDC でのキーノート・アドレスとダブってはいるんだけど、そこで観てた(聞いてた)内容を実際に使ってみて、感じたのは以上のような印象。いい点に関しては概ね観てた(聞いてた)通りって感じかな(細かい部分は多少あるけど)。こう書くと、あんまり満足してないっぽく感じるかもしれないけど、期待してた通りってことなわけで、これってスゴイことだと思う。あと、ここが iPhone の最大のストロング・ポイントであり、魅力だと思うけど、ソフトウェアがアップデートされて機能が追加されたり改善されたりすること自体、素晴らしいことだから。これは、つい忘れられがちだけど、すごく大事なポイント。これだけでも、もう、今さらケータイになんて戻れない。

あとは、 スニーク・ピーク・イベントのレヴューWWDC でのキーノート・アドレスのレヴューで書いてたような、OS 3.0 の SDK の特性(例えば、Bluetooth とかプッシュとか)を活かしたアプリケーションとかアクセサリーとかがもっと出てくれば、この OS 3.0 の本領がもっと発揮されるかな。そういう意味では、1 ヶ月くらいじゃ、まだまだポテンシャルが活かされ切ってはないってことなのかもしれない。

ちなみに、★ はホントは 4 つでいいんだけど 3 つなのはインターネット・テザリングの未対応だから。しつこいようだけど、これだけはどーにかして欲しい。ホントに。

2009/07/11

Smart, tough and natural.

smartwool PhD Ultra Light Outdoor Mini [Charcoal / Avocado] (smartwool) 

だいぶ前にパタゴニアのウール・ベースレイヤーのレビューでも書いたけど、最近のアウトドアの世界の大きな動き(のように思える)のがウール。特にアンダーウェア / ベース・レイヤーの、「肌着としてのウール」がすごく発達してて、すごくホットな素材になってるっぽい気がしてる。

ウールっていえば、一昔前までは肌着に不向きな素材の代表格だった。肌触りがチクチクするし、手入れが面倒だし、丈夫さがイマイチだし(特に肌触りがいいモノほどデリケートだった)。そんな印象が最近、大きく覆されてて、次々とウール製の新しい製品が出てきてるんだけど、そんな製品の代表格とも言えるスマートウールのソックス、PhD ウルトラ・ライト・アウトドア・ミニを購入したんで、早速、奥多摩でのトレッキングで試してみた。

2009/06/15

Not only 'speed' but also 'something special'.

Apple WWDC 2009 Keynote Address (Apple Inc.) 

2009 年 6 月 8 日(日本時間では 6 月 9 日の未明)にサン・フランシスコで行われた WWDC 2009 でのキーノート・アドレス。今回のテーマは 'One year later, light-years ahead.' だとか。これまでにもアップルのキーノート・アドレスはエントリーしてるけど、今回もいつものようにオフィシャル・サイトでのストリーミング配信iTunes で Apple Keynotes を登録しておくとポッドキャストで配信されるカタチで公開されてる。ちょっと時間が経っちゃったけど、やっぱり触れといたほうがいいと思うので。

既にオフィシャル・サイトでも発表されてるように、3 代目の iPhone、'S' が付いた「シャア専用」こと iPhone 3G S が発表されて、すっかりそのインパクトで他の発表のことを忘れちゃいがちなんだけど、実は他にも、MacBook ProSafari 4OS X Snow LeopardiPhone OS 3.0 等、無視できない発表は相次いだ。そうは言っても、内容は既に報じられてるし、実際に触ったわけでもないので、発表内容には気になる部分だけある程度は触れつつも、ここではいつも通り、
キーノート・アドレスを「ライヴ」のようなエンターテインメントとしてレビューを。

2009/04/09

Vida brasileira.

ブラジルのかわいいデザインたち』植嶋 秀文・井岡 美保 著
(ピエ・ブックス)  Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

個人的な嗜好と照らし合わせるとちょっと可愛らしすぎるんだけど、まぁ、ブラジルのデザインにヤラれちゃってる身としてはやっぱり無視できないな、と。ちょっと訳あって、デザインのインスピレーションというか、アイデアを探してたんで。発売は 2008 年。

これはピエ・ブックス
(たぶん)人気の高いシリーズモノのブラジル版で、人気が高そうなのは北欧版(Links: Amzn / Rktn)とか南欧版(スペイン・ポルトガル)(Links: Amzn / Rktnとかとかハワイ版(Links: Amzn / Rktnとかなのかな。個人的にはメキシコ版(Links: Amzn / Rktnにはちょっと興味があるけど。でも、まぁ、全体にラヴリィ過ぎな感は否めないけど。日本人が好きそうなツボをシッカリ抑えてる感じ。

2009/04/08

3 decades of futuristic vision.

機動戦士ガンダム DVD-BOX 1』『機動戦士ガンダム DVD-BOX 2 
 富野 由悠季 監督 (バンダイビジュアル) 

1979 年 4 月 7 日、『機動戦士ガンダム』の第 1 話「ガンダム大地に立つ!」が放映された。つまり、昨日でちょうど 30 周年を迎えたということ。

サンライズには 30 周年記念サイトがあったり、夏にはお台場に等身大のガンダムが降臨予定だったり、いろいろなイベントが予定されてるわけだけど、やっぱり、30 周年っていうのはひとつの節目だし、いろいろ感慨深かったりもするんで、あらためてレビューをするなんておこがましいけど、まぁ、触れないわけにもいかないだろう、と。映画版もいいけど、「ガンダム大地に立つ!」から 30 年ってことなんで、当然、対象アイテムは TV シリーズで。

2009/03/30

Too fool to fuel.

Patagonia Men's 'Fuelishness' T-shirt (Patagonia) 

とてもメッセージ色の強い作品でパタゴニアの新作 T シャツは、ザ・ヘッズ・オブ・ステートのデザイン。パタゴニアの T シャツはちょこちょことメッセージ色の強いアーティスト作品を使うんだけど、これはとてもシンプルで、パワフルでいいな、と一目惚れして思わず購入。あえて文字ナシなのもいい。

消費者と企業を結びつけて共に地球温暖化打開に向けて取り組むためのコラボレーションを行うクライメット・カウンツに関する情報入りで、素材はもちろん 100% オーガニック・コットン

パタゴニアのサイトの商品説明ページの「最適な用途」って欄には、「体制に疑問を抱くとき」「友人宅のソファで寝るとき」「スラックライン」「デモ行進」「パン・アメリカン・ハイウェイをドライブするとき」なんて書いてありやがる。「体制に疑問を抱くとき」って! なんて思わず突っ込みたくなるけど、パタゴニアってわりとマイルドそうな印象なわりに言ってることはラディカルで、すごくいいな、と思ってるんだけど、これはその典型例のひとつかな、と。

2009/03/19

Well, shake it up, baby, now (shake it up, baby).

iPhone OS 3.0 Software Sneak Peak (Apple Inc.) 

2009 年 3 月 19 日にアップル・キャンパスで開催された iPhone ソフトウェアのメジャー・アップデートに関するスニーク・ピーク・イベント。全然チェックし忘れてたんだけど、フツーに iTunes にポッドキャストとしてダウンロードされてた。いい時代だ。これは主にデヴェロッパー向けの発表で、合わせて SDK のアップデートも発表された。内容としては、すでにエンガジェットとか各種ニュース系サイトとかで紹介されてるからいちいち細かくは触れないけど、これまでもたびたび取り上げてるようにアップルのキーノート・アドレス(今回はキーノート・アドレスってことにはなってないっぽいけど)は、それ自体、ライヴ・エンターテインメントだと思ってるんで、あくまでもライヴとしてレビューを。

2009/02/17

Light is beautiful.


(Hiker's Depot) ★☆

2008 年に三鷹にオープンしたアウトドア・ショップで、オープン当初から興味があったショップ。なかなかチャンスがなくて、行けてなかったんだけど、ちょっと吉祥寺に用事があったので足を伸ばしてみた。

「アウトドア・ショップ」って書いたけど、これは正確ではなくて、「ライトウェイト・アウトドア・グッズ・ショップ」ってのが正しくて、ライトウェイト・ハイキングに特化してるのが特徴。オーナーは元アウトドア・ショップ勤務で自ら「ウルトラライト・ハイカー」なんて自称してる土屋智哉氏で、アウトドア系のメディアなんかでもよくライトウェイト・ハイキングを勧めてるのを見かける(例えば、こんな記事とか)。こういう風に、どんな人がどんな考え方でやってるのかがわかるのも、すごく現代的っていうか、これからますます重要な要素になりそうな気がする。ウェブサイトもスッキリしてるし(けっこうヒドイのが多いからね、この世界は)、いろんな自作っぽいアルコール・バーナーが展示してあったり、なかなか魅力的。

ライトウェイト・ハイキングってのは、レイ・ジャーディンが 1999 年に "Beyond Backpacking: Ray Jardine's Guide to Lightweight Hiking" で唱えたって言われてるハイキング・スタイルで、その名の通り、とにかく軽さを追求してるのが特徴で、格闘技で例えると、これまでのハイキング / トレッキング・スタイルがミドル級だったのに対して、新たにライト級って階級ができたような感じ。もちろん、自分で必要な装備を常に背負っていくことが前提なわけで、重いより軽いほうがいいのは当たり前。「少しでも軽く」って努力はこれまでも常に行われてたんだけど、その傾向は確かに最近、すごく顕著なように感じる('GoLite' なんて名前のブランドまであるし)し、単に「より軽く」っていう物理的な要素だけじゃない部分もあったりするんで、そういう意味ではタイムリーというか、いい傾向を象徴するショップだって言えるのかも。

ハイキングと呼ぶかトレッキングと呼ぶかバックパッキングと呼ぶかはともかくとして、アウトドアの世界って基本的にはすごくハイテクな世界で、それこそコンピュータとか携帯機器とかと同じくらい、ものすごいスピードで進化してる。その中で、モノだけじゃなくて、その背景にある考え方なんかもどんどん変化してて、今までの常識が常識じゃなくなっちゃったり(例えば、古くはフロッピーとか、最近だと MO とか DVD-R とか、もうすっかりなくなっちゃったみたいな感じ)とか、トレンドがあったり再評価があったりする(最近だと、個人的にはウールとソックスと脱ガス・バーナーがツボ)ところが面白いんだけど、このライトウェイト / ウルトラライトの傾向も、「物理的により軽く」ってことだけじゃなく、同時に「メンタルもより軽く」みたいな部分も含んでて、そこがすごく面白いというか、シンパシーを感じるところだったりもする。

どういうことかっていうと、これまで、いわゆる「日本の山の世界」で主流だった(支配的だったって言ってもいいかも)のは、昔ながらの登山部・ワンダーフォーゲル部的な「頑なにピークを目指す(征する)」みたいな世界の考え方だと思うんだけど、そうではなくて、ピークを征服することにこだわらずに、より軽快に、より自由に、シンプルでプリミティヴなカタチで、なおかつロー・インパクトな自然の楽しみ方もある、っていうこと。こういう部分って、すごくシックリくるっていうか、かなりツボなんで、そういう意味でも興味深い。

店自体は、それほど大きいわけじゃないから、品揃えがメチャメチャいいとかってわけじゃないけど、セレクトにはこだわりが感じられる。あと、ギアだけじゃなくて、ナチュラルな乾燥食材(特に和モノ)に力を入れてるところも面白い。あと、あえて三鷹っていうのもいいな、と。井の頭公園からも遠くないし、サイトにも「奥多摩、奥秩父、八ヶ岳、日本アルプス。中央線は街と山とを結ぶ線路です。そんな中央線にあるハイカーズ・デポをハイキングの前後にちょっと立ち寄る停車場(デポ)として気軽に利用してください」ってあるけど、こういう感覚、けっこう大事な気がする。

前にどっかで「ショップとストア」ってハナシを見たか読んだかしたんだけど、それを思い出したりした。英語の「ショップ」と「ストア」はどっちも日本語では「店」なんだけど、実は意味合いが違ってて、「ショップ」ってのは店の裏にちょっとした作業場的なスペースがある形態の店で、職種ごとに特別な呼び名があったりするような店(例えば、コンフェクショナリーとかフローリストとか)。一方の「ストア」は、店の裏にあるのは倉庫で、在庫が置いてあるだけのタイプ(例えば、ブックストアとか)。何が違うかっていうと、「ストア」は単に仕入れて売っているだけなのに対して、「ショップ」はその店ならではの付加価値を付けて売っててるので、「ストア」の場合は取扱品の数・種類・値段が勝負になるけど、「ショップ」の場合は必ずしもそれだけではなくて、実際に、シャッター商店街が問題になってる中でも頑張ってるのは「ショップ」なんだとか(「ストア」の場合は大型量販店には敵わないことが簡単に想像できる)。

アウトドア・ショップの世界も大型の「ストア」が多いし、やっぱりそういう店がメインになってるけど、ユーザーが「金に使い方」に自覚的になればなるほど、「ショップ」の価値がすごく大事になると思うし、このハイカーズ・デポもそういう「ショップ」のひとつとしてすごく興味があるし、応援したい気持ちにもなってくる。

2009/01/26

Being hungry. Being foolish. Being creative.

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡
 林 信行 著 アスキー)  

これまでにも『iPhone ショック』や『アップルとグーグル』を取り上げたことのある、マック系のライターの林氏が『MACPOWER』誌で連載していたモノをまとめた著作。B4 型(になるのかな? 長辺が 27cm で、A4 よりもちょっと小さい)っていう大型の版型で、写真を大きく扱ってるヴィジュアル・ブック的な装丁が特徴になってる。
これは、われわれがリベラル・アートとテクノロジーの接点に立つ企業で、それらふたつを、他の誰もマネできないくらいうまく融合できることを示している。


2009/01/20

Ginga style.

DJ NUTS "Embalo Jovem" (Mochilla)  Link(s): Mochilla website

"Keepintime" や "Brasilintime" にも参加してるブラジル人ヒップホップ DJ / ターンテーブリスト、DJ ナッツがモチーラ(Mochilla)から 2008 年にリリースしたミックス CD。さすがにモチーラだけあって、アートワークのカバー写真も超クール。

ナッツには、2004 年のミックス CD "Cultura Copia" でスッカリ心をわしづかみにされてたんでついつい期待も高まるんだけど、そんな期待を裏切らない出来映え。古いブラジルのソウル〜ファンク〜ジャズ〜サンバ〜ボサノヴァ等、ブラジリアン・レア・グルーヴとも呼ぶべきお宝音源を片っ端からミックス & スクラッチするスタイルで楽しませてくれる。個別のトラックについてはよくわからないけど、そういう小難しい理屈抜きに楽しむのが正解。それにしても、アメリカとも、イギリス / ヨーロッパとも、日本とか違うこの独特のグルーヴ感っていったい何なんだろう。やっぱり、ジンガなのか? なかなか奥が深い。ヒップホップってカルチャーは、世界中に拡散し、つながり、刺激し合いながら、それぞれの地で独自のカタチを生み出してるけど、これはそのブラジルの例。独自の、そして極上のモノにしちゃうのはサッカーだけじゃなかったらしい。

ちなみに、2005-2006 年に "Disco é cultura" ってミックスも 3 枚出してて、これもなかなか味わい深い。

2009/01/19

How to direct a dream team.

スティーブ・ジョブズの流儀』 リーアンダー・ケイニー 著 三木 俊哉 訳  
白夜書房)  Link(s): Amazon.co.jp / Rakuten Books

ウォズ(スティーヴ・ウォズニアック)の『アップルを創った怪物』のレビューの中で、「特に最近はピクサー〜 iPod / iPhone の成功もあって、時代の寵児として派手に表舞台で紹介されることの多いジョブズ」って書いたけど、まさにそんな内容の一冊で、原書は 2008 年に出版された "Inside Steve's Brain"。最近はスティーヴ・ジョブズ / アップル絡みの本はハズレも多いんだけど、本書の著者は "The Cult of Mac" などでも知られる wired.com のエディターで、10 年以上アップルを取材してきてるだけあって、さすがにそういったものとは一線を画してて、なかなか読み応えがあった。

自らの個性を事業哲学にまで高めた男がここにいる。

序章にこんな言葉がある。これが著者の抱くジョブズ像であり、本文でそれを具体的に説明していく。取り上げてる項目は、フォーカス・独裁・完全主義・エリー ト主義・情熱・発明欲・ケーススタディ・トータルコントロール。良くも悪くもジョブズにピッタリな、一般的な「ジョブズ像」みたいなモノとして挙げられがちなイメージだ。そのそれぞれについて、具体的な事象やジョブズ本人及び周辺の人物(スタッフや元スタッフ、ジャーナリスト等)の発言を用いながら説明し、一般に語られる「ジョブズ像」と一致する部分と間違ってる部分を指摘しつつ、ジョブズの仕事の仕方(日本語タイトルを使えば「流儀」ってことになるのか?)を描いてる。