Showing posts with label Folk. Show all posts
Showing posts with label Folk. Show all posts

2014/09/11

How many more miles must we march?

BEN HARPER "Welcome to the Cruel World" (Virgin)  ★★★★☆

ベン・ハーパー『ウェルカム・トゥ・ザ・クルーエル・ワールド』

Links: iTunesAmazon / Rakuten


この "Welcome to the Cruel World" はアメリカ人男性シンガー・ソングライター、ベン・ハーパー(Ben Harper)のファースト・アルバムで、リリースされたのは1994年なので今年で20周年ということになる。まぁ、実際のリリースは2月なので厳密にはもう約半年過ぎちゃってるわけで、別に20周年ってタイミングでどうこうというわけじゃないんだけど。ただ、もともと個人的にはすごく好きだったんだけど、最近、改めて聴き直したらすごくグッときちゃって、でも、ちゃんと読めるようなレビューとかを(少なくともインターネット上では)あまり見かけないんで、ちょっと整理しておこうかな、と。

なんでグッときちゃったかっていうと、単純に、2014年に聴いても作品が持つパワーが衰えてないから。だって、アルバム自体が「無慈悲な世界へようこそ」なんてアイロニカルなタイトルで、1992年に LA で起こった暴動(Link: Wikipedia)の発端(これだけが原因と断定できないけど、トリガーのひとつであったことは間違いない)になったロドニー・キング事件をモチーフに、マーティン・ルーサー・キング Jr.(Martin Luther King Jr.)を引き合いに出して「マーティンの夢はロドニーの最悪の悪夢になった」なんて歌う "Like A King" とか、同じくマーティン・ルーサー・キング Jr. の1962年のワシントン大行進を想起させる「世界を変えたいなら、未来を過去のようにしてはならない。教えてくれ。オレたちは何マイル行進しなきゃならないんだ」なんて歌詞の "How Many Miles Must We March" なんて曲が収録されてるんだけど、20年経った2014年になっても本質的には状況も問題も悲しくなるくらい変わってないから。こないだミズーリ州ファーガソンで起こったことなんかがすぐに思い浮かぶけど、別にアメリカに限った話じゃなくて、ヨーロッパも中東もアジアも(もちろん日本も)同じ問題を抱えてて、むしろ状況は悪化してると思うんで。海外でも日本でもいろんな案件でデモが頻発してて、デモって行為自体はもっともプリミティヴな市民の民主的意思表明としてどんどんやったほうがいいと思ってるけど、でも、やっぱり「あと何マイル行進すればいいんだよ?」って思っちゃうことがないとは言えないところもあったりするんで。

2011/05/02

Earth day. Earth music.

SOUL FLOWER ACOUSTIC PARTISAN Live at Earth Day Tokyo 2011 ★

4 月 24 日(日)に代々木公園の野外音楽堂で行われたアース・デイ東京 2011 でのソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン(SOUL FLOWER ACOUSTIC PARTISAN)のフリー・ライヴについて。

ソウル・フラワーのライヴを観るのはいつぶりだろう? ってくらい久々だったけど、結論としては、とても素晴らしいライヴで、やっぱ、地力のあるバンドは違うなぁ、ってのが率直な感想。演奏自体は 10 曲程度だったんで、 ライヴとしての評価っつうか、レヴューって感じなのもどうかと思うし(星が 4 つなのもその理由から)、バタバタしてるうちに時間が経っちゃったけど、やっぱり、ちょっとグッときちゃったんで。

ちなみに、この写真は iPhone で撮ったモノなのでメンバーの様子はよくわからないけど、手前で菜の花が振られ、その奥に反核を訴えかける旗が振られる向こうでソウル・フラワーが演奏してるっていう、A311 の 2011 年 4 月というタイミングを象徴するような写真が撮れたので使ってみた。

2010/11/26

The music for the great journey.

"180° South" Original Soundtrack (Brushfire Records)  ★ 
 Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store

来年 1 月 22 日に日本で公開される映画『180°(ワン・エイティ)サウス』のオリジナル・サウンドトラックで、ジャック・ジョンソンが主宰するブラッシュファイアからのリリース。

映画は、パタゴニアの創業者のイヴォン・シュイナードとザ・ノース・フェイスの創業者のダグ・トンプキンスの 2 人が 1960 年代(つまり、それぞれのブランドを始める前)に行ったパタゴニア地方への旅を今、振り返ってみたモノで、監督はサーフ・ドキュメンタリーの傑作 "Thicker Than Water" で知られるクリス・マロイ。まぁ、コレだけの要素だけで十分興味津々なんだけど、映画自体はまだ観てないんで、詳細はサイトで。まぁ、トレーラーを観る限り、相当ヤバそうなんだけど。タイトルは「2 人の人生を 180° 変えた旅」って意味らしい。

2010/11/12

Layers of sounds. Layers of voices.

FISTFUL OF MERCY "As I Call You Down" (Hot Rcords) 
Link(s): Amazon.co.jp

個人的には、この秋、一番愛聴してるかもしれない 1 枚で、ベン・ハーパーの新ユニットのデビュー・アルバム。今年の 10 月頭に、わりとひっそりリリースされた印象で、その後もあまりメディアなんかでは目にしない気がするけど、個人的にはとても気に入ってる。

新ユニットっていうか、3 人組のバンドなのかな? メンバーはベン・ハーパーとジョージ・ハリソンの息子のダーニ・ハリソンとジョセフ・アーサーの 3 人。全員、基本的にはギタリストなんで、クロスビー・スティルス & ナッシュ的なイメージかな? サウンドもクロスビー・スティルス & ナッシュ的な多重ヴォーカル系のだし。ベン・ハーパー以外の 2 人に関してはそれほど詳しいわけじゃないんだけど、ベン・ハーパーがメインって感じではなくて、特に誰が主役って感じではない印象。それがわりと成功してるし。

2010/09/27

Sounds of organic ambience.

TURN ON THE SUNLIGHT "Turn On the Sunlight"  
(Disques Corde) ★☆
 Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store

これまでにもたびたび関連作品をレヴューしてきたプロデューサー、カルロス・ニーニョの新しいユニット、ターン・オン・ザ・ライトのアルバムで、NYC 在住のギタリストのジェシー・ピーターソンとのコンビらしい。

サウンドの特徴は 'フォーク'。しかも、'フォーキー' っていうよりも、直球ド真ん中で 'フォーク' って印象。まぁ、カルロス・ニーニョはヒップ・ホップをベースにしつつ、かなり守備範囲の広いアーティストで(そこが好きなところでもある)、近作でも、例えば、ビルド・アン・アークの "Love Part 1"・"Love Part 2" もフォーキーな仕上がりだったし、カルロス・ニーニョ & フレンズ名義の "High With A Little Help From" もアンビエントでアシッド・フォークっぽいサウンドだったし、もっと言えば、プロデューサーを務めたギャビー・ヘルナンデスの "When Love" はまさに 'フォーク' だったんで、そういう流れから考えると、個人的にはそれほど違和感はない方向性かな。

2010/08/22

Deeper love.

BUILD AN ARK "Love Part 2" (Kindred Spirits ★☆
Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store

タイトルからも解る通り、去年リリースされたビルド・アン・アークの "Love Part 1" の続編。かなり開放的でピースフルな印象だった前作と比べると、より渋く、エクスペリメンタルになった印象かな?

ビルド・アン・アークは、これまでにも何度も触れてるカルロス・ニーニョのメイン・ユニットで、安易な表現を使っちゃうと、'カルロス・ニーニョとその仲間たちによるスピリチュアル・ジャズ' のユニットってことになる。個人的には、'スピリチュアル・ジャズ' なんて呼び名はキライなんだけど(だって、スピリチュアルじゃないジャズなんてジャズじゃなくね?)。でも、知らずに聴いたら 70 年代のアルバムかな、って思っちゃうようなサウンドではあるんで。

2010/02/08

Natural woman.

CORINNE BAILEY RAE "The Sea" (Virgin) 
Link(s): Amazon.co.jp / iTunes Store

前にレヴューしたアリシア・キーズほど存在としての 'ポップ感' みたいなモノは感じさせないけど、やっぱり「才色兼備」って言葉がよく似合う、フォーキーでナチュラルなサウンドで人気のイギリス人女性シンガー・ソングライター、コリーヌ・ベイリー・レイの、2006 年リリースのセルフ・タイトル・アルバム "Corinne Bailey Rae" 以来となるセカンド・アルバム。

前作は世界的にもかなりヒットしてたんで、そういう流れを考えるとかなりインターバルが開いた印象かな。まぁ、個人的には前作もすごく好きだったので、すごく楽しみにしてた 1 枚。リリースは前月なんで、ちょっと時間が経っちゃったけど、もちろん、リリース直後にチェックしてたんで。

2010/01/07

Sunshine spiritual groove.

"Love Part 1" BUILD AN ARK (Kindred Spirits)  
 Link(s): Amzon.co.jp / iTunes Store

気が付けば約 1 ヶ月、更新しないまま放置してたこのブログだけど、別に辞めたわけでもなく、レヴューするモノがなかったわけでなく、ただ、ちょっと訳あって(こんな訳だけど)手が回らなかっただけで、今後もボチボチと続けていくつもりです。レヴューするモノがなかったどころか、むしろ溜まっちゃってるくらいなんで。「印象が薄れないうちに、チャチャっと書き留めておこう」ってこのブログの趣旨に沿えてないけどが、まぁ、ボチボチとキャッチアップしていこうかな、と。

で、まず一発目は、個人的には 2009 年のベスト・アルバムと呼んでも差し支えないビルド・アン・アークのニュー・アルバムを。あと、これを機にアルバムのリンク先をアマゾンと iTunes Store の 2 つにしてみた(あるモノは、だけど)。対した意味はないけど、自分だったらこのほうがありがたいと思うんで。

2009/12/06

Sounds of digital-native folks.

SAVATH Y SAVALAS "La Llama" (Stone Throw)  

前のエントリーでプレフューズ 73 の "Meditation Upon Meditations (The Japanese Diaries)" のレヴューを書いてるときに、プレフューズ 73 ことギレルモ・スコット・ヘレンは今年、サヴァス+サヴァラス名義のアルバムも出してたことを思い出して(なんでも、今年、4 枚のアルバムを出す気らしい)、レヴューし忘れてたことに気付いたんで、忘れないうちにギレルモ・スコット・ヘレン連発ってことで。

サヴァス+サヴァラスはギレルモ・スコット・ヘレンがアシッド・フォーク / フォークトロニカ的なフォーキーな音楽性を打ち出して、エヴァ・プュエロ・ムンズとロバート・カルロス・ラング(今作から参加)と組んでるユニット。前にレヴューしたソナー・コレクティヴのコンピレーション "Secret Love" にも収録されてたけど、肌触りとしてはすごく近い世界観って言えるかな。

2009/10/02

Autumn mode. Folky mood.



"Secret Love: A View On Folk"
"Secret Love 2: Another View"
"Secret Love 3: Not A Secret Anymore"
"Secret Love 4"
"Secret Love 5" Compiled by JAZZANOVA & RESOUL (Sonar Kollektiv)  

ちょっと前のエントリーのニコラ・クレーマーの "The Other One" のレヴューでちょっと触れたジャザノヴァ編纂のコンピレーション "Secret Love: A View on Folk" をあらためて聴き直してみようと思ったら、なんとシリーズが 5 枚も出てて、いい機会だからまとめて聴いてみたら、秋にピッタリな感じでなかなかいいコンピレーションだったんで、まとめてレヴューをしてみようかな、と。

2009/09/13

Lovely like the sunshine.

"Sunseed"

.
HAYLEY SALES (Universal

一昨日のリジー・パークス、昨日のセウに続いて、才色兼備な女性アーティストのアルバムをもう 1 枚。夏の間、よく聴いてた 1 枚なんで。

この "Sunseed" はカナダのヴァンクーバー在住のシンガー・ソングライター、ヘイリー・セールズが 2007 年にリリースしたデビュー・アルバム(日本盤がリリースされたのは今年らしいけど)。今年の 1 月にドナヴォン・フランケンレイターのツアーのフロント・アクトとして、8 月にはフジ・ロック出演で来日してたらしい(どっちも観てないけど)。現在 22 歳ってことなんで、このアルバムの制作当時はまだ 20 歳だったってことになる。しかも、ソングライティング、ヴォーカル、ギター、ピアノだけじゃなく、参加ミュージシャンのセレクトからエンジニアリングまで自分でこなしたっていうから、単に「セルフ・プロデュース」って枠には収まりきらない頑張りっぷり。まぁ、末恐ろしいというか、豊かな才能を感じずにはいられない。

彼女自身もサーファーだったりするんで、「女性版ジャック・ジョンソン」的な(リー・エヴァートンな並みの)安直な紹介がされがちだったりするらしいんだけど、まぁ、気持ちはわからんではないかな。アコースティック・ギターを中心としたオーガニックでフォーキーでリラックスしたサウンドとナチュラルなヴォーカルが特徴で、たまによりポップっぽくなったり、レゲエっぽくなったりもする、と。個人的には、そこにちょっと陰というか、ブルース風味がちょっぴり入る感じがツボなんだけど、ブルース風味はあまりないかな。わりと透明感があって爽やかな感じなんで。でも、まぁ、爽やかでナチュラルなヴォーカルはなかなか魅力的。ソングライティングもちゃんとしてるし。

写真ビデオを見る限り、ルックスもなかなかキュートだし、なかなか将来有望というか、これからもチェックしといたほうがいいアーティストなのかな、と。新譜も年内にリリースされるっぽいし。


HAYLEY SALES "Jailcell Mind" (From "Sunseed")








2009/07/15

American funky tradition.

QUANTIC AND HIS COMBO BÁRBARO "Tradition in Transition"
(Tru Thoughts)  Links: iTunes Store / Amazon.co.jp

ちょっと前からモチーラMochilla)の B+ 制作のショート・フィルム、"Tradition in Transition: A Postcard from Cali" のトレイラーを観てたんで、すごく楽しみにしてたクアンティック(QUANTIC)ことウィル・ホランド(WILL HOLLAND)のニュー・アルバムで、今作は新バンドのクアンティック・アンド・ヒズ・コンボ・バルバロ(QUANTIC AND HIS COMBO BÁRBARO)名義。すごく期待してたんだけど、その期待をまったく裏切らないどころか、その予想をいい意味で見事に裏切ってくれた好盤で、正直、かなりビックリな印象。これはヤバイ。

クアンティックはイギリスのトゥルー・ソーツ(Tru Thoughts)からいろんな名義で作品をリリースしてきた DJ / マルチ・インストゥルメンタリスト / プロデューサー、ウィル・ホランドのワン・マン・ユニット。デビューは 2000 年で、当初はわりと典型的な UK ヒップ・ホップなイメージが強くて、けっこうチェックはしてたんだけど、ちょっとイヤな言い方をするとちょっと頭デッカチな印象もあったりした。

2009/07/13

Hidden treasure.

TERRY CALLIER "Hidden Conversations" (Mr. Bongo) 
Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp
 
1960 年代から活躍し、今でも現役としてコンスタントな活動を続けてるシカゴ出身のジャズ・レジェンド、テリー・キャリアのニュー・アルバムで、イギリスの優良レーベルとして知られるミスター・ボンゴから先月リリースされたモノ。

ミスター・ボンゴって言えば、21 世紀に入って以降のテリー・キャリアの作品をコンスタントにリリースしてる(2001 年のライヴ盤 "Alive" とか 2002 年の "Speak Your Peace" とか)レーベルで、去年、ロンドンのジャズ・カフェでのライヴ・レコーディング "Welcome Home" もリリースしてることが記憶に新しい(レビューし忘れてたけど)。

このアルバムも、ジャズ・カフェっていうハコの持つヴァイブも相まってか、タイトル通りというか、なかなかアット・ホームな雰囲気で、ザ・ビートルズの "And I Love Her" のムーディなカヴァーとかも演ってたりして、かなり味わい深いの好ライヴ盤に仕上がってる。

2009/07/12

Sound of humidity.

"Inner Exile"

.
LEE EVERTON(Rootdown

去年リリースされてけっこう話題になってたけど、なんか機会を逃して聴きそびれてたスイス人アーティスト、リー・エヴァートンのデビュー・アルバムを遅ればせながらチェック。漏れ聞いてた評判によると、今〜これからの時期にピッタリっぽいんで。

漏れ聞いてた評判では「レゲエ・シーンのジャック・ジョンソン」みたいな、かなり安直な、でも、ある意味、すごくわかりやすい感じの言われ方をしてたんで、正直、ちょっとビミョーな感じもしてたんだけど、まぁ、確かにアコースティックでオーガニックでシンプルなサウンドで、ブルースとかフォークのテイストも感じさせつつも全体としてルーツ・レゲエをベースにしてて、ナチュラルなソングライティングとヴォーカルって意味では、そう言いたくなる気持ちも解らないではない。

でも、正直言うと、漏れ聞いてた評判ほどの出来じゃないような印象を持っちゃったのも事実。少なくとも、ボブ・マーリーとかボブ・ディランとかヴァン・モリソンを引き合いに出すようなレベルではないな、と。ビックリしたんだけど、ホントにそういうのをどっかで見たんで。まぁ、そんな風に書かれちゃうとどうしても期待値がガーンって上がっちゃうから、聴くときの耳も厳しくもなるんだけど。それに、別に本人が言ったわけじゃないだろうし。もちろん「影響を受けた」くらいのことは言ってるかもしれないけど(この手の音楽をやってて、この 3 人の影響を受けてないアーティストなんているのか? ってハナシだし)、それと、そういった名前を引き合いに出してリー・エヴァートンを紹介することは全然意味合いが違うから。

まぁ、そんな経緯があったからか、個人的には思ったほどじゃなかったというか、それほどシックリきたわけじゃないってのが正直なところ。なんでだろう? ソングライティングがちょっと弱いのかな。声質が好みじゃないのかな。別に出来が悪いわけではないし、湿度が高くなってきた今の時期に、どっかでフツーに耳にしたりする分には全然 OK な音ではあるんだけど。ただ、個人的には、似たような印象の(近いファンクションを持った)アルバムだったら、レゲエ・テイストのモノならミシカの "Above the Bones"、レゲエ・テイストにこだわらないならドナヴォン・フランケンレイターの "Donavon Frankenreiter" とかジャック・ジョンソンの "Sleep Through the Static"、特に "Donavon Frankenreiter" のほうが愛聴度が高いかな。


LEE EVERTON "So Proud Of You" (From "Inner Exile")








2009/07/02

Floating high and around.

CARLOS NIÑO & FRIENDS "High With A Little Help From" 
(Kindred Spirits)  Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

ちょっと前のエントリーで、ミゲル・アットウッド・ファーガソンと一緒に J・ディラのトラックをオーケストラでカヴァーした "Suite For Ma Dukes" をレビューした(最近、『waxpoetics No.4』で聞き捨てならない記事を読んだので追記を書いてある)プロデューサーのカルロス・ニーノがオランダ・アムステルダムの良質レーベル、キンドレッド・スピリッツからリリースしたアルバム。情報は今年のはじめくらいからあったんだけど、実際にリリースされたのは最近っぽい。

カルロス・ニーノっていえば、ビルド・アン・アークアモンコンタクトとしても知られてるプロデューサーなんで、スピリチュアル・ジャズとかヒップ・ホップとかってイメージが強いんだけど、"Suite For Ma Dukes" とかギャビー・ヘルナンデスとか Spaceways Radio Show とかを聴くと、全然それだけじゃなかったりして、なかなか掴みどころのないアーティストだったりする。

2009/05/13

Organic vibes.

"Above the Bones"

.
MISHKA(J.K. Livin Records)

気がつけば 30 代の半ばを過ぎても 1 年の半分くらいをショーツ・パンツで過ごしてるわけだけど(温暖化に伴ってその傾向は強くなってる)、ここのところすっかりショート・パンツ向きな季節になってきてて、当然、聴きたい音楽もそういう気分を反映したようなモノになったりする。そんな最近のヘヴィー・ローテーションのひとつがちょっと前にリリースされたミシカのサード・アルバム。俳優のマシュー・マコノヒーの主宰する J. K. リヴィン・レコーズの第 1 弾リリースなんだとか。ハリウッドのこととか疎い(というか、興味がない)んで、よく知らないけど。

ミシカといえば、カリブ海のボートの上で育ったっていう異色の経歴を持つカナダ人のアーティスト(同じ境遇で育った姉はヘザー・ノヴァだったりする)。仕事で行ったフジ・ロックでライヴを観たことがある。1999 年にクリエイションからファースト・アルバム "Mishka" がリリースされた後だったかな。レーベルがクリエイションだったからか、ちょっとロックっぽいプロモーションがされてたようなイメージがあって、でも、ライヴはシンプルでアコースティックな、まぁ、言っちゃえば地味な感じで、レゲエの印象がけっこう強かった。そんなギャップのせいもあったのか、はたまた知名度が低かっただけだったのか、あまり人が集まってなかったような記憶がある。でも、個人的にはそれが逆に良かったんだけど。ボケッとノンビリ楽しめて。ライヴ自体はすごく良かったし。(最近は行ってないから、どうなのかわかんないけど)フジ・ロックみたいなイベントって、どうしてもネーム・ヴァリューがあって、ヒット曲のあるアーティスト(=ビッグ・ネーム)に有利に、新人に不利になりがち(実力とは別の次元で)。ステージがひとつのイベントならどんなに知名度のない新人でもとりあえず観て(聴いて)はもらえるから、ライヴが良ければ「勝てる」けど、ステージが複数あるイベントだと観てすらもらえないから。ちょっとハナシがズレちゃったけど、そんなわけで、ミシカにはわりといい印象があって、メチャメチャ好きってわけではないものの、まぁ、リリースがあればちょっと気になる存在だった。

アルバムとしては、2006 年にリリースしたセカンド・アルバム "One Tree" 以来のリリースになるんだけど、ルーツ・レゲエ / ロック / フォーク / ブルース / ソウルなんかの影響を消化したアコースティックでレイド・バックしたサウンドもソウルフルなヴォーカルも健在。メチャメチャ名盤ってわけじゃないし、特にキャッチーな曲が入ってるわけではないけど、アルバム全体に貫かれてるオーガニックなグルーヴがなかなか心地いい。最近は、ジャック・ジョンソンなんかに代表されるようなサーフ・ミュージック的な文脈でとらえられてるみたいだけど、まぁ、その気持ちもよくわかるかな。演ってることはファーストの頃から全然変わってないけど。


MISHKA "My Love Goes With You" (From "Above the Bones")









2009/05/09

Sunshine folk music.

GABY HERNANDEZ "When Love" (Armed Orphan)  

ビルド・アン・アークやザ・ライフ・フォース・トリオ、アモンコンタクトなどの作品にフィーチャーされてる LA 出身の女性シンガー・ソングライター、ギャビー・ヘルナンデスのソロ・アルバムで、プロデュースは前に "Suite For Ma Dukes" をレビューしたカルロス・ニーニョ。

ちょっと前にリリースされたカルロス・ニーニョの "High With A Little Help From" も素晴らしい出来映えだっただけに、期待してたんだけど、いい意味で期待を裏切ってくれたアルバムかも。

2009/05/07

Too dope to pop.

CASSANDRA WILSON "Closer to You: The Pop Side" (Blue Note) ☆  
Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

自らの可能性を狭義の「ジャズ」の様式美の枠に押し込めることなく、意欲的にフォーキーでブルージーでエクスペリメンタルなジャズの可能性をドープな歌声で表現してるリアル・ジャズ・シンガー、カサンドラ・ウィルソン(CASSANDRA WILSON)のカヴァー集。

新録モノではなく、既発アルバムに収録されてたモノを集めたコンピレーションなんで、真新しさは感じないけど、まぁ、あらためてこうやってまとめて聴くと、曲の良さは活かしつつも、オリジナルのイメージにとらわれずにその曲を自分のモノにしちゃうカサンドラのカヴァーのセンスの良さは楽しめる。

ドープ過ぎて取っ付きにくいところもあるカサンドラを聴くキッカケにって意図の企画盤なんだと思うけど、そういう意味では十分アリなんじゃないかな、と。アートワークもらしくないくらい(失礼!)いつもよりオシャレだし。まぁ、それでも、音自体は十分ドープ過ぎなんだけど。

2009/05/06

The Paris match.

JOYCE with NANA VASCONCELOS & MAURICIO MAESTRO "Visions of Dawn" 
(Far Out Recordings)  

パーカッショニストのナナ・ヴァスコンセロス、マルチ・インストゥルメンタリスト / プロデューサーで、ジョイスの前夫でもあるモウリシオ・マエストロ、そしてもちろん言わずと知れたブラジル音楽のミューズ、ジョイス。この 3 人が 1976 年にパリで行ってたセッションが 33 年の時を経て発掘された。

リリースはジョー・デイヴィスが主宰するファー・アウト。相変わらず、いい仕事してくれる。この時期、このメンツってだけで、まぁ、十分期待しちゃうんだけど、その期待を裏切らない仕上がりで、文字通り、お宝音源って呼ぶのが相応しい。

2009/04/11

In a folky mood.

JAIME & NAIR "Jaime & Nair" (CID)  
Link(s): iTunes Store / Amazon.co.jp

個人的なムードとしては、ちょっと前にレビューしたイルドンの "Na Rua, Na Chuva, Na Fazenda" と、何日か前にレビューしたドナヴォン・フランケンレイターの "Donavon Frankenreiter" に近いというか、ふたつを足して 2 で割ったような印象の 1 枚。あくまでも、音楽性の類似性ってハナシよりも印象とかムードのレベルでだけど。

ラヴリィなイラストレーションのアートワークとタイトルからもわかる通り、ジャイミとナイールの男女 2 人組デュオの 1974 年のデビュー・アルバム。オープニング・トラックの "Sob O Mar" が "Gilles Peterson in Brazil" に収録されてたのは知ってたんだけど、アルバムは最近までチェックしてなくて、でも、なぜか日本で CD 化されてて。こういうところはさすが日本というか、こういうマメさは日本人ならでは。